高嶋ちさ子さんの「ゲーム機バキバキ事件」が話題になっていますね。
高嶋家では任天堂DSで遊ぶのは平日は禁止されているにもかかわらず、9歳の長男がゲームをしたため、怒った高嶋さんが6歳の次男のものと合わせて2台の 端末をバキッと折って壊した。翌週、長男は算数のテストで満点を取り、友人に「ゲーム機を折られたから満点を取れたんだ」と自慢した、というものだ。紙面 には真っ二つになったDSの写真も掲載された。
出典:週刊文春WEB より
高嶋さんはゲームをする曜日や時間などをお子さんとあらかじめ決めていたようで、仮にその約束を守れなかった場合はゲームを壊されても良いとお子さんと約束していたそうです。
そんなある日、高嶋さんが帰宅すると、宿題をせずにゲームをしていたお子さんを見て高嶋さんはそのゲーム機を真っ二つに折り壊してしまったとのこと。
高嶋さんの主張では「これは子供との約束だったから約束を守っただけ」ということですが、この対応に世間では賛否両論あるようですね。
「やり過ぎだ」「子供との約束を守っただけだから問題なし」「任天堂に謝れ」などさまざまな意見があるようですが、私としては物を粗末にするというゲーム破損行為については賛同できかねます。
ただ、ご家庭の数だけ教育方針はあるでしょうから、約束の仕方や守らせ方も多種多様になるのは自然なことと思っています。
しかし、今回のこのゲーム機バキバキ事件が炎上してしまった要因の一つに「約束を破ればゲーム機に制裁を加える」という約束の内容にあったのではないかとも思えるのです。
これは本当に子供が了承した上での約束だったのか。
真実の程は分かりませんが、我が家の長男も現在同じようにゲーム(DS)に夢中で、子供との約束の仕方についてはいろいろ考えているところでした。
そこで今回は、ゲーム機バキバキ事件にみる子供との約束の仕方や守らせ方について考えてみたいと思います。
長男のゲーム機使用を認めている理由
我が家の長男は小学1年生ですが、すでにDSでゲームをしています。
と言っても、3DSなど最近発売されたような新機種ではなく、私や主人が独身時代に使っていたような古い型のDSを使っています。
「小学校1年生でゲーム機は早いんじゃない?」と思われる方もいるかと思います。
ただ、私も主人ももともとゲーム好きというのもありましたし、ゲームをする上での決まりを守れるのであればする事自体は問題ないという考えです。
事実、最近の子供の生活においてゲーム機というのはすごく身近な存在になっていますよね。
DSが無くてもWiiはあるというお子さんも多く、長男もよそのお家に遊びに行った時は我が家にはないWiiなどのゲーム機をさせてもらうこともあるようです。
そんな環境の中では、子供に意図的にゲームの存在を教えないようにするというのは不可能に近いですし、またあえて親がそのようにする必要もないと思います。それは親のエゴだと思うからです。
佐藤ママという息子3人を東大の医学部に合格させたという有名な方がいらっしゃいますが、その方の家では子供が中学生になるまではゲーム機を禁止していたそうです。
この話を聞いて私がまず思ったのは「お子さんが偉いな」ということでした。
家でのゲームを禁止するということは、完全に親の都合ですよね。推測の域ですが、「ゲーム機は勉強の妨げになる」などの親の思いがあったからこそなのかもしれません。
ただ、子供だったら学校などでゲームの話にもなるでしょうし、「ゲームやってみたい」とお子さんが思うのも自然なことだと思うのです。
それを親の言いつけをきちんと守り、6年間従ってきた息子さんが大したものだと思います。
我が家の長男もいつの間にかゲーム機の存在を知っていましたし、「だったらお母さんが昔していたゲームしてみる?」とさせたのがきっかけです。
今ではDSでドラクエ4をしています(笑)
まだ小学1年生なので、会話文の漢字が読めなかったり言葉の意味がわからなかったりと苦労はしているようですが、漢字を覚えるきっかけにもなるし、武器屋で買い物をするにしても数字の概念がないとできないわけで、こう考えるとゲーム機は子供にとって悪いことばかりではないように私は思っています。
最近では高齢者の認知症予防にゲーム機が使われているともいいますしね。
ただ、これは私自身が経験済みなのでよく分かることなのですが、ゲームは中毒性が高いです。
特に子供の頃などは、私も寝ても覚めてもドラクエの事ばかり考えていたような時期があったので、子供自身が自分の行動を制御しながらゲーム機と付き合うというのはかなり難しいことだと感じています。
それ故、親は子供にいかにゲーム機と付き合わせていくかということを援助してやる必要があると思うのですが、それが「子供と約束すること」に他なりません。
ゲームをする上での長男との約束事とは
我が家では、長男がゲームをする際の約束事を下記のように決めています。
宿題・明日の準備・片付けが終わってから
家に帰ってきたらすぐにゲームができるわけではありません。
すべきことをし終わった後ならゲームをして良い事に決めています。
学校から帰ってきたら、まずは手洗い・うがいをする。その後、宿題をする。宿題が終わったら明日の準備をして、給食袋を出したりジャンパーをかけたりと身の回りの整理をするように約束しています。(たいてい全てほっぽり出しているので 笑)
