Rainbow – 2013-055 / vialbost
「離乳食、なんで食べてくれないのかしら」
生後6か月くらいから開始することの多い離乳食ですが、思うように食べてくれなかったりするお子さんも多いかと思います。
「最初から離乳食には見向きもしない」
「初めての一口は食べてくれたのだけど、それ以降はまったく受け付けない」
「口には入れるものの、全てベーっと吐き出してしまう」
などなど、お子さんによって離乳食の悩みは尽きないものです。
我が家は長男も次男も離乳食開始時は非常にスムーズに進めることができたのですが、長男は2歳くらいの時に米さえ食べない時期があったりもしました。
今では毎日給食をおかわりしているくらい何でも食べるようになっているのですが、次男は逆に離乳食時代に食べることができていたトマトやいちごを今ではまったく受け付けてくれません。
このように、子供の食生活というのはその時期によって食べたり食べなかったりとムラがありながら成長していくものなので、子供の好き嫌いというのは「一時的なものだ」と捉え、親もあまり神経質にならない方が良いと思います。
そうは言っても、離乳食を毎回拒否されていたのでは、親としては「栄養はちゃんと摂れるのかしら」と心配にもなってきますよね。
そこで今回は、私が過去に実践していたまぜまぜ離乳食をご紹介すると共に、組み合わせによって栄養価がUPする食材などのお話をしていこうと思います。
離乳食は必ずしも単品で与える必要はない
離乳食の一番最初は10倍粥から始める人も多いと思います。
その後は野菜のペーストや豆腐などと段階を追って形状や硬さを調整しながら進めていきますが、育児本などには「素材の味を覚えさせるため」に単品食を推奨しているものもありますよね。
ですが、私はこれはあまり意味がないことだと今では思っています。
私も長男に離乳食を食べさせていた当時は育児本信者だったので、とにかく本に書かれているがまま頑張ってやっていました。
ですが、わざわざ苦味のあるような葉物野菜のペーストなどを単品で食べさせる必要って正直「なんのため?」と思ってしまうんです。
もちろん、初めて食べる食材はアレルギーなどの心配があるので、小さじ1程度の単品を午前中に食べさせるということは守らなければならないことだと思います。
ですが、ただ野菜を潰しただけの味付けなしの物など大人が食べても「まず!」と思うわけで、子供も同じように感じると思うわけです。
現に、我が家の子供達も葉物野菜のペーストなどを初めて食べた時は必ず険しい顔をしていました(笑)
これではせっかく食べるのが好きな子でも離乳食が嫌いになってしまう可能性もあり、食の細い子だったら尚更だと思うのです。
親としてはやはり、子供が好きな食材(甘味があるものやとろみがあるもの)と美味しくはないんだけど栄養的には摂らせたい食材(緑黄色野菜や葉物野菜など)を混ぜ合わせて食べさせてあげることで、食事量を増やしていけるよう導いてあげなければならないと思っています。
まぜまぜ離乳食のメリット
1.癖のある食材の味をごまかせる
後ほどご紹介しますが、子供が好きな食材というのは甘味や風味が強いものが多いです。
調理法によっては飲み込みやすくなったり、前歯でかじりやすくなったりもするので、食べやすいという特徴もあります。
そのような子供の好きな食材と食べにくい食材を混ぜることで、苦手な味の食材も子供は気づかないうちに食べてしまうことができます。
食材の本来の味を知ることも大切ですが、大人の料理であってもいろいろな食材の組み合わせでできているものがほとんどです。
その上調味料などを使って味の調整もしているので美味しく食べられるのですが、離乳食のように塩さえ使わないような素材の味100%の食事には、子供の好む食材と苦手な食材の掛け合わせが必要だと思います。
2.食材の組み合わせを工夫して栄養価UPが期待できる
食材には単品で食べるよりも、組み合わせで食べた方が栄養価の吸収が良くなるものもあります。
その効果的な組み合わせを知った上でまぜまぜ離乳食を作れば、少ない食事量でも必要な栄養素を体に取り入れやすくなるので、食の細いお子さんには特にこの食材の組み合わせを意識して調理されることをおすすめします。
私には「食材の栄養価調べ」という地味すぎる趣味があるのですが(笑)、このような本をたまに流し読みするだけでもどのような食材の組み合わせが効果的なのか、料理中にも閃くようになります。
そこで私が持っているこちらの本を参考に、多くのお子さんが好きな「バナナ・さつまいも・かぼちゃ」の効果別組み合わせをご紹介していきます。
あたらしい栄養学 おいしく健康をつくる |
もっとからだにおいしい野菜の便利帳 [ 白鳥早奈英 ] |
バナナを使った組み合わせ例
1.バナナ+納豆=便秘予防効果
バナナが好きなお子さんって本当に多いですよね。
エネルギー源となる糖質が豊富で栄養価も高く、その甘さを利用していろいろな食材を食べやすくすることができます。
便秘の赤ちゃんに是非試していただきたいのが、バナナと納豆の組み合わせです。
バナナに含まれるフラクトオリゴ糖が腸内で善玉菌の栄養となるため、腸内環境を整えてくれる役割を果たします。
また、納豆はエネルギー代謝に欠かせないビタミンB2が豊富で、納豆菌が腸内の善玉菌を増やしてくれます。
「納豆は栄養豊富だから食べさせたいんだけど…」という納豆嫌いなお子さんにはバナナと納豆を混ぜ合わせることで、独特の納豆の風味がやわらいで食べやすくなります。
