【発達障害】中学校支援学級はどんなところ?新入生保護者会で聞いた「学習・生活・行事・進路」などの話。

自閉症スペクトラム(ASD)と診断されている次男。

 

実りの多かった就学相談を終え、はれてこの春から中学校の特別支援学級(知的)に入学しました。

 

小学校6年生の時に受けた就学相談会の内容についてはこちらをご覧ください。

次男は小学校の時も支援学級(知的)に在籍していましたが、中学校へと進学するにあたり、同じ支援学級(知的)といえど分からないことばかり。

 

そんな中、入学する直前に、支援学級での新入生保護者会が行われました。

 

学習・生活・進学・行事など、気になることをいろいろと知ることができましたので、このブログでも情報共有したいと思います。

 

学校関係は非常に自治体差などが大きいため、どの方にも当てはまる内容ではないかもしれませんが、これも1つの中学校支援学級の在り方として「こんな感じなんだなー」くらいに読んでいただければと思います。

 

学習面

5教科は支援学級で授業を受ける

次男の中学では、国語・数学・理科・社会・英語の5教科は、基本的に支援学級で授業を受けるそうです。

 

中学校の支援学級も1クラス8人まで。ここは小学校と同じです。

 

学習の進め方に関してはプリント学習が主なようですが、内容や単元によってはタブレットなども使用して学んでいるそう。

 

そういう意味では、支援学級内での一斉授業スタイルだと言えます。

 

ただ、数学など学習進度に個人差が大きい教科に関しては、個別課題を用意してそれぞれのスピードで学んでいるみたいです。

 

また、5教科については絶対交流クラスで授業が受けられないわけではなく、その生徒の希望や能力次第では、もちろん交流クラスでの授業を受けることも可能です。

 

5教科や副教科以外にも中学校支援学級で加わってくるのが、作業学習です。

 

主に畑仕事(農作物を植えたり収穫したりする)ですが、この作業学習の時間が週に3~4回ほど入ってきます。洗い替え用の体操服は数枚持っていた方がよさそうです。

 

副教科・学活・給食は交流クラスへ

5教科以外の科目(体育・音楽・美術・技術)については、基本的には交流クラスで授業を受けることになります。

 

【交流クラス】
支援学級に在籍している生徒は、通常普通学級にも同時に籍をもっています。入学する際に、「普通学級では〇組、支援学級では〇組」など在籍する二つのクラスを知らされます。

 

副教科以外にも、次男の中学校では学活や給食なども基本交流クラスに行きます。

 

この部分に関しては、交流クラスに行かないという選択肢はなさそうな雰囲気でした。

 

次男は特性上、集団活動や一斉指示を聞くなどが苦手なため、小学校でも体育などは支援員の先生がマンツーマンでついて参加している状態でした。

 

そのため、入学前の段階から中学校には…

 

私

一人で交流クラスに行くのは厳しいです。

という話をしていました。

 

 

紆余曲折あったものの、結果的に中学校からは…

交流クラスに行く際、次男君には支援員をつけますね。

と配慮をいただけることに。

 

 

最初は給食の時間にも支援員が教室の後ろから見守っていたそうですが、今は…

 

次男
次男

給食は一人で交流に行ってる。

 

と次男が話していたので、どうやら少しずつ一人で出来る(行ける)ような支援を学校側としてはしているようです。(これは私が入学前にも「徐々に支援員無しで一人でできるように」と学校側にお願いしていた部分でもあります)

 

次男の場合、できる事・理解していることは本当に多いのですが、こだわりや過敏・視覚優位などの自閉傾向の強さから、できる事が環境により左右されることが多々あります。

 

約40人ほどいる交流クラスでの授業は正直次男には向いていないのですが、集団で生活するという経験値を積む意味で参加させている部分が大きいです。

 

ストレスの閾値も低いタイプなので、その辺は担任に伝えたうえで、担任も次男に過度なストレスがかからないよう配慮しながら進めてくれています。

 

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生活面

生活面では主に2点、「基本的生活習慣の確立」「精神面でのサポート」に取り組んでいる印象でした。

基本的生活習慣の確立

中学校の支援学級では、あいさつ・時間を守った行動・衣類の着脱・衛生面について定着するようサポートもしているようです。

 

中学校の支援学級というと「身辺自立はできている子が行くところじゃないの?」と思われるかもしれませんが、中学校となるといろいろな課題もでてきます。

 

そのひとつが、福岡市の中学校の制服問題。

 

特別支援学校をのぞく福岡市内の中学校は制服登校です。

 

小学校までは私服で通っていた子供達にとって、毎朝制服に着替えて登校するだけでも一大事。

 

カッターシャツの第一ボタンをとめられない、ネクタイをつけられない、ベルトの着脱…など、慣れない制服に悪戦苦闘する子が結構多いそうです。

 

