発達障害児がとる困った行動の意味と対処法について講演会で学んだことまとめ。

我が家の次男は、現在5歳。

 

自閉症スペクトラムと診断されています。

 

癇癪とこだわりが強いのが特徴ですが、数ヶ月前から多動とパニックが目立つようになってきました。

 

特定の場所限定ではあるのですが、そこに行くと必ずテンションが上がってしまい、ウロウロしながら奇声を発したりして「心ここにあらず」な状態になってしまいます。

 

そんな次男をおもしろがってからかってくる子もいたりして、そのような状況に次男のテンションはさらにアップ。

 

ますますヒートアップしてしまい、そんな様子を見ているこちらとしても辛い思いをすることが多かったのですが、そんな中とある講演会での「子どもの困った行動」に関しての内容を思い出しました。

 

子どもの困った行動には必ず意味があり、その意味がわかれば対処法もみえてくるという趣旨のお話だったのですが、最近の次男をみていて…

 

 

私

次男の多動は何か原因があるに違いない…

 

このように思うようになった私。

 

現在、対処の方法については模索中ではあるのですが、発達障害児の困った行動の意味と対処法について、今日は私が講演会で学んだことと感想をまとめておこうと思います。

 

 

発達障害児が困った行動をおこすきっかけとは?

子どもの困った行動のきっかけとなる要因には、主に「要求」「維持」「拒否」「注目」「退屈」の5つがあります。

 

以下、それぞれについてどのような困った行動が起こるのかなど、詳細をみていきたいと思います。

 

1.要求

何かが欲しくて手に入らない時などに、子どもは困った行動を起こすことがあります。

 

わかりやすい例えで言うと、スーパーのお菓子売り場で「買って~!」とひっくり返って泣いて暴れる子などがそうです。

 

自分の要求を叶えたいために、泣く・わめく・暴れる・ひっくり返るなどの行動をとるようになります。

 

これは発達障害児に限った行動ではなく、幼児期であれば定型発達児にもみられる行動なので、要求からの困った行動が激しいからといって発達障害と断定されるものではありません。

 

2.維持

何かをしたい・続けたいという思いが、困った行動につながることもあります。

 

子どもの場合、「もっと遊びたいの~」と駄々をこねるようなものがそのひとつです。

 

このような場合の困った行動としては、無視・指示に従えない・暴れるなどがあります。

 

発達障害児の場合は興味の範囲が限定されていることが多いため、物事に過度に集中してしまい、本当に周囲の声が届いていないという場合も多いです。

 

ただ、こういった困った行動をとることで、「人の話を聞けない」「自分勝手」などと周囲から誤解を受けることも多く、発達障害児本人が社会生活を送る上で困り感に悩まされることにもなります。

 

3.拒否

何かから逃げたい時にも、子どもは困った行動を起こす場合があります。

 

「遊びたくない」「食べたくない」「寝たくない」などが拒否です。

 

拒否をする場合の困った行動としては、泣く・暴れる・パニックなどがあります。

 

発達障害児の場合は感覚が過敏すぎる子というのも多いため、親としてはなぜ我が子がそれを嫌がるのか最初はわからない場合も多いです。

 

また、感情を表すのが苦手な子どもの中には、それから逃げたいのだけどその伝え方がわからず我慢して無理をしてしまうという子もいます。

 

そのような子の場合、我慢が限界に達した時に「吐く」など身体からのサインが出ることがあります。

 

4.注目

他者の注目を引きたい時にも、子どもは困った行動をとることが多いです。

 

主に、多動・多弁・他害・パニックなどとして現れてきます。

 

次男の多動にかんしては、私はこの「注目」が原因ではないかと思っているところです。

 

注目による困った行動のきっかけとしては、過去の楽しかった経験を繰り返そうとするのがあるのですが、次男の場合がまさにそうです。

 

以前、とある場所の部屋の電気を消したことで、みんなが「わぁ~!」と騒いでくれたのが次男としてはすごく面白かった経験から、それをどこに行ってもやろうとします。

 

