マンションの騒音問題。苦情でトラブルにならないためには日頃からの人間関係を大切にしておこう。

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「逆に言ってもらえて良かったと思って」

 

先日とあるママさんと話していた時のこと。

 

マンション住まいのこのママさんは、下の階の住人から騒音についての苦情を直接受けたそうです。

 

ですが、彼女曰く「直接苦情を言ってもらえて良かった」とのことでした。

 

一般的には、マンションの騒音問題を個人で解決しようとするのは「トラブルの原因になるのではないかしら」と不安になるものですよね。

 

特に賃貸マンションなどになると住人の入れ替わりもはげしく、昼夜の騒音で迷惑していたとしても「どんな人が住んでいるかもわからないし」と苦情を申し立てるのも気が引けるもの。

 

ですが、このママさんのように直接苦情を言われたにも関わらず、その行為に対して否定的に捉えることなく、対処できているのは何故なのか。

 

話を聞いていると、そこにはそのママさんの日頃からのご近所との関わり合い方にヒントが隠されている事に気がつきました。

 

今日はそんなマンションでの騒音トラブルを回避できる一つの参考になるようなお話をしてみたいと思います。

 

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マンションの騒音とはどのようなものなのか

 

では、マンションにおける騒音とは一体どの程度のことまでを指すものなのでしょうか。

 

環境省では下記表のように、騒音となる生活音の基準値を設けています。

 

地域の類型 基準値
昼間 夜間
AA 50デシベル以下 40デシベル以下
A及びB 55デシベル以下 45デシベル以下
60デシベル以下 50デシベル以下

出典:環境省HP より

※AA…療養施設・社会福祉施設など得意に静穏を要する地域

A…もっぱら住居のために供される地域

B…主に住居のために供される地域

C…相当数の住居と合わせて商業・工業のために供される地域

 

マンションだとこの表でいえば「A及びB」の基準値となり、これを上回る音(生活音)などが騒音とされる可能性があります。

 

つまり、騒音というのは…

 

「ちょっと子供の足音がうるさいなー」

「ドアの開け閉めの音が大き過ぎる」

「夜中の話し声が響いて寝れないんだけど」

 

などの「個人の感覚」での基準でははかれないというのがポイントです。

 

音の大きさ(デシベル)

日常生活音のいろいろ 家庭用設備 エアコン 約41~59
温風ヒーター 約44~56
換気扇 約42~58
風呂又は給排水音 約57~75
家庭用機器 洗濯機 約64~72
掃除機 約60~76
目覚まし時計 約64~75
電話のベル音 約64~70
音響機器 ピアノ 約80~90
エレクトーン 約77~86
ステレオ 約70~86
テレビ 約57~72
その他 犬の鳴き声 約90~100
子供のかけ足 約50~66
ふとんをたたく音 約65~70
車のアイドリング 約63~75
人の話し声(日常) 約50~61
人の話し声(大声) 約88~99

出典:東京都環境局HP より

 

私が住んでいるマンションでは夜8時以降のピアノは禁止ですが、この表を参考にするとどの程度の音が騒音になり得るかの参考になります。

 

マンションの管理会社に近隣住民の騒音について苦情を申し立てたい場合は、基本その騒音を証明できる証拠を提出する必要があります。

 

 




 

 

騒音問題は基本当事者間で解決するもの

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Putting The Puzzle Together / teegardin
騒音というのは、ただ個人でテープレコーダーに音を記録しておくということだけでは証拠として認められません。

 

環境省の基準に適合した「騒音器」という機械を使って、専門の業者に測定してもらう必要があります。

 

その結果、基準値を超える音が一日のうちで数十分、週に何回かあれば騒音として認定されることになります。

 

ただ、そんな騒音測定も業者に頼めば数万~十数万と高価で、よほどの事がない限り一般人が利用しようと思える値段ではないのも事実です。

 

また、これはマンションの理事会で管理会社の担当社員にも確認したのですが、騒音問題ではたとえ管理会社に住民からの訴えがあったとしても、管理会社から直接騒音を出していると思われる住人への注意勧告はしない(できない)そうです。

 

その理由としては、先に述べたようにその騒音と言われている音が果たして本当に騒音レベルのものなのかは測定などしないとはっきりしないため、個人の生活に管理会社が介入することが基本できないためだそうです。

 

