【発達障害】子どもの多動症ってどんなもの?自閉症スペクトラムの次男の様子からみえてきた原因と対策。

自閉症スペクトラムと診断されている次男は現在5歳。

 

癇癪(かんしゃく)とこだわりが強いのが特徴ですが、数ヶ月前から「多動」という特徴も加わるようになりました。

 

多動というこの言葉。

 

身内に発達障害の子がいたり、そういった支援機関で働いているような方の場合は、多動と聞くと「あー、あれね」と察しがつくかもしれません。

 

が、「発達障害ってなに?」という方には、この多動という症状は「よく動く子ってことかな」くらいの認識かと思います。

 

それも間違いではないのですが、発達障害における多動という症状は、本人またはその家族にとって日常生活を送る上で非常に大きな障壁となるものです。

 

いわゆる「普通に生活できない」と言ってしまいたくなるくらい、毎日のいろいろな場面で大変になります(普通ってなに?という議論はここではあえてスルーします)

 

もともと幼い頃から多動傾向はあった次男ですが、ここへきてその多動がさらにパワーアップし毎日てんてこまいな我が家です。

 

が、そんな次男を観察していて…

 

■多動とはどんなものなのか
■多動はなぜ起こるのか(原因)
■多動を減らす方法(対策)

 

について私なりに発見することが多々ありました。

 

「うちの子、多動じゃないかしら」「多動を少しでも減らしたい(←私も懇願中)」そんな悩みをお持ちの方の参考になればと思い、発達障害の多動について原因や対策などをまとめてみようかと思います。

 

 

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多動とはどんな症状か

発達障害関係の調べごとで何かと頼りにしている文部科学省のHPですが、多動の状態についてこのように書かれていました。

 

多動性

  • 手足をそわそわ動かしたり、着席していてもじもじしたりする。
  • 授業中や座っているべき時に席を離れてしまう。
  • きちんとしていなければならない時に、過度に走り回ったりよじ登ったりする。
  • 遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい。
  • じっとしていない。または何かに駆り立てられるように活動する。
  • 過度にしゃべる。

出典:文部科学省HP より

 

この内容だと主に学童期(小学校入学後)などの子どもを対象にした感じではありますが、多動とはおおよそこのような状態のことをさします。

 

読んでいただくとお分かりになるかと思いますが、多動というのは単に動きが多いということだけでなく、社会性の有無が多動であるかどうかの判断基準となっている点が重要です。

 

つまり…

 

場にふさわしい行動ができるかどうか

 

この点において、単に元気がよいだけの子なのか多動症なのかを区別することができます。

 

そういう意味で、多動症は月齢が低いほど判断が難しいです。

 

逆に言うと、子どもの成長に伴って多動というのは顕在化してくるものなので…

 

「幼稚園のお集まりの時間にじっと座っていられない」
「スーパーに行くと走り回ってしまう」
「人の話を遮ってでも話し続けてしまう」

 

など、周囲の状況に合わせた行動ができずに動き回ってしまうような状態が学童期になっても続くような場合は多動と診断されます。

 

我が家の次男も、先日の発達検査・診察でバッチリ多動認定されましたが、次男の場合は特定の場所で多動になる傾向があります。

 

人の多い場所やスーパーやモール、体育館や室内プールなど、このような場所に行くと気持ちが高ぶってしまい、行動の静止がきかなくなります。

 

独り言も多くなりますし、手をパチパチたたいたり、目に入るものを全て触りまわったり、もちろん走りまわることもあります。

 

この興奮状態が続くと、それが次第に癇癪へと移行していくため非常に厄介。

 

現在通っている療育園ではこれほどの多動は出ていないそうなのですが、これが小学校の授業中などに出るようになってしまえば、学校での集団生活は難しくなってくると思っています。

 

 

多動はなぜ起こるのか

多動の原因については、自閉症スペクトラムの中のADHD(注意欠如・多動症)という特性ではこのように説明されています。

発達障害とは何か。種類と症状について講演会で学んだことまとめ。

 

ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。

出典:文部科学省HP より

 

多動は一見、「親の躾(しつけ)の悪さ」「わがまま」「乱暴」などと生育環境に問題があるように考えられがちです。

 

確かに、親子の関わりが原因の行動が多動症のそれに似た場合もあるかもしれませんが、多動は文科省の文言にあるように脳の神経伝達の機能不全が原因と言われています。

 

なので、多動というのは本人にとってもどうすることもできない状態なのです。

 

「静かにしなさい!」「なんでできないの!」と言われた子ども自身も何をどうして良いのかわからず、多動は止められない上に親からの叱咤で「なんで自分はできないんだろう…」という思いから自尊心も傷ついていきます。

 

そのため、多動がある発達障害児の場合は、その行動をやめさせるのではなく、多動が起こらない環境を整えてあげることが重要になってきます。

 

先述したように、次男の場合は多動が出る場所と出ない場所が比較的はっきりしています。

 

その差を考えた時に、多動が起こりやすくなる要因が次第に分かってきました。

 

 

多動が起こりやすい要因

多動が起こる要因として、私は「不安・不快感」「刺激」「手持ち無沙汰」の3つがあるように感じています。

 

これは、子どもの特性とかかわる部分なので、発達障害児と言ってもすべての子どもがこの要因で多動になるとは言い切れないかと思いますが、次男の場合は上記3つの要素が多動の引き金になっているように思っています。

 

1.不安・不快感

発達障害児は、音・光・場所・感触などさまざまな事象に対して過敏であるケースが多いです。

 

このような苦手な物がある環境の場合、子どもはその不安や不快感から多動になると思われます。

 

次男の場合は聴覚過敏があるのですが、他人の咳やくしゃみ・電車の音などで多動が出てくることがあります。

 