また以前、スイミング教室で練習中に勝手にプールサイドをウロウロした時に、監視員が追いかけてくれたのが面白かったようで、いまではスイミングの度にそれを繰り返しています。

 

次男がそれらの行動をする時に、いつも周囲もしくは対象人物をチラチラみながらやっているので、この困った行動は次男の確信に基づくものだと私は感じています。

 

過去の経験から、次男はおそらく自分の行動でみんなが喜んでくれたと思っているのでしょう。

 

そして、そんな状況が次男にとってはとても楽しいのです。

 

本人の意識と周りの感じ方に差があることが、注目による困った行動が抱える問題ではないかと感じています。

 

5.退屈

手持ち無沙汰で、何をしてよいかわからない時にも、子どもは困った行動を起こします。

 

落ち着かなくなるといった多動がでてしまったり、訳もなくぐずってしまうなどがそれです。

 

これは講演会の講師の方が言っていたのですが、子どもというのは基本、何かしていないと落ち着かない生き物なのだそう。

 

何をしてよいかわからない時間というのが苦手で、そのせいで気分が崩れてしまうことが多いのだそうです。

 

確かに、私も年をとるにつれ、ボーッと物思いにふける時間があると「贅沢だわ~」などと思えるようになりましたが、一方、子ども達というのは家の中にいても常にガサガサ何かしているものです。

 

「ちょっとは静かにしててよ!」と思うのは大人だけで、子どもというのは何か動いていることで落ち着くものなのだと、講演会に参加して目からウロコでした。

 

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発達障害児は大人以上に困っている

困った行動を起こす子というのは、困った時の感情の表し方が分からずに困っています。

 

だから、比較的簡単にできる「泣く・暴れる」などの手段を使って、その困り感を表現しようとするのです。

 

親としては、子どもが訳もわからず泣いて暴れていれば「もう~、どうしたいの…」と困ってしまうものですが、そんな親以上に実は子ども自身が困っているということを親は知っておく必要があります。

 

子どもが困った行動をするのには、全てにきっかけがあります。

 

親は、そのきっかけを見極めて、困った時にどうすべきかを手本として示し、子ども自身がそれに対応できるように導いてやることで、子どももラクになっていくのです。

 

 

子どもの困った行動にどう対処すべきか

子どもの行動にどのように対処すべきかは、その行動の問題度によって変わってきます。

 

「好ましい行動」「好ましくない行動」「危ない行動」の大きく3つに分類し、そこから親は接し方を考えていく必要があります。

 

1.好ましい行動への対処法

好ましい行動というのは、困った行動以外の表現方法で子どもが意思を伝えられることです。

 

好ましい行動への対処法は簡単で、これは「褒める」「認める」ことでその行動の反復を促すようにすれば良いです。

 

何かが欲しくて泣いて暴れていた子が、「欲しい」と言葉で言えた場合。

 

または、親の「今日は買いません」という言葉を理解して我慢できた場合など、子どもが困った行動以外で感情を表現できた場合は、親はすかさず褒めてあげることです。

 

褒められると子どもは充実感・達成感を感じることができ、それを繰り返そうとします。

 

また、泣く・暴れるといった行動は子どもにとって負担が大きいものです。疲れます。

 

なので、子どもがそれら以外の方法で感情を伝える方がラクだと気づいてもらえる意味でも、好ましい行動へと大人が導いてあげることは大切です。

 

子どもの月齢によっても対処法は変わってきますが、大人が手本をみせたり繰り返す中で、子どもが自発的に好ましい行動がとれた時が、最大の褒めるチャンスではないかと私は思っています。

 

2.危ない行動

好ましくない行動への対応がやや難しいので、先に危ない行動への対処法からお話します。

 

危ない行動というのは、子どもの命に関わったり、他人に害をもたらすような行動のことです。

 