特に、作業学習の多い支援学級の生徒たちは、普通級の生徒よりも制服から体操服に着替える機会も多く、限られた時間ですばやく着衣ができることが求められます。

 

入学前に学校からも…

 

制服を着る練習をしておいてくださいね。

と言われ次男も春休み中にしましたが、学校でもその辺のサポートはしてくれるみたいです。

 

 

また、あいさつや時間を守る・衛生面については、なんらかの特性を抱えた生徒が通う支援学級だからこそ、中学校でも少し丁寧に指導してくれるようです。

 

精神面でのサポート

中学校の支援学級では、次男のようなASDやADHD、LD(学習障害)や知的障害のみの子など、本当に多様な生徒が通っています。

 

そのような子の多くが、感情のコントロールが苦手だったり、他者とのコミュニケーションの取り方が難しかったりと、精神面でのサポートが必要なことが多いです。

 

そのため、次男の通う中学校の支援学級でも情緒面での配慮をしていくと同時に、「集団の中で生活していく力」を養うようなかかわりをしているそうです。

 

我が家が中学校の支援学級に期待している部分はまさにここで、次男には学校という集団でしか学べない人間関係の築き方などを学んでほしいと思っています。(今のところノー友達の次男…)

 

進学

新入生保護者会では、中学校の支援学級を卒業した後の進路の話もありました。

 

卒業後は…

■支援学校高等部
■高等支援学校
■私立高校
■サポート校・通信制高校
などに進学しているお子さんが多そうでした。
次男が在籍している中学校の支援学級は知的クラスなので、内申書の関係から公立高校に進学している生徒はやはりいなさそうでした。
情緒の支援学級では学習進度は通常学級と同じペースで進むため、内申書も通常学級のように5段階評価でつきますが、知的の支援学級は通常学級と同じような定期テストを受けることもほぼ無いため(絶対ではありません。お子さんによりますが)、通常学級のような5段階内申書はないそうです。そのため、内申書を重視する公立高校受験は不利になります。
※公立高校を受験できないということはありません
※福岡市での話なので、他の自治体ではまたいろいろ違うかもしれません
また、高等支援学校と特別支援学校 高等部の違いについてですが…
【高等支援学校】
・一般企業(障害者枠など)での就労を目指すカリキュラム
・入学者選抜(受験)がある
・軽度知的障害や軽度発達障害の生徒を対象としている
【特別支援学校 高等部】
・小学部、中学部と併設した学校の中にある
・生徒に合わせた自立の形を目指す教育
・定員はない
・障害程度が幅広い生徒が通う

ざっくりまとめるとこのような感じです。

 

次男は今のところ高等支援学校を目指していますが、引っ掛かるのは「受験があること」と「軽度」というところ。

 

検査的には知的境界域の次男ですが、自閉傾向が強いため「受験に堪えられるか」「面接とか撃沈なのでは?」と不安しかありません。

 

就学相談の時に相談員の先生(元高等支援学校の校長)に…

 

私

高等支援学校には自閉傾向が強いお子さんもいますか?

とたずねたところ…

校長先生
校長先生

いますよ。自閉症のみというお子さんも過去にいました

とお話されていました。

高等支援学校にもいろいろなタイプのお子さんがいるようですが、一般就労を目指しているだけあって、結構厳しいカリキュラムのようです。

 

いろんな意味で、受験を突破できるような子でないと高等支援学校は厳しいということなのか…。

 

ちょっと脱線しましたが、このように中学校の支援学級では1年生の頃から積極的に進学先となりえる学校を見学に行くようです。

 

行事

行事については、中学校の支援学級では「体育大会・合唱コンクール・修学旅行」などには普通級と同じように参加するそうです。

 

行事が大の苦手な次男は、それぞれの行事が近づいてきた段階でどのような形で参加するのか要相談することになっています。

 

評定との絡みもあるため、行事に参加しないということは実質できなさそうですが、参加の仕方は生徒に応じて対応してくれるようです。

 

また、中学校の支援学級には独自の行事がいくつかあります。

 

支援学級独自の行事

福岡市合同キャンプ(9月頃)

福岡市の約70校の特別支援学級が参加する大規模なイベントがあり、次男の中学校支援学級の生徒も毎年参加しているそうです。

 

場所は例年「海の中道 青少年海の家」にて1泊2日で行われています。

 

参加は強制ではなく希望制。

 

我が家の次男も参加予定ですが、このような校外行事の時は支援員がつかないため、次男の状態によっては保護者の同伴をお願いするかもしれないと言われています。

 

ファインピック(11月頃)

中体連主催のスポーツ大会で、特別支援を受けている生徒が参加するイベントです。

 

競技種目としては、持久走・ボーリング・卓球・バスケ・ボッチャなどいろいろあるようです。

 

1人1競技に参加できるので、次男が…

 

次男
次男

ぼく、走りたい。

 