音の感じ方というのは個人差も大きいところで、同じ音でも人によって不快に思う場合もあれば気にならないという場合もあります。

 

そのため、どうしても近隣の生活音が気になるという場合は、当事者間で問題解決をはかる必要があるのです。

 

 




 

 

個人で掲示板への告知文を貼るのはNG行為

ですが、管理会社としては再三騒音などで苦情があった場合は、「掲示板への告知文の掲載」という形で対応することになります。

 

この場合は当然、騒音元と思われる住人を特定することなく、近隣への配慮を促す文章のみになります。

 

ただ、これを管理会社を通さずに個人でやってしまうのはNGです。

 

マンションの掲示物というのはマンションの管理会社が管理するもので、それを個人の私用物にしてしまうのは規約違反になります。

 

「直接苦情を言いに行くのはためらわれるけど…」という方は、まずは管理会社に相談してみましょう。

 

ただ、私個人の意見としては、この掲示板への告知文というだけでは抑制効果は薄いと実感しています。

 

というのも、この騒音とは別件なのですが、私の住んでいるマンションではベランダへの布団干し禁止という決まりがあるものの、もうずっと布団を干している方がいらっしゃいます。

 

掲示板に「ベランダ手すりへの布団干し禁止」の貼り紙も入居当初から出してはいるのですが、一向に改善する気配がありませえん。

 

掲示板って見ない人はまったく見ないんですよね。

 

それでも管理会社は当事者への直接の連絡はしないとのことです。

(布団の場合はしても良さそうなものだけど…)

 

近隣とのコミュニケーション・誠意ある対応が必須

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生活音というのはそこに住んでいる以上、必ず出るものです。

 

そして、小さい子などがいるご家庭の場合は、親がいくら言っても防ぎきれない大きな音を出されてしまう事も多いですよね。

 

押し入れによじ登ってジャンプしたり、おもちゃをガンガン打ち付けて遊んでみたり…。

 

我が家は次男(自閉症スペクトラム児)が癇癪持ちなので、突然ひっくり返って大暴れ…なんてことも日常です。

 

防音マットを敷いて、なるべく静かに遊ぶよう促してはいるものの、実際は音を立てない生活って難しいですよね。

 

なので、我が家は入居時に上下左右のお宅には子供を連れてご挨拶に伺いました。

 

分譲マンションのような一斉入居の場合は挨拶をしないというところもあるようですが、私は音でご迷惑をかける可能性があるのでその旨と、何かあったらすぐご連絡いただけるように伝えました。

arrow47_004新築分譲マンションへの引越しでご近所への挨拶まわりは必要なのか。おすすめギフトの選び方とは。

 

今回苦情を言われたママさんもそうで、下の階のご家庭とは会えばお話をするような間柄だったので、今回言われた事に対しても素直に受け入れる事ができたようです。

 

大切なのは、そのような不快に思う状況があったとしても、それを正直に話してお互いが納得できる関係を日頃から築いておくことですよね。

 

音だけに限らず、物事の感じ方や価値観は人それぞれです。

 

自分にとっては常識だと思っている事が、他人には非常識な事だというのは十分考えられます。

 

だとしたら、相手から思いもよらないことで苦情を言われたとしても、それを客観的に受け止めて対処できる想像力が必要ですよね。

 

中には、メディアでも話題になっているゴミ屋敷やハト屋敷の住人のように、一般的な常識の範囲内での対応が通用しないという困った人もいるようですが、そんな人はごく稀な存在だと思います。

 

こちらが誠意ある対応をしていれば、たとえ苦情をいう側となっても言われる側となっても、当事者間でのトラブルというのは起こらないのではないでしょうか。

 

隣の音がうるさいから「壁ドン」とか「天井ドン」などをいきなりやってしまえば、相手も不快に思うに決まっています。

 

相手の生活も配慮した申し立てを行い、それでも改善されない場合は管理会社へ…など順序を踏んで事を進めていくのが騒音問題では大切です。

 

「自分も誰かの不快の元になる音を出しているかもしれない」

 

そう思って生活することで、少し近隣の音への感じ方も違ってくるかもしれません。

(この音にかんしては、本当に個人差があるので難しいのですが…)

 

ついつい個人主義になりがちなマンション生活ですが、ご近所との関わり方や何かあった時の誠意ある対応を気にかけながら生活することがもっとも大切な事だと思います。

 

 

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