「この辛さ、一体いつまで続くんだろう…」
私は次男を出産してすぐに、ひどい乳腺炎を患いました。
両胸は熱を帯び、石のようにカッチカチに腫れあがりました。
それに伴い高熱を発症し、ひどい悪寒に悩まされる日々。
私は長男の時になんの授乳トラブルもなかったため、乳腺炎という症状について何も知らずに次男を出産し、産後の1ヶ月は本当に地獄のような日々を過ごしました。
1ヶ月、ずーっとこのような症状が続くわけではなく、熱が出たり引いたり、胸がしこったり和らいだりしながらちょっとずつ改善していくのが乳腺炎。その治癒はかなりの長期戦を強いられます。
こんな辛い痛い思いをしなくて良いようにするには、出産前からの事前の乳腺炎対策が不可欠です。
私は長男の時に乳腺炎にならなかったのは、たまたま運が良かっただけ。
これから出産を控えている妊婦さんの一人でも多くの方に私のような思いをしてもらいたくないので、今回は乳腺炎になる原因や予防法、またなってしまった時の対処法についてお話していこうと思います。
乳腺炎になる原因3つ
1.脂質・糖質が多めの食事
母乳は血液から作られています。
その血液がどろどろになると、当然母乳も流れが悪くなり、詰まりやすい状態に。
私たちの親世代は「産後は体力使ってるんだから、しっかり栄養とらなくちゃ!」などと、餅などの高カロリー食をすすめてきますが、これは乳腺炎を引き起こす原因の一つになります。
私は転勤族だったため、長男と次男は違う場所で産んでいるのですが、長男を出産した産院は母乳育児推進派で、この食べ物についてはうるさく言われていました。
出てくる食事も栄養価が高いながら質素な和食でしたが、一方次男を産んだ産院は今流行りのちょっとおしゃれ感ただようところで。
食事は毎日ゴージャスでしたが、出産してすぐは母乳ってなかなか出ないんです。赤ちゃんもまだ上手く吸えませんし。
そこに高カロリー食を摂り続けると、母乳はどんどん作られるものの行き場がない状態に陥ります。
今思えば、産後は出産で体力を使っているとは言え、過度にカロリーを摂り過ぎない方が乳腺炎予防のためには良かったような気がします。
2.母乳の飲み残しが溜まっていく
先程もお話したように、産後すぐというのは赤ちゃんがまだきちんと母乳を飲めない場合が多いです。
最初からすごく吸い方の上手な赤ちゃんというのもいるのですが、多くの場合、赤ちゃんの舌が小さくて、上手く母乳を吸引できないんですよね。
私も我が子が生まれて数ヶ月までは、やはり上手く吸わせる事ができずメデラのニップルシールドを使って授乳していました。
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これは乳頭に亀裂が入った時にも役立ちましたよ。
(長いあいだ授乳をしていると、今度は赤ちゃんの吸引力が強くなってきたり、歯が生えて噛まれたりした時に乳首に傷ができます。そんな時の痛みの軽減や感染症予防に便利)
長男はこれで授乳を軌道にのせることができたのですが、体の小さかった次男はこれでも無理で。
量も飲めない上に、私は母乳がじゃんじゃん作られるタイプだったにも関わらず、すでにいくつかの乳腺が詰まった状態でしたので、それがきっかけで乳腺炎になってしまいました。
乳腺炎にならないようにするためには、とにかく「すでに作られた母乳をすべて出し切ること」が大切になってきます。
乳腺炎を患ったあとは、搾乳器を使って再発を予防していました。
手動タイプと自動タイプがありますが、ラクなのは自動タイプです。
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搾乳器は数千円から買えるものもあるのですが、あまり安価なものだと乳首に負担をかけて乳腺を痛めたり、乳頭亀裂の原因になるものもあるので注意が必要です。
ですが、産院で使っているような高性能なタイプは、何十万もするとても一般市民には手が出ない代物。
なので、搾乳器はレンタルで高性能のものを取り寄せるのが一番だと思います。
授乳期間中ずっと使うわけではないですし、産後長くて半年くらいまでの「赤ちゃんの飲み方が安定してくる時期」まで期間限定で使うものなのでこれで十分。
赤ちゃんが飲み残した分は搾乳器で絞って冷蔵庫に保存しておけば、24時間以内でしたら赤ちゃんに与えても大丈夫です。
(哺乳瓶や搾乳器はしっかり除菌・殺菌しておくことが大前提ですよ)
3.乳腺が細い
乳腺の太さや密集具合というのは、人によりさまざまです。
そのため、乳腺が細い人というのは、ちょっとした母乳の変化でおっぱいが詰まりやすくなってしまうので注意が必要。
食事なども人一倍気を付けないといけません。
私もそうで、乳腺自体は多い方らしいのですが、一つ一つが細いと言われました。
そのため、乳腺炎になった結果、今でも詰まりっぱなしの乳腺がいくつかあるみたいです。
乳腺を詰まらせたままにしてしまうと、その後乳腺症などでしこりができたりなどのトラブルもでてくるので、自分の乳腺の状態はあらかじめ把握しておいた方がよいでしょう。
母乳マッサージなどを行っている場所で教えてもらえますよ。
<参考>桶谷式 母乳育児相談室
乳腺炎を予防するためには
1.食事を粗食にする
乳腺炎の原因は、食べた物による場合がほとんどです。
