発達障害児は療育園でこんな風に過ごしていた!一日保育体験に参加してきました。

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我が家の次男は現在5歳。自閉症スペクトラムと診断されています。

 

強いこだわりと激しい癇癪を特性として持っている次男は、現在福岡市立の療育園に通っています。

 

入園前に療育園での一日の流れというのは大まかに伝えられてはいたのですが、いざ次男が通い出してみると…

 

「次男は一体、療育園でどのような一日を過ごしているのだろう…」

 

と思うことも多々ありました。

 

というのも、過去にも何度か記事にしているように、次男はちょっとしたことで気分が崩れ癇癪を起こしてしまいます。

 

ご機嫌に家を出たかと思えば、途中でコケただけで気分が崩れ、そのまま大暴れしながら園バスに乗り込んでいく日もありますので、そんな次男が果たしてどう気分を持ち直しつつ療育園で過ごしているのか、私としてはとても気になっていた部分でした。

 

療育園では事前に担任に伝えていれば、いつでも自由に見学ができるシステムにはなっているのですけど、それでも園での我が子の様子を見れる時間というのは療育園での生活のほんの一部分。

 

なかなか一日をトータルで把握する機会がなかったのですが、先日そんな私にもってこいなイベントがありました。

 

保護者の一日保育体験という行事です。

 

これは保護者が子どもと一緒に登園し、降園まで一緒に療育園で過ごすという若干ハードな内容ではあるのですが、私は楽しみに参加してきました。

(この保育体験というのは1日につき親1人が参加するものです。つまり、その日の保護者は私だけという状態です)

 

そこで見えてきた療育園の一日の詳細な流れや、我が子の様子や先生方の接し方など新たな発見もあり、非常に有意義な時間を過ごす事ができました。(結構疲れましたけどね…)

 

今日はそんな療育園で発達障害児達がどのように過ごしているのか、私の保育体験の感想をもとにお話していこうと思います。

 

※同じ福岡市内であっても、療育園のシステムというのは園ごとに異なる場合もありますので、ご参考程度にしていただけると良いかと思います。

 

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療育園での一日の流れ

以前も療育園の一日の大まかな流れについては記事に書きました。

arrow47_004福岡市の療育園ってどのようなところ?費用は?私立幼稚園から転園させて分かったその実態をお話します。

 

その中で改めて療育園の一日の流れについて抜粋してみます。

10:00
通園バス着
朝の準備、更衣、排泄
自由遊び・給茶
朝の集まり
設定保育
12:00
給食・歯磨き
自由遊び/休息
給茶
更衣、排泄
帰りの準備・帰りの会
15:00
降園(バス発)

これは療育園に入園する前の説明会で聞いた大体の一日の流れなのですが、実際保育体験をしてみて、まあおおよそこの通りの流れではありました。

 

ですが、この表の内容だけでは…

 

「朝の準備って具体的にどんなことをしているの?」
「自由遊びってどんな遊びをしているの?」
「設定保育ってなに?」
「午後からは一体なにをして過ごしているの?」…etc

 

などなど、疑問が出てきませんか?私は正直謎だらけでした。

 

その謎が保育体験を終えて解けた訳ですが、実際はこの一日の流れの表には書かれていない事も行われたりもしていましたので、そんな療育園での一日の詳細な流れについて次でお話していきます。

 

療育園での一日の詳細な流れ

時間に関してはアバウトではありますが、大体毎日同じような時間配分で一日を過ごしているようです。

10:00~登園・朝の支度

園児達は園バスや保護者の送迎などさまざまな方法で登園・降園をしています。

 

朝はバスにしろ送りにしろ10時前後にはほとんどの子どもが療育園に来ています。

 

着いたらまず自分のリュックの中からお便り帳やナフキンなどを子ども達自身で専用のカゴに入れるところからスタートします。

 

そして、各自スモックなどに着替えをし、子どもによってはズボンまで着替える子もいるため(次男がそうです)、着ていた服を畳んでロッカーにしまったりもします。

 

その後トイレで排泄をし、手洗いをしたら各自自由に遊んで良い時間になります。

 

この朝の支度はその都度担任が子ども達に促してくれ、場合によっては手をかしています。

 

この朝の自由遊びの時間が結構長いんですよね。11時くらいまであります。

 

担任に理由を聞いたところ、やはり切り替えの苦手なお子さんが多いため、家庭から園へと変わるこの朝のタイミングを子ども達自身が受け入れ易いように、長めに自由遊びの時間を設けているとのことでした。