宿題も学校で決められた約束です。
「しないといけない事はまずしなさい」と教えるためです。
ゲームをする時間は長男自身が決める
我が家ではゲームをする時間は長男に決めさせています。
親が…
「ゲームは平日禁止!土日だけ」
「一日30分だけね」
などと決めてしまうよりかは、子供にする時間を決めさせることで自立心が養われると私は思っているからです。
大人でもそうですけど、人に決められて指示されるのって良い気がしないですよね。
それよりも「ご飯の時間まで後20分くらいあるからその間ゲームしようかな」などと子供自身が時間の使い方を考える事で、子供にとっても「自分で決めたこと」という実感がわくのため、ゲーム時間もきちんと守ろうとしてくれるようになります。
なので、我が家では長男が「ゲームして良い?」と聞いてきたら「何時までする?」と必ず聞き返すようにしています。
約束事は子供と協同して作る事が大切
先述したように、約束事も一方的に決められた内容であれば、それを守ろうとする意欲は湧いてこないものです。
親に一方的に「こうしなさい」と言われても、なぜそうしないといけないのかが分からなければ子供も約束が守れないのは当然です。
なので、我が家では約束事は子供と協同して決めるようにしています。
親として守って欲しい約束を話し、なぜそれを守って欲しいのかを説明します。
そして、それに長男が納得してくれれば約束は成立します。
私自身、子供の頃は理由のよく分からない決まり事を親から押し付けられていたという実感があったので、余計長男にはそのような思いをさせたくないというのがあります。
なるべく本人の意思を尊重したい。
ですが、長男もまだ小学1年生で、本人の意思ばかりを尊重していても子供にありがちな「ラクな方。楽しい方」へと気持ちが流されていってしまう可能性も大いにあるので、そのような時は「それだとこんな風になってしまうと思うけど、大丈夫?」などと軌道修正できるよう促しています。
物の大切さを教える事は必要
Book is a treasure of knowledge…. / 132821038@N06
私は今回の高嶋ちさ子さんの「ゲーム機バキバキ事件」で問題だと思ったのは、子供との約束内容にあると思います。
「約束を守れなかったらゲーム機を壊して良い」という約束をお子さんとしていたとのことですが、ゲーム機の遊び方について約束をする際にそのような約束内容しかなかったのかが疑問です。
親も子供も約束した事は守る必要があります。
ですが、ゲーム機を壊すという倫理観に欠けるような約束内容を本当に子供が承諾するでしょうか。
ゲームをしたくてたまらない子供がゲーム機を壊されるという事実をたいてい受け入れるとは思えません。
「ゲーム機壊されるくらいなら約束守ろう」と思うのが子供で、高嶋さんとしてもそのような子供の心理をついた上でこのような約束をしたのかもしれませんが、必ず約束を守れる子供はいないと思います。
大人でもそうですよね?今日はちょっとだらけたい気分だなーとか、必ずしも毎日規則正しく暮らせるものでもありません。
我が家の長男もそうですが、自分で時間を決めてゲームを始めたものの、約束の時間が過ぎていることなんてしょっちゅうです。
その度に「あれ?時間大丈夫?」と聞くのですが、「あ、忘れてた」といつも慌ててゲームをセーブしています(笑)
そんな時も「約束破ったな!もうさせんぞ」ではなく、私はあえてなにも言いません。それは私の声かけでゲームをすぐにやめる事ができているからです。小学生ならこれで良いと思うんです。
そもそも「約束を破ることもある」という前提があれば、高嶋さんのような約束を破った時の激しい代償は、親と子供の間で結ぶべき約束ではないような気がします。
物を大切にするという教えも、これでは子供に響かなくなりますよね。
約束を守れなかった時の内容もまた、子供と一緒に適切に考える必要があるのではないでしょうか。
約束は簡単な内容にする
我が家のゲーム機使用のルールは、「すべき事をしてから」「時間を決めてする」の2つだけです。
それもそのほとんどは子供自身に決めさせています。
長男はまだ小学1年生ということもあるからなのですが、子供との約束の内容は簡単な方が良さそうです。
「この時は良いけど、こういう場合はだめ」などあまり複雑化してしまうと、子供には約束の理解が困難になります。
また、簡単で明瞭な内容にすることで、子供自身も守りやすくなりますし、守れた事が自信にもつながります。「次も守ろう」という動機にもなります。
「約束を守ったら親も約束を守ってくれる」という信頼関係の構築にも繋がると思うんです。
ご家庭によって子供との約束というのはさまざまでしょうが、どのような内容であれ、子供と一緒に考えお互い納得できるような内容を約束するようにすれば、子供にとっても親にとってもストレスなく続けられると考えています。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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