また、不安感という意味では「急な予定変更」なども多動の原因になります。

 

そのため、イヤーマフを使ったり予定の見通しを早めに立ててあげるなど、不安を取り除く環境作りが多動を起こさない上で有効だと感じています。

 

 

 

2.刺激

発達障害児の場合、目から情報を得ることの方が得意な子は多いです。

 

視覚優位といいますが、次男も言葉だけで物事を理解するよりかは、目で見て理解する方がはるかに長けています。

 

ただ、そのように目からの情報収集が得意な反面、視覚的な刺激(人ごみ・物がごちゃごちゃ多い環境)によって衝動的に目に付いたものに向かってしまうという傾向があります。

 

一般的には気づきにくいようなものまで気づいてしまうんですよね。目ざといともいいます。

 

この様子が「落ち着きがない」「多動」として現れてしまうのです。

 

もちろん、家の中にも物はたくさんあふれ返っているのですが、常に見慣れた物と初めてみた物(めったに見ない物)とでは、刺激の入り具合が違います。

 

特に、次男の場合は人よりも物に興味を持ちやすい性質もあるので、スーパーやモールなどたくさんの物がある場所では多動になりやすいのだと感じています。

 

そのため、療育園でも次男のそのような特性を理解した上で、何か取り組みをする場合には次男の周囲に仕切り板を設置して視覚的な刺激をシャットアウトして活動したりもしているようです。

 

3.手持ち無沙汰

これは発達障害児に限らないことかもしれませんが、子どもは手持ち無沙汰の状態になると多動の傾向が現れやすいと感じています。

 

以前、発達障害の講演会に参加した時も似たようなお話があったのですが、講師の小児科医の方が「子どもって、暇になると動くんですよ」とおっしゃってました。

 

確かに、次男だけでなく小学生になった長男であっても、外食をしていて自分だけ先に食べ終わって暇になると…

 

長男(小3)
おかーさん、ちょっとあっち見てきていい?

 

などと聞いてきたりもします。

 

動きたい旨のおうかがいを立てられるか、勝手に動いてしまうかに多動かどうかの境界線があるのですが、このように年齢の上がった長男であっても暇になると動きたくなるんだなーと思ったものです。

 

なので、その講演会で医師に言われたのが、多動を起こさないようにするためには「子どもを暇にさせない」ということが大事とのことでした。

 

 

多動を減らす我が家の取り組み

多動は、子どもの特性や環境が要因となっている場合が多いと感じています。

 

そのため、我が家では多動を少しでも減らせるよう、以下のような取り組みをしています。

 

1.刺激を減らす

落ち着いて過ごせる環境にいることを意識して過ごしています。

 

次男の場合、視覚刺激に興奮しやすいという特徴があるので、人が多い場所やお店は必要最低限しか行かないようにしています。

 

ただ、長男のことを考えると、休日もずっと家にばかりこもっているものかわいそうなので…

 

■初めての場所は長居しない
■慣れた場所を中心におでかけする

 

という感じで過ごしています。

 

行く回数を増やす毎に次男も少しずつ慣れてくるので、常に様子見でやってはいますが…、お店はやはり刺激が多すぎてなかなか難しくはあります。

 

2.見通しを立てる

もともとこだわりが強い次男は、人一倍物事に対して不安感が強いのも特徴です。

発達障害児のこだわりってどんなもの?自閉症スペクトラムの次男の具体例。

 

なので、私はいつもちょっとした行動も「次はこれをするよ」と見通しを立ててやるようにしています。

 

基本は前日の夜から、明日はどこへどうやって行くかという話をします。

 

あまりその予定から時間があいてしまうと本人の記憶も曖昧になって混乱してしまうので、次男の場合は前日に話しておくくらいがベストです。

 

一番やっちゃダメなのが「なんか今日はこんな気分」みたいな行動。

 

または、ウインドウショッピングのように目的もなくぶらつくような行動です。

 

見通しのなさ+手持ち無沙汰のダブル効果で、それはそれは大変な事態になってしまいます。

 

ぶらぶらが基本できないので、旅行の観光などが難しくなるんですけどね。今は仕方ないです。。。

 

本人の意図しない予定が急に入ってくると、不安から多動がでてしまうので、いたしかたない予定変更などはなるべくはやく丁寧に伝えるようにしています。

 

3.集中できるものを携帯する

手持ち無沙汰による多動予防のために、次男とのお出かけは常に2~3個ほど次男が集中できるものを携帯しています。

 

1個だと飽きてしまった場合の変えがきかないため、我が家は常に何種類かは用意しています。

 

特に長男の習い事の試合など、人が多く多動が出やすい環境な上に、次男にとっては内容的に全く興味がないような催しに連れていかなければならない場合など、集中グッズはとても効果的です。

 

携帯用のホワイトボードなど、書く事が好きな次男はそういった物をよく持って行っています。

 

ホワイトボードは、文字で予定変更を伝える時にもすごく便利です。

 

 

多動は減らしていくという考え方

多動は、発達障害児本人が好きで起こしているものではありません。

 

子どもが不快感を感じながらどうにも自制できない状態になって動きまわっていると、周囲も困惑してしまうものですが、それ以上に本人にとっても辛い状況だと感じます。

 

なので、多動は起こらないように予防線をはっておくというのが今の我が家なりの対策です。

 

場所を選ぶ・刺激を減らす・集中させる。

 

それでも多動は起こる時は起こるのですが、その場合の対処法も試行錯誤しながらやっています。

 

そのお話はまた後日にでも。

 

多動は、一定の年齢になると落ち着くものだとも言われています。

 

我が子が多動真っ只中にいると心身共に日々疲れきってしまうことが多いですが、できることをやりながら子どもの成長に期待して過ごしていきたいと思います。

 

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