 

しばらくは室内で遊び、その後クラス単位でローテーションで遊戯室で遊んだり園庭で遊んだりしていました。

 

遊ぶ内容は子ども自身に任せている印象でした。

 

11:00~朝の集まり・設定保育

自由遊びの時間で子ども達がしばし保育室を離れている間に、担任の先生が朝の集まりの準備をしていました。

 

その後、11時過ぎくらいから子ども達を呼び戻し、朝の集まりが保育室にて始まります。

 

みな自分の席に座り、まず担任が朝の挨拶をします。

 

その後、日毎に決められているお当番さんの子どもが呼ばれ、子ども自身にクラスのお友達の名前を呼ばせ出席確認をさせていました

 

次男がクラスのお友達の名前や休みだったお友達を覚えていたりするのは、こういう取り組みがあったからなのか…と納得しました。

 

もちろん発語などがまだ難しい子には先生がフォローします。

 

その後、今日の日付と曜日・天気の確認を担任が行い、その日の一日の流れをホワイトボードに貼られた絵カードを使ってみんなで確認します。

 

後は朝の歌などをみなで歌った後に、設定保育にそのまま移行していきます。

 

設定保育というのは、制作や散歩などある程度決まった内容をクラスで一斉に行う保育です。

 

この日は制作でしたが、私は制作で驚いたのが、1人もしくは2人ずつくらいで前に出てからそれを行うところです。

 

制作をする場合は、まずは担任がなにをどう作るのかを手本として子ども達に見せるのですが、その後担任が順次子どもの名前を呼び、呼ばれた子が前に出てきて制作を行います。

 

それ以外の子は自分の席でひたすら待ちます。

 

一般的な幼稚園の場合、制作の時間というのは子ども達が一斉に制作にとりかかり、担任がそれぞれの席をまわって指示や手ほどきをするかと思いますが、療育園では違っていました。

 

理由を聞くと、子ども達に「待つ」という行為を覚えてもらうためだそうです。

 

発達障害児の場合、待てない子というのは多い印象があります。

 

次男もそうなのですが、思考が一極集中してしまう傾向にあり(それがこだわりにつながる部分なのですが)、物事を多面的に捉えられない事が多々あります。

 

「制作をする」→「先生が何か楽しそうな物を作っている」→「自分も作りたい」

 

となると、次男のような子の場合は「すぐしたい!今したい!」と衝動を抑えられなくなりがちですが、そこを敢えて「自分の順番を待つ」という流れを組み込むことで、協調性や周りを見る力を身に付ける練習をしているという印象を私は受けました。

 

他の理由としては、少人数で制作に取り組ませた方が、担任も目が届きやすいという利点もあるような気がしました。これは私の推測です。

 

ハサミなど危険な物を使う場合は、特に大人がつきっきりでないと危ないですしね。

 

このような感じで設定保育が終わると、その後は担任が給食の準備に入りますので、子ども達は再び場所を移動して(遊戯室や園庭など)自由遊びの時間となっていました。

 

12:15~給食・はみがき

療育園では毎日給食です。

 

弁当作りの悩みから解放されるので、これは本当にありがたいです。給食ばんざい。

 

ですが、給食のメリットって親ばかりにあるわけではなくて、私は子どもにとっても良い影響があると思っています。

 

我が家の次男は野菜全般あまり好きではないのですが、療育園に通いだしてから、給食では野菜を食べるようになりました。

 

家では絶対口にしないような野菜も食べているという話を聞くたびに「またまた~…」と思っていたのですけど、今回保育体験に参加して担任の話が決して盛られたものではなかったということが判明しました。

 

食べてるんですよ。本当に。

 

野菜のマリネ的な料理でしたが、家では絶対手をつけないようなビジュアルのそんなおかずも、次男は先生に促されつつ食べていました。

 

周りのママさんに話を聞くと、結構偏食の多いお子さんでも「給食だと食べてるらしいのよ」という方意外といますね。

 

もちろん先生がつきっきりで食べさせていても数口しか食べていないお子さんというのもいましたが…。

 

ただ、給食のようにみなで同じものを食べるという環境は、子どもにとって苦手な食べ物に対するハードルを下げてくれるのではないかと私は思っています。

 

家での食事や弁当となると、どうしても子どもが食べそうな物でしか親は作らなくなってしまいますしね。

 