と言っていたのもあり、次男は徒競走を選ぼうかと思っていたところ、ファインピックなかなかのレベルの高さということをX(旧Twitter)のフォロワーさんに教えてもらい。

(次男、50m走17秒台です…)

 

持久走は無理なんじゃ?と思っていたところ、次男の支援学級では帯同する職員数の関係でボーリングとボッチャの2種目になりそうとの情報があり、現在ホッとしています。

 

 

ファインアート展(2月頃)

ファインアートとは、特別支援学級の生徒が1年間かけて制作したアート作品を展示するイベントです。

 

次男の中学校も毎年参加しているそうで、自立活動や生活単元の時間に作品作りをしているそう。

 

作品は、水彩画や版画・陶芸・書道・ガラス細工など多岐にわたり、生徒自身がやりたいものを作っているようです。

 

毎年、福岡市美術館で開催されています。

 

卒業後の進学先見学(6月頃から)

上記の「進学」のところでもお話しましたが、中学校の支援学級では1年生の時からさまざまな進学先の見学を行っています。

 

生徒と教師のみで行く見学もあれば、生徒と保護者で行くものもあったり、1年生の頃から結構バタバタしそうな感じです。

 

また、見学してみたい学校などがあれば、担任に相談すると個別に見学などの調整もしてくれるようでした。中学校支援学級、手厚いなー。

 

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中学校の支援学級(知的)で求められる力

先生から中学校支援学級での取り組みを一通り聞いたあと、「このようなことができていて欲しい」というお話もありました。

 

中学校は支援学級?支援学校?と悩まれている方の参考になる部分かと思いますので、以下にまとめます。

 

基本的生活習慣が身についている

先ほど「生活」のところで「学校でも基本的生活習慣が身につくようサポートしてくれる」というお話を書きましたが、ここで言う基本的生活習慣とは「食事・排泄の自立」「最低限の意思表示・疎通ができる」という点です。

 

中学校では、中学校内のルールや流れについては担任や支援員がサポートしてくれますが、食事や排せつに補助が必要とか、口頭指示の理解が難しいなどがあると中学校支援学級では厳しいと思います。

 

「集団が苦手だけどこのような配慮があれば落ち着ける」などであれば、中学校の支援学級はサポートしてくれます。

 

一人で登下校できる

事情があれば学校側と要相談という形で保護者の送迎も可能そうではありましたが、中学校の支援学級では基本、一人で登下校できることを求められました。

 

次男の場合、中学校は小学校よりも家から遠いため、春休みの間に何度か中学校までのルートを一緒に歩いて練習しました。

 

中学校では「時間を守る」ということを生徒にとても意識させている感じで、「登校時間を守る」「遅刻しない」などをわりと強く言われました。

 

体力をつける

中学校では、基本的に16時30が下校時間になります。

 

小学校の時からすると急に下校時間が伸びて、学校で過ごす時間が増えるため、先生からは「1日6時間を学校で過ごせる体力をつけて欲しい」と言われました。

 

144cm、33kgのもやし体型の次男。

 

体力とは無縁の生活をしていましたが、これを機に、まずはご飯をたくさん食べるというところから体力作りを始めました(笑)

 

薬の影響もあるのか、小学校では午後からよく寝ていたという次男、この体力の話をすると…

 

次男
次男

学校で寝たくなったらどうするの?

と言っていたので、「学校に要相談」と伝えました。

 

ただ、今のところ学校で寝ているという話は担任からは聞いていません。

 

また、学習面については、学習内容の進度を問われることはなさそうでした。

 

個人のその時の進度に合わせて中学校からも学習を進めてくれるようなので、次男も現在の学習進度を伝えて、そこからスタートしてもらっています。

 

小学校で履修できなかった学年の教科書などは中学校でも使う可能性があるので、捨てずにとっておいた方が良いかと思います。

 

まとめ

 

中学校の特別支援学級(知的)についていろいろ書いてきましたが、まとめると…

 

■学習は個別のレベルに対応してくれる
■集団生活の面でもサポート体制あり
■独自の行事があり忙しそう
■進路に関しての取り組みが早い&手厚い
■ある程度の生活習慣の自立は必要

 

このような感じです。

 

ただ、これも非常に自治体差(もっと言えば学校差)が大きいところなので、中学校支援学級(知的)と言ってもまったく同じような内容ではない可能性の方が高いです。

 

ただ、私としては特別支援というものは「パッケージではない、オリジナルなもの」という意識を持っているので、学校と家庭の連携がなにより大切だと思っています。

 

同じASDという診断名でもお子さんによって特性がさまざまなように、支援のあり方もお子さんの数だけあると思います。

 

我が家もトライ&エラーを繰り返しながら、学校とは今後も付き合っていくのでしょう。

 

この記事が、我が家と同じように特別支援教育にかかわっていく方の何かの参考になれば幸いです。

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