ロストシングルの父を見て感じた事。配偶者の突然の死後、困らないために今できる事とは?

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「おじいちゃん家って、なんでこんなに汚いのー?」

 

子供って無邪気ですから、こういう事すぐ口走っちゃいますよね。

 

「こら!(そんな正直に言うな!)」と()の部分は心の中でいつもつぶやいている私なのですが、長男がそう言うのも納得なくらい、私の実家は年々荒れ果てようとしています。

 

きっかけは、母の突然の死。

 

趣味のスイミングに出かけ、遊泳中にくも膜下出血を起こし、あっという間に亡くなってしまいました。

 

この日を境に男やもめとなった父。

 

最近ではこのように配偶者をなくした人の事を「ロストシングル」というそうですね。

 

主に、その喪失感からなかなか立ち直れない人の事をいうみたいですけど、現実問題、立ち直れないのは精神面だけではないと、父を見ていて思います。

 

ロストシングルになってしまった後に現実に起こってくる問題点と、そうならないための対処法について今回は考えてみました。

 

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役割分担が生む悲劇

 

私の両親の場合、生前は完全に二人の役割分担が決まった生活を送っていました。

 

父は仕事人間で、子供だった私が目覚める前に出勤し、夜は私が眠った後に帰ってきていました。

 

そのため、私が高校生になるくらいまで父とはほとんど会話をした記憶がありません。

 

休みの日もほとんどいなかったですし。

 

そんな父だったので、家の事はすべて母任せでした。

 

家事・炊事はもちろんのこと、家の資産管理全てを母ひとりで行っていたのです。

 

そのため、母の急逝により、通帳の保管場所・どこの金融機関に資産を預けているのかさえ分からず途方にくれていました。

 

父の性格はよく言えばおおらかで、逆に言えば非常にルーズなところがあります。

 

基本がめんどくさがりで、全てを「ま、いっか」で済ませてしまうタイプなので、几帳面で完璧主義だった母はそんな父の性格を鑑みて、自分が家の管理を一手に引き受けていたのかもしれません。

 

また、父もそのような家計管理に疑問を抱くことなく、仕事中心の生活を送っていたことが、今の父の生活を苦しめる悲劇となっています。

 

 




 

 

死はいつ誰に訪れるか分からない

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母の唯一の誤算は「自分が先立ってしまった」事だったと思います。

 

母はそれまで大病もしたことがなく、元気が取り柄のように周囲から思われているような人でした。

 

なので、父の会社の扶養家族が受けられる人間ドックも受けていなかったようですし、まさか自分が先に死ぬとは予想もしていなかったのでしょう。

 

これがロストシングルとなった相方のその後の人生を窮地に陥らせてしまう核心部分だと思います。

 

両親は子供が独立したら、旅行をしたり、のんびり二人で農業をしたりといろいろ夢があったようです。

 

ですが、二人の「もしもの時」に関しての話し合いは、現在の父の境遇をみても分かるように、きちんとされていなかったように思われます。

 

 




 

 

全てにおいて事前に備えておく事が大切

1.夫婦で「もしもの時」を日頃から話し合っておく

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「もしもお互いのどちらかが突然いなくなったらどうするのか」

 

父のように突然のロストシングルとなり、その後の生活に困らないためにも、日頃から夫婦間で「もしもの時」について話し合っておくことが大切です。

 

夫婦なので、できれば夢や希望という楽しい事を語りたいと思うのは誰も同じでしょう。

 

ですが、自分がある日突然いなくなった時に最愛の人が困らないようにしておくのも愛情です。

 

母が亡くなった時は、その連絡をどこの誰まで伝えて良いかも分からず、携帯の履歴を元に知人らしき人に電話をかけまくり、それ程の仲でも無かった人にまで連絡してしまったという失敗談もあります。

 

日頃からの夫婦のコミュニケーションが大切ですよね。

 

2.夫婦で情報を共有する

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両親の最大の失敗は、夫婦間でさまざまな情報共有ができていなかったことにあります。

 

役割分担というのは生活を円滑にする上で大切な点でもありますが、それがあまりに片方だけで把握しているというケースは今回のような悲劇をうみます。

 

なので、役割分担はするにしても、最低限「貯金・資産・借金・保険(その有無や保管場所・額)」や「お墓をどうするか」「臓器提供の有無」くらいは夫婦で情報共有しておくべきです。

 

今回、私はたまたま母の臓器提供意思に関しては、生前個人的に聞いていたことがあったのでスムーズにいけたのですが、こういうことは意識して確認しておかないとなかなか難しい問題です。

 

特に金融機関への預貯金は死後すぐに凍結され、家族であっても代理人や相続人を証明できなければ簡単に引き出すことはできません。(金融機関により差はあります)

 

手つかずのまま10年が経過すると休眠口座となり、その後預貯金は金融機関へ吸収されてしまう事もあります。

 

母が亡くなってまもなく10年。

 

大抵のことを「ま、いっか」で済ます父には、「いい加減行動しなさい」と思わずにはいられない私です。

 

3.できない事をできるようになっておく

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父の場合、今一番困っているのが炊事です。

 

母が死ぬまで一度も料理をしたことが無かった父にとって、ある日突然、自分と祖父母の3人の炊事を一挙に担わなければならなくなったのは痛恨だったようで。

 

祖母も多少は炊事ができますが、過去記事にも書いたようにこの祖母がかなりの毒でして、母たちが幼い頃から炊事を子供達に任せっきりにしていたため、あまり料理など得意ではありません。

arrow47_004「毒親育ちが毒親になる」と気づかせてくれた毒祖母とのお正月エピソード

 

結果、父が慣れないながらも炊事をするため、ほとんどが惣菜のような料理ばかりになり、老人3人の1ヶ月の食費は10万円だとか!

 

こうならないためにも、料理のできない夫は妻に料理を教えてもらったり、または趣味として料理教室に通ったりしておくべきです。

 

福岡市ではベターホームというところで男の料理教室をやっています。

 

ひとクラスに3人の講師がついて、初心者の男性にも丁寧に基本料理を教えてくれるので人気のようです。同じような境遇のお友達も出来そうで、このような教室に積極的に参加してみるのはとてもおすすめです。

 

また、夫に先立たれた妻の場合に困るのは、お金の面という方が多いと思います。

 

専業主婦の方だと、生活に関わる収入すべてを夫に頼った状態なので、その夫が突然いなくなることは死活問題です。

 

そうならないためにも、妻もある程度自活できる方法を身につけておく必要があります。

 

「特技なんてないわ」という方も、自分の好きなことを1度考えてみてください。

 

ハンドメイドが得意な方は、今ではそれをminneなどのハンドメイド販売サイトなどで誰でも気軽に自分の作品を売れます。

 

私は文章を書いたり読んだりするのが好きなので、内職で予備校生の小論文添削などちょこちょこやったりしています。子供が大きくなり手がかからなくなったら、もっと仕事の幅も広げたいと思っています。

 

 

以上のことから、ロストシングルになっても困らないためには「備えあれば憂いなし」の一言に尽きると思います。

 

「うちは大丈夫だろう」という考えは今日から捨てて、ご夫婦でしっかりと大切なことを話し合いたいものですね。

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