食のバリエーションが広がるという意味で、療育園の毎日給食制度はとても良いと感じています。

 

食後のお皿の片付けは、子ども自身にさせていました。

 

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そして、食後ははみがきがあります

 

まずは園児本人にさせ、その後先生が仕上げ磨きまでしてくれます。

 

実際にその様子をみていると、親がやる程はしっかり仕上げ磨きをしてくれる感じではありませんでしたが(先生も忙しいでしょうからね)、それでも食後にはみがきをしてくれるのはありがたいと思っています。

 

幼稚園は転勤により5つほど経験していますが、はみがき自体していない園というのも結構ありましたので。

 

13:00~自由遊び

給食・はみがきが終わった子から順次好きに遊んでいました。

 

この日は園庭で遊びましたが、この午後の自由遊びも1時間程度あったかと思います。

 

遊具で遊んだり、おままごとをしていたり、それぞれが好きに時間を過ごしていました。

 

療育園はとにかく体を動かす遊びの時間を多くとっている印象がありました。

 

アラフォーの私としては、昼食後は「ちょっと横になっていい?」と言いたい気分でしたが、食後間髪入れずに外に駆け出していく子ども達の姿はとてもキラキラしていました。

 

いいなー、若いって…。

 

14:00~帰りの会・帰りの支度

 

食後の自由遊びが終わったら、保育室にて帰りの会がありました。

 

帰りの会ではその日の一日の流れの振り返りを絵カードで確認したりするのですが、その後「おやつの時間」というものがありました。

 

スーパーで30~40円程度で売られている小さめスナック菓子とジュースがおやつなのですが、そのスナック菓子1袋の中身を1人2~3個ずつ子ども達に配ります。

 

ジュースも1Lサイズの物を子ども達のコップにつぎ分けます。

 

そして一通り配り終わったら、担任はどっちのおかわりが欲しいかというのを子ども1人ひとりに聞いてまわります。

 

この取り組みはどうやら、子どもの自主性を育む目的で行われているようでした。

 

おやつを食べる事が目的ではなく、子ども自身に意思表示をさせる練習のような感じです。

 

療育園では自然な形でこういった子どもの成長を促してくれる取り組みをしているところにとても感心しました。

 

このような帰りの会が終わると、それぞれが帰り支度をしてバスやお迎えで降園となります。

 

保育体験は新たな発見が多かった

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今回の療育園での保育体験はとても貴重な経験をさせてもらうことができました。

 

日頃親としては知ることのできない我が子の園生活をフルに体験できて、私自身も新たな発見がいくつかありました。

 

まず、思っていたより次男の落ち着きがなかったということ。

 

朝の準備等もなかなか進まなくて、親の私から見ても「次男、こんなに多動だったっけ?」と思えるような面がありました。

 

担任曰く「いつもはすんなりできているのですが、今日はお母さんがいてテンションが高いようですね」とのことだったので、そのように捉えておくことにしました。

 

また、先生方の次男への接し方も非常に参考になりました。

 

保育中、次男は1・2回癇癪(中規模)を起こしたのですが、先生方は常に取り乱さず…

 

■ダメなものはダメと淡々と伝える
■すかさず代替案を出す
■暴れそうになるとすぐさまギュっと抱きしめる

 

という手段をとっておられました。

 

「なるほど、この流れか」ととても参考になりました。

 

担任からは「癇癪時はこのように対応していますよ」とは話では聞いていましたが、実際目の当たりにするととてもわかりやすかったです。

 

「園では癇癪はそれほど長引きません」という話に「きっと先生方の対応が良いのだろう」と思ってはいましたが、やはりそれは予想通りでした。

 

家では次男が癇癪を起こすとこちらの心も折れてしまう時があるのですが、今後は担任の先生の対応を参考に次男と接してみようと考えています。

 

 

保育体験で我が子と一日療育園で一緒に過ごすという行事を知った時は正直…

 

「そんなわざわざ親が疲れるような催しを企画しなくても…」

 

と思ったものですが、実際に体験を終えての感想は「参加して良かった」というものでした。

 

我が子がどのように過ごしているのかも具体的に分かりましたし、療育園での一日の流れのちょっとした部分であっても子どもの成長を促す目的があるという発見もありました。

 

自由遊びの時間に他のお子さんが懐いてきてくれたのもすごく嬉しかったですし、本当に楽しかったです。

 

