現在5歳の次男(年長)には、発達障害があります。
自閉症スペクトラムと診断されており、今は福岡市内の療育園に通っています。
2018年度に就学するとあって、現在は次男の学校関係の予定に奔走している私ですが…。
こちらでも度々記事にしているように、特別支援学校にするか特別支援学級にするかでものすごく悩んでいます。
私と夫の中ではある程度の進路の見通しはできているものの、発達検査や医師の診断結果でまた悩んだり、特別支援学校の見学に行ってはさらに悩んだり、考えがまとまらず堂々巡りの状態です。
そんな中、先日は校区内の小学校の特別支援学級の見学に行く機会がありました。
特別支援学級を実際に見てみたら次男にとってベストな環境がわかるのでは…
そんな思いから、特別支援学級の見学を楽しみにしていた私でしたが、結論から言うと…
特別支援学級にやや軍配
という状態です。
我が家の次男のデコボコ過ぎる発達のせいで、やはりどちらがベストかは言い切れませんでした。
ただ、特別支援学級の様子や雰囲気についてはしっかりみてきましたので、今日は小学校見学の内容についてまとめておこうと思います。
※我が家が見学したのは、特別支援学級の知的クラスです。
特別支援学級ってどんなところ?
特別支援学級とは、公立の小学校・中学校に設けられているクラスで、心身共に障害のある子が個々のペースで教育を受けられるよう配慮されています。
詳しくは過去記事に書いていますが、障害の程度・種類によってもさらに細分化されています。
これは2017年7月現在の福岡市の特別支援学級の現状ですが、ほとんどの小学校には知的障害特別支援学級(いわゆる特別支援学級のことです)が併設されています。
名 称 | 学級数 | 該当小学校 |
知的障害特別支援学級(校区内通学) | 138校 | 市内公立小学校144校中 |
自閉症・情緒障害特別支援学級(校区外通学可) | 7クラス | 香椎・堅粕・住吉・長住・花畑・原・姪北 |
病弱特別支援学級(院内学級) | 5クラス | 照葉・大楠・南片江・千代・野多目 |
難聴特別支援学級 | 1クラス | 箱崎 |
知的障害と自閉症・情緒障害の学級は、昨年に比べ1クラスずつ増えたようですね。
発達障害がある場合、多くは知的障害か自閉症・情緒障害の学級に通うことになるかと思います。
自閉症・情緒障害学級では、学習面にかんしては通常級と同様に行うため、基本的に知的遅れのない子が行くそうです。
次男の場合は、自閉症スペクトラムと軽度精神遅滞の2つの診断名がついているので、行くとすれば校区内の知的障害学級に通うことになります。
知的障害学級では、個々の発達に応じて学習も進めてくれるので、5年生で2年生の算数を学習していたりもします。
個別の配慮がしっかりされている点では特別支援学校と同じなのですが、では特別支援学級と特別支援学校の異なる点は何なのか。
それは、通常学級との交流学習にあります。
算数や国語など、児童によって配慮が必要な学習にかんしては特別支援学級で行い、体育や音楽などは場所を移動して通常学級で学習ができるという大きな特徴があります。
もちろん、その子の特性によっては必ずしもこの通りの授業体系ではないのですが、このような通常級の児童との交流の中で、発達障害児の情緒面の成長を促す目的があるのではないかと感じています。
ただ、ここで親としては…
「って言っても、我が子が大人数の通常級でやっていけるだろうか…」
「休み時間の過ごし方とか、一人で大丈夫だろうか…」
など、こんな点が心配になるもの。
情緒面の遅れが著しい次男の場合、私はこの「休み時間」というものの過ごし方についてすごく心配しています。
人に興味がなく、こだわりが強い次男は、なにかとお友達とトラブルになり癇癪を起こしやすいです。
特別支援学校であればそのあたりも手厚くみてもらえると実際に見学して感じましたが、果たして小学校の特別支援学級ではどうなのか。
特別支援学級を見学してみて、その様子から児童の学校での過ごし方が少し実感できるようになりました。
特別支援学級の様子・学習環境
授業の様子
小学校見学では、まずは特別支援学級の授業の様子をみせていただきました。
この日は国語の授業をしていたのですが、先生1人に児童は2人でした。
特別支援学級は1クラス8人までと決められているのですが、在籍している児童はその学年の通常学級にも籍を持っています。
その子によって特別支援学級で受ける授業と通常学級で受ける授業が決まっており、時間割は通常学級のものに従うため、同じ特別支援学級に在籍している子であっても、時間割はバラバラなのです。
そのため、「A君は通常学級で音楽の授業」「Bさんは支援学級で国語の授業」などという光景がみられます。
この日、支援学級で国語の授業を受けていたのは2年生だったのですが、使っていた教科書は通常級と同じものでした。
学習面にかんしては、支援学級だからと言って特別な教科書があるわけではありません。
ただ、それぞれの机に絵カードが置かれており、ひとつ作業(漢字の書き取りなど)を終える毎に、先生がその絵カードを操作して児童に細かく伝えていました。
※この絵カードのかんしては、私の療育園ママ友情報によると、すべての小学校の支援学級で使用されているわけではないようです。小学校によっては絵カードなしで対応しているところもあるようなので、気になる方は学校見学などの際に直接聞かれるとよいかと思います。
休み時間の過ごし方
私が見学した時間は午前中だったため、この日は中休み(授業の合間にある15分程度の休み時間)の様子はみることができました。
授業が終わると帽子をかぶって校庭に遊びに行く子や、次の授業のためクラス移動をする子などさまざまでした。
授業中も教室から飛び出ていくような子もおらず、また子ども自身が自主的に行動していることに驚いた私は…
多動傾向のあるお子さんはいるのでしょうか…?