道路の歩き方であったり、高い場所への認識、危ない道具(はさみや包丁など)の使い方などがそうです。

 

危ない行動も好ましい行動と同じく、その行動に対して「淡々と」「一貫して」「すぐに止める」という接し方を繰り返すことで、その行動をやめるよう導きます。

 

接し方のポイントとしては、「短い言葉で」「わかりやすく」伝えるというのが大切です。

 

言葉での理解が難しい子には、絵カードを使うのもおすすめです。

 

3.好ましくない行動

難しいのが、好ましくない行動への対処法です。

 

命の危険までは感じないのだけど、できればそれをやめてほしいというような行動。

 

次男のように、あちこちで電気を消してまわったり、わざと安全な範囲で逃亡したりするようなケースです。

 

危ない行動については、親はブレずにその行動を静止すればよいのですが、好ましくない行動の場合は、その範囲が子どもによりさまざまで「どこまでを好ましくないとするか」の線引きも難しいという問題があります。

 

他人に迷惑をかけることはもちろん良くないことなのですが、その迷惑というのも人によって感じ方は違いますし。

 

公園遊びの話でも書きましたが、滑り台も状況によっては滑り上がっても良いわけです。

 

 

 

ただ、それを場面により切り替えることが苦手な次男のような発達障害児にいかに教えるかというのが難しいのです。

 

「滑り台は、だれも使っていない時は下から上がっても良いけど、他のお友達がいる時は危ないから上から滑るだけ」

 

というのが、定型発達児であれば臨機応変にできるものを、発達障害児にはすごく複雑な理解になってしまいます。

 

なので、他人に迷惑をかける可能性のある「滑り台の滑り上がり」はやってはダメと次男に教えても、一緒に遊んでいる他の子がうまく状況をみながら滑り上がっていたりするのを次男がみてしまうと、私の指示と目の前の現実に次男は混乱してしまうのです。

 

講演会では「ダメは多用すると、何が本当にダメなのかが子どもに入りにくくなる」と教わりました。

 

私が思うに、好ましくない行動というのはその状況により変化するので、発達障害児の場合は常に「この時は良い。この時はダメ」というのを細かく伝えていく必要があるのかなと感じています。

 

 

まとめ

発達障害児の困った行動に悩むとき、親はついつい自分にとっての不都合ばかりに目を向けがちです。

 

「ここで騒がないでほしい」「恥ずかしい」など、子どもの言動に対して不満を持ってしまいがちですが、そうなってしまっている子どもの心理について着目することが親と子どもお互いの困り感を減らしていく上で大切なことなのではないかと感じています。

 

次男のように、あるひとつの経験がきっかけの困った行動の場合は、好ましい行動によるそれ以上の良い経験を与えるか、リセットの意味でしばらくその場所と距離をおくか…だとアドバイスをもらいました。

 

正直どちらもなかなか難易度が高いのですが、私としては、次男の多動も独り言も周りに迷惑にならない範囲であれば、ある程度本人の思うようにさせてやりたいという気持ちもあります。

 

こう書くと「放置?」と思われる方もいるかもしれませんが、そういうことではありません。

 

もちろん、スイミングのように他のお子さんのレッスンに支障をきたすようなものであれば困った行動は止めないといけませんが(実際、次男が困った行動を起こしたらすぐにプールから強制的にだしてもらっています)、公園などで遊んでいる時に走り回ってクルクル回転していても別にいいじゃないか…ということです。

 

それが次男にとって落ち着く状態であれば、周囲から変わった子・変な子とみられても親は引け目など感じる必要はない。

 

好ましくない行動というのは、その子の特性と親の価値観などが複雑に絡んでくるため、決まりきった対処法がないところに解決の難しさを感じます。

 

我が家の次男の場合は…

 

私

人様に迷惑をかけるのはダメだけど、変わったところがあっても別にいいや…

 

という感じです。

 

発達障害児の困った行動にかんする講演会に参加した内容を思い出し、私はこのような結論に至りました。

 

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