ただ、やっぱりたくさんの子ども達と一日過ごすというのは相当ハードだという事も改めて思い知りました。先生方はほんとすごい。

 

親も療育園のおかげでリフレッシュさせてもらっているということを実感しました。いつもありがとうございます。

 

コメント

  1. はじめまして。
    突然のメッセージ失礼しますm(_ _)m

    1歳7ヶ月の息子をもつ母です。1歳半検診では言葉の遅れや指差しなど出来ませんでしたが、あまり深く受けとめておりませんでした。ですが、数日前たまたまネットで調べておりましたところ、息子に当てはまる特徴がいくつかあり、発達障害の可能性を疑ってます。そこで、出来るだけ早く療育など専門的サービスを受けたいと考えてますが、一方、診断を受ける前に医療保険に加入させたいと思ってます。失礼でしたらすみませんが、息子様は保険の加入はされてますか?また療育サービス開始前にはやはり医師の診断が必要なのでしょうか?保険加入にあたり告知義務がありますので、気になってます。
    【先日、医療保険申込ましたが、牛乳アレルギーがあり3歳まで経過をみたいとのことで、加入させたい保険(15歳払済、終身で生涯お祝い金が貰える)の契約に至りませんでした。3歳まで掛捨ての保険でそれ以降、本来加入したかった保険に換えれたらと思ってますが、それまでに診断を受けると難しいかと思います。】
    また、療育園に入園希望ですが狭き門とのことで、またすでに1次申込は終わってしまってるようで、4月からの生活が決まっておらず、どうするべきか悩んでます。元々は普通の保育園に通わせるつもりでしたが、それは止めようと思ってます>_<
    まだ知識が浅く、的はずれなことを申してましたらすみませんm(_ _)m
    東区に在住しています^_^同じ福岡で情報発信して頂き、ありがたくブログ拝見してます☆

    • にっちゃん様

      ブログへのご訪問とコメント、ありがとうございました。

      ご質問の件ですが、子どもの保険関係に関しては主人が担当していることもあり、私は内容などはお恥ずかしながらしっかりと把握していない状況です。参考にならずに申し訳ありません。
      ただ、お子様の発達障害の可能性が気がかりであれば、まずはお住まいの区役所にご相談に行かれると良いかと思います。
      こども支援課などで相談すれば、発達検査やその段取りについて教えてもらえると思いますよ。

      私の場合は当時熊本に住んでいた時にその手続きをしたものですから、福岡市での手順というのがイマイチ分からないところがあるのですが、たしかヤフオクドーム近くの「えがお館」というところでも発達検査や相談などを受け付けてくれていたかと思います。
      また、東区でしたら「東部療育センター」もありますので、そちらでご相談されても良いかもしれません。
      療育園の入園願書受付は通年11月ですが、それに間に合わずとも「グループ療育」など各場所で行われていますので、先述したような施設に問い合わせると、そのような情報もいろいろ教えてもらえるかと思います。

      子どもの療育関係は、親としても初めての事で最初はなにをどうしたらよいものか悩みますよね。私も同じでした。
      まずは区役所にご相談されるのが一番かと思います。
      ご参考になれば幸いです。

  2. 丁寧なご返答ありがとうございます^_^
    療育の件、教えて頂き少し肩の荷が軽くなった気がします。まだ気持ちの浮き沈みがあり色々考えてしまいますが、こちらのブログに力を頂いてます。私が死ぬときまでに子供が自立し人生を力強く歩めるよう、生まれてきて良かったと思える人生となるよう、また、私自身の人生も大切に子育てに取り組みたいと思います。

    先日質問しました件ですが、私の認識不足で本名をのせてしまいましたので、もし可能でしたら削除して頂けませんでしょうか?すみません>_<

    これから色々な壁にぶつかると思いますが、またいろいろ悩みを相談させて頂きたいです。こちらのブログに巡りあい嬉しく思います^_^本当にありがとうございます☆ 田中

    • にっちゃん様

      こちらこそ少しでもお役に立てたようで幸いです。
      私自身も子育て真っ最中で、特に発達障害児育児については日々勉強しながら手探りでやっている状態です。
      そんな中、にっちゃん様からのようなコメントに私自身もとても励まされています。
      こうして自分が経験したことなどをブログで発信して、同じ境遇の方の励みになれればそれが一番嬉しいことです。
      こちらこそ、どうもありがとうございました。

      お名前の件、変更させていただきました。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

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