と校長先生に質問したところ…
いないこともないです
という回答をいただき、特別支援学級に次男のような多動の子はそう多くないという事実が判明してしまいました。
あの暴れん坊の次男がこれほどまでに落ち着いて過ごせるだろうか…と考えていると、校長先生からこのようなお話がありました。
以前、通常級にものすごく多動傾向のあるお子さんがいたんです
へぇ~。診断など受けていなかったのでしょうか
親御さんが通常級にこだわっている方でしたので、学校側としてもその子には支援学級の方が合っているのではないかと思いつつ、積極的にはすすめられなかったのですが…
その子の多動が原因で授業にも支障がでるようになったため、お試しで支援学級に入ってもらったところ、ものすごく情緒面が落ち着いたんですよ
え!?本当ですか?!
授業も落ちついて受けることができるようになって、やはり子どもに合った環境というのは大事なんですよね
次男、もしかしたら支援学級いけるかもしれない…。
私自身、特別支援学級にこだわっているわけではないのですが、次男の場合は学習面にかんしては飲み込みも早いという特徴があるので、できれば同学年の子と同じように学習に取り組んで欲しいという思いがあります。
集団のザワザワ感が苦手というのがあるので、そういう面では特別支援学校が環境としてはベストなのですが、そうなるとどうしても身辺自立への取り組みを優先した流れで一日を過ごしてしまうと思うのです。
そうなると、学習面での遅れというのは避けられなくなってしまう。
次男の得意な面を伸ばしてやりたいという思いと、現段階の情緒面の成長具合との兼ね合いから就学先を悩んでいたのですが、校長先生のお話で…
特別支援学級にチャレンジさせてみようかな…
という思いに傾いています。
通常級には次男のペースで参加させてもらい、いろいろな児童との交流を持ちながら、次男の情緒面が良い方向に伸びてくれればと思っています。
特別支援学級のメリット・デメリット
特別支援学級に通う最大のメリットは、通常学級との交流が持ちやすい環境にあることです。
定型発達児との交流の中で、社会性の成長を期待できます。
次男は年少の時に1年間、一般の私立幼稚園に通いました。
そこで、定型発達児に混ざって過ごしていたのですが、同年代の子に着替えや用意などなにかとお世話をされながら、次男なりに幼稚園に通えていました。
そうこうするうちに、最終的に次男は周りの子のペースを確認しながら集団でそれなりに生活できるようになっていたのですが、当時は帰宅後に謎の癇癪が多くて困っていた時期でもありました。
この話を担当医師にしたところ「過剰適応ですね」と言われたのですが、特別支援学級に通うデメリットとして私はここも心配しているところです。
過剰適応とは、無理して周りに合わせすぎてしまうことです。
その反動がさまざまな形で心身に現れてくるのですが、次男の場合はひどい癇癪でした。
特別支援学級に進学した場合、交流学習では何十人というクラスメイトの中で一斉に授業を受けることになります。
そんな中で、同級生からお世話をされたり(世話焼きの子ってどこにでもいますよね)良い刺激ももらえる反面、次男の中でその状態に無理して合わせすぎて爆発してしまわないかが心配なのです。
校長先生いわく…
交流学習にかんしてはその子のペースを尊重しますので、無理に入ってもらうということはないです
とのお話でした。
この特別支援学級におけるメリット・デメリットの感じ方は、お子さんの特性によってさまざまだと思います。
学校側としっかり話し合いをする必要があると感じています。
特別支援学級と通常学級の違い
特別支援学級の見学を終えて、私は以下のような通常学級との違いに気付くことができました。
■個々のペースで学習を進めてくれる
■絵カード・個人別提出物用のカゴなどで視覚化している
■登下校は親付き添いが必要
■行事(遠足など)も個々の出来る範囲で配慮してくれる
■トランポリン・仕切り板などが常備されている
■机が通常級の1.5倍ほど大きい
■机・椅子に防音加工がされている
登下校にかんしては、児童によっては兄弟で登下校している例もあるそうなので、成長によっては親の付き添いは必要なさそうです。
遠足なども、小学校は結構な距離(3~4kmほど)を歩くのですが、特別支援学級の児童は特に参加を強制されるものではないそう。
そして、机にかんしては、やはり絵カードなど用意するものが多いからか、通常級より大きめでした。
脚部分には防音のためにクッションをかませていて、聴覚過敏の子にも対応していると感じました。
特別支援学級を見学してみての感想
特別支援学級を見学してみて、私は「なにかと行き届いているな」という印象を持ちました。
学習面では通常級と変わらない内容を行うものの、個別の配慮もありすごく充実していることなどがそうです。
ただ、トイレなどの日常生活面までは特別支援学校ほど細かくみてくれないので、その点ではある程度の身辺自立ができた子でないと厳しいように感じました。
また、個別の配慮もどこまでやってくれるかというのは小学校により随分異なるようです。
今回見学した小学校の特別支援学級では、支援員の方が1人いましたが、それも学校によりさまざまなよう。
お子さんを通わせる予定がある特別支援学級の見学では…
■特別支援学級の様子(先生・児童・教室内の備品など)
■通常学級の児童の様子(落ちついて学習できているか)
■個別配慮はどの程度までおこなってもらえるか
などを中心にお子さんの特性と合わせて確認するとよいかと思います。
見学の様子では、小学校全体の雰囲気も落ちついていたので「ここの特別支援学級であれば大丈夫かもしれない」と希望が持てました。
あとは、いよいよ就学相談会を待つのみです。
波乱の就学相談会の様子についてはこちらをご覧ください。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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