我が家の長男も小さい頃は便秘っ子だったので、バナナ+納豆は非常に効果的でした。
2.バナナ+カブ=胃腸を丈夫にする効果
カブに豊富に含まれるアミラーゼが胃にやさしく作用するので、整腸効果の期待できるバナナと一緒に摂ることでお腹の弱い子向けのメニューになります。
カブは食物繊維も豊富なので、この組み合わせは便秘っ子にもおすすめです。
これにニンジンを加えると、さらに整腸作用が高まります。
ただ、ニンジンは生のままだとビタミンCを破壊する酵素が生きているため、火を通してから食べるのがベストです。
さつまいもを使った組み合わせ例
1.さつまいも+ほうれん草=風邪予防効果
さつまいもは主成分がでんぷんで主食にもなる得る上に、ビタミン類や食物繊維が豊富な優秀食材です。
さつまいもに多く含まれるビタミンCは熱に強いので、生野菜が苦手な赤ちゃんのビタミン補給にはピッタリです。
免疫力を高めてくれるビタミンC豊富なさつまいもと、体内の免疫細胞を活性化させる作用のあるほうれん草を組み合わせることで、風邪予防効果が期待できます。
ほうれん草にはシュウ酸というカルシウムと結びついて結石を引き起こす物質が含まれているので、必ず熱湯で下茹でし、その後水に手早くさらしてから調理するようにしましょう。
2.さつまいも+りんご=便秘解消効果
これは食物繊維が豊富なもの同士の相乗作用で、便秘解消が期待できる組み合わせです。
りんごも好きな子供が多いので、この組み合わせは離乳食の初期ならさつまいもペーストとりんごのすりおろしでデザートにもなる一品ですね。
どちらもそのままで十分美味しので、離乳食の後半まで素材の味のままで食べてもらえると思います。
さつまいもは離乳食初期にはペーストなどで食べさせますが、後半になると、蒸したさつまいもを潰して、そこにいろいろな食材を混ぜ込んでハンバーグ状にしたものを私はよく食べさせていました。
ひじきやしらす、レバーなど、とにかく1回の食事でいろいろな食材が摂れるよう意識して作っていました。
手づかみ食べもできますし、前歯でかじる練習にも良いです。
かぼちゃの組み合わせ例
かぼちゃ+削り節=健脳効果
かぼちゃもお子様が好きな野菜のひとつですよね。
我が家もよく食べさせていましたが(今もですが)、かぼちゃには免疫力を高めるカロテンやビタミン類が豊富で、非常に栄養価が高いです。
このかぼちゃはグルタミン酸を含む削り節などの食材と一緒に摂ることで、脳の働きを活性化する効果が期待できます。
このような健脳効果といえば青魚に含まれるDHAなどが有名ですが、「青魚はまだ早いかな」という赤ちゃんでも、このかぼちゃと削り節の組み合わせは食べやすいメニューだと思います。
かぼちゃもさつまいも同様、離乳食の初期はペースト状で、後期になると蒸して潰せばいろいろな食材を混ぜ込めるので、とても重宝します。
かぼちゃのビタミンは脂溶性なので、脂を含む食材(魚や牛肉・バターなど)と一緒に摂れば摂取効率が上がります。
組み合わせNGの食材とは
tomatoes and cucumbers / sixteenmilesofstring
以上のように組み合わせることで栄養価がUPする食材を一部ご紹介してきましたが、逆に互いの効果を打ち消してしまうようなNG組み合わせも存在します。
その代表的なのが「トマト+きゅうり」の組み合わせ。
サラダでよく共存しているこの二つの食材ですが、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという物質がトマトに含まれるビタミンCを破壊してしまいます。
せっかくのトマトの栄養効果が台無しになってしまう組み合わせなので、離乳食で使う時もこの両者を一緒に食べさせないように注意したいものです。
ただ、きゅうりは酢の物にするなどすればビタミンCを破壊する効果はなくなるそう。
ただ赤ちゃんにお酢はちょっと厳しいですし、そこまでしてきゅうりは食べさせなくても良いかな…と私個人としては思っていますが。
離乳食は焦らないことが大切
子供の食生活というのは、食べたり食べなかったりの繰り返しが短いサイクルで続くものです。
長男も先述したようにほとんど何も食べないような時期がありましたが(バナナだけは食べてたかな)、栄養士さんに相談したところ…
「1週間単位でみて、そこそこ食べることができていればOK」
「最悪、米と豆だけでも食べていればOK」
と言われたことがあります。
私は心配性なのでそこまでは思い切れませんでしたが、一日をトータルで考えて、「お昼にたくさん食べていたから夜は少ししか食べられなかったけど、まいっか」とある程度気楽に考えられるようになりました。
離乳食時期は母乳(ミルク)もありますしね。
離乳食が進まなくて今すぐ赤ちゃんが緊急事態になるものでもないので、母親としてはゆったり構えて子供の好きな物を中心にメニューを考えると良いと思います。
そこに少しずついろいろな食材を混ぜ込んでいけば、気付いたらいつの間にか食べられる食材が増えていた…という風になりますよ。
子供はいつかしっかり食べるようになります。
それまでちゃんと育ってくれますので、焦らずまぜまぜ離乳食で手を変え品を変え、お子さんの好きな味を探してみてくださいね。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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