脂っこい食事や糖分の多いスイーツなどは避け、野菜中心で薄味の食事を心がけないといけません。
また、血液の循環をよくするためにも、身体を冷やすような飲食物はNG。
そういう意味でも、身体を温めてくれる根菜類(ごぼうや大根など)は母乳育児向きの食材です。
が、授乳は一般的に数ヶ月から数年という長期間で行われるもの。
毎日きっちり食事管理をしていくというのは、子育てをしながらのママにとっては大変なものがありますよね。たまには出来合い食品で手抜きしたい日もありますし。
そんな時に私が良く飲んでいたのが「ごぼうの種を煎じたエキス」でした。
ごぼうの種30gを約600ccの水で煮出して、その煮汁を1日3回空腹時に飲みます。
これがびっくりするくらいまずいのですが、それ以上に母乳の質が変わる事にびっくりしました。
母乳の出も良くなりますし、多少母乳に良くない食事をしても、おっぱいが詰まってしこるということがなくなりました。
乳腺炎後はとにかく毎日これを煎じて飲んでいましたね。
汁が不味すぎて飲めないという人は、種をそのままポリポリ食べるというのもアリだそうです。(当時私が通っていた母乳マッサージの助産師談)
ですが、この種自体も結構硬くて、なかなか食べづらいので、私は不味くても汁を一気飲みする方がラクだと思います。
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2.出産前に乳腺を開通しておく
私のように乳腺が細い人は、一人目出産は良くても、二人目で乳腺トラブルになることが多いです。
というのも、一人目の出産の時に、卒乳の段階で母乳マッサージなどできちんと乳腺ケアをしていれば、次の出産時にトラブルになることも少ないのですが、そうでないと自分で気づかない詰まりなどが乳腺に残ったまま卒乳してしまうことになります。これが乳腺炎の原因の一つになるのです。
私もそうで、一人目の時は、ある日突然自分が思い立って授乳を勝手にやめてしまいました。
もともと乳腺が細い上にこんなことをしていたものですから、次男出産時には当然乳腺は詰まったまま。
乳腺炎が悪化して母乳マッサージに駆け込んだ時に助産師さんから「産前に乳頭ケアに来ておくべきだったわね」と言われてしまいました。
妊娠8ヶ月目くらいからできるようになる乳頭ケアですが、これをしておくことで乳腺が開通し、産後の授乳がスムーズにいくようになります。
ただ、妊娠中に乳首に刺激を与えると子宮の収縮を促してしまうので、早産の原因になるという点は注意が必要です。
「子宮頚管が短い」とか「お腹が張りやすい」などの症状がある人は、自分で乳頭ケアをするのは危険。
必ず産院や母乳マッサージの助産師に相談してから行うようにしましょう。
3.ストレスをためない
乳腺炎はストレスでも発症します。
ストレスで身体が常に緊張状態にあると、乳腺の流れも滞ってしまうのです。
とは言え、出産後で心身共に変化が大きく、それだけでも大変な中で家事や育児をしていかなければならない状況は、正直ストレスだらけ。
なので、たまに息抜きしたり手を抜いたりすることってすごく大切だと今では思います。
どうしてもチョコレートが食べたくなっても「母乳のために我慢」と思ってストレス溜めるよりかは、「後でごぼう汁がぶ飲みすればいいや」くらいに考えた方が気楽です(過去の私です 笑)
食事もご飯と味噌汁だけでも人間生きていけます。
赤ちゃんのことで神経質になりがちですが、そこを大きくゆったり構えて接することも大切ですよ。
乳腺炎になってしまったら
乳腺炎の状態にもよりますが、最終的には病院で診察してもらう必要があります。
私は高熱が出て、両胸がガチガチに赤く腫れ上がってしまった時は、出産した産院に行って薬を処方してもらいました。
産院は夜間も必ず応対してくれますので、あまりにひどい状態だったら夜間でも連絡をしてみてください。
(私は真夜中に電話しましたが、取り合ってくれました)
乳腺炎はこのように悪化する前に手立てするのが大切です。
初期段階では、胸のチクチクとした痛みや部分的なしこりが特徴として現れてきます。
その時点で母乳マッサージに行ったり、母乳をためないように頻回授乳にしたり搾乳したりすれば、それほど重症化しないで済みます。
また、赤ちゃんには吸い方の癖が出てくるため、いつも同じ方向から吸わせてばかりだとどうしても胸の一部分だけ吸い残りが出てきてしまいます。
それを防ぐために、横抱きや縦抱きなどいろんな角度から授乳をするようにしてみてください。
「ラグビーボール抱き」といって、赤ちゃんを小脇に抱えたような状態で授乳する方法や、赤ちゃんを自分の太ももの上に座らせたような状態で授乳する「縦抱き」などの方法もあります。
「ちょっとしこりが気になるな…」という方は、軽くしこり部分を圧迫しながらいろいろな授乳スタイルを試してみてくださいね。
乳腺炎はその予防と対策をきちんと理解しておくのが大切です。
乳腺炎にならないように、またなっても焦らないように、妊娠中からいろいろと情報を仕入れておきましょうね。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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