【教育実習生向け】発達障害児への接し方のポイント5つ。交流イベントで感じたことまとめ。

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「学生さんは大変そうだな~…」

 

次男は現在5歳で、自閉症スペクトラムの診断名がついています。

 

こだわりが強く、癇癪持ちという特性があります。

 

先日、そんな次男が通っている療育園のイベントがありました。

 

将来、特別支援学校の教員を目指している学生さん達と発達障害児がいろいろな遊びを通して交流を図るというこの催し。

 

学生さんと子どもがマンツーマンでかかわり、親は極力手をかさないというものでした。

 

事前に子どもについている診断名や特徴などは細かく担当学生さんに伝えてはいたものの、学生さんはやはり慣れない発達障害児との関わりに悪戦苦闘している姿もみられました。

 

走り回る子ども達をひたすら汗だくで追いかけている学生さん達を見て「慣れない子ども相手だと大変なんだろうな…」と感じた私。

 

そこで、発達障害児への接し方のポイントを5つ、今日は母親目線で書いてみようと思います。

 

大学で障害児教育を学んでいらっしゃる学生さんにこのような事を偉そうにいうのもおこがましいかと思ったのですが、実践編ということで現場から日々学んでいる経験談をお話できればと思っています。

 

1.ゆっくりと大きな声で話しかける

これは意外にできていない学生さんが多くて驚いたのですが、子ども達に対して話すスピードの速い学生さんがちらほら見かけられました。

 

発達障害児は一般的に、言葉で理解するのが苦手な子が多いです。

 

我が家の次男もそうなのですが、そのため次男に話しかける時は「ゆっくり」「はっきり」「大きな声」で話しかけるようにしています。

 

そして、大事な事は必ず子どもの目の前に立って、目を見て話しかけるようにしています。

 

「自分に向かって話しかけている」ということを子ども自身が理解できるようにするためです。

 

私などはもう次男とのこのようなやりとりに慣れてしまいましたが、子どもと接し慣れていない学生さんはもしかしたらこういった話し方を恥ずかしく思ってしまうかもしれませんね。

 

また、「短い言葉で伝える」というのも発達障害児には有効です。

 

このイベントの日も、高いところに登りたがる子どもに対して学生さんが登らせまいと四苦八苦していたのですが…

 

(学生)「ここは危ないから登ってはダメだよ~」

 

というような声かけを…

 

「登りません」

 

と短く伝えるだけでも、子どもには随分効果的なことがあります。

 

とはいえ、テンションが上がってしまったり、癇癪を起こしている子にはそのように話しかけても聞き入れられない場合が多いです。

 

が、そのような場合でも大人が落ち着いた口調で(療育園の先生曰く、そのような場合の口調は低い声のトーンの方が良いらしいです)こちらに注意を向けさせながら、伝えたい内容を端的に伝えることが大切です。

 

私も次男が癇癪を起こして大暴れしている時は、まず「次男くん、聞いて」と私に注意を向けさせます。

 

それから「何をしたかったの?」「何が嫌だったの?」と癇癪の原因を言葉で言わせるように促します。

 

そうすると少しずつ落ち着きを取り戻しながら、癇癪の原因を言葉で言える時もありますので、この方法はとても有効だと感じています。

(毎回そう上手くいくわけでもないのが厄介なところなのですが… 笑)

 

癇癪のように行動の原因がわかれば、それを大人が代弁し共感してあげることで発達障害児は落ち着く場合も多いです。

 

伝いたい事は短い言葉で。

 

子どもが今感じていそうな気持ちを代わりに表現してあげることで、随分意思疎通をはかりやすくなると私は感じています。

 

2.見通しを細かく立ててやる

発達障害児の多くは、次に何をするか分からないという見通しの無さに不安を覚えるものです。

 

イベント当日は合間合間で待ち時間があり、それが重なるにつれテンションが上がりすぎて多動になる子や、気分が崩れてしまう子が多々見られていました。

 

なので、発達障害児と接する場合は「次に何をするのか」などの見通しを細かく立ててやることが大切です。

 

数字の分かる子であれば、「時計が5のところになったら始まるよ」などと目安を伝えてあげる。

 

言葉での理解が難しい子であれば、絵カード(当日も絵と文字でかかれたしおりが配布されていました)を見せて「今これが終わったから、次はこれをするんだよ」などと説明してあげると良いでしょう。

 

全ての子がそれで落ち着けるわけではないでしょうが、初めて触れ合った学生さんから見通しを立ててもらう経験は、発達障害児にとっても良い刺激になると思います。

 

3.気持ちの切り替えを意識して行う

発達障害児の場合は、ちょっとした事で気分が崩れる子というのがいます。

 

我が家の次男のことですが、本当に極端な話「家を出るときに右足から出てしまった」レベルで癇癪を起こし、再び家に帰って出発の段階からやり直したりするものです。

 

何か解決可能な原因による癇癪なら対応できる部分もあるのですが、次男の場合は不可抗力の癇癪というものも存在します。

 

いつも確認している自販機の中に売切表示があった場合などです。

 

今から業者呼び出して「すぐ補充してください!」と言いたくなるくらいそんなどうしようもない事で凄まじい癇癪を起こしてしまうのですが、私としては次男に「世の中どうしようもない事はある」という事も理解してもらいたい。

 

そういう時は、私はとにかく次男の気持ちを切り替えることに専念します。

 

こだわりの強い子というのは、ひとつのこだわりが消えてもまた新たなこだわりが出てくるように、何かに執着しやすい特性を抱えています。

 

そのこだわりをなくそうとするよりかは、こだわっているものから気持ちを外らせるようになることが大事です。

 

そのため、癇癪やこだわりで気分を崩している子に対しては、本人が興味のありそうなものに積極的に誘うことが有効です。

 

(例)「あ!あそこでお魚釣りしてるよ。楽しそうだね」と指差しして教える
(例)「○○君、電車ごっこしてるよ。一緒にしてみる?」と誘導する

 

泣いて暴れている子を目の前にすると、普段接し慣れていない学生さんとしてはどうして良いかオロオロしてしまうかもしれません。

 

ですが、親御さんから事前にアドバイスをもらい、その子がどのようなものに興味を持ちやすいかを把握しておくことで、いざ気分が崩れてしまった時の対処法に困らなくてすむようになります。

 

4.視覚から理解できるように促す

発達障害児は言葉よりも視覚からの情報を理解する方が得意な子が多いです。

 

そのため、上記で述べたように大人が指差ししながら子どもの注意をひくという方法も有効ですが、事前に絵カードを用意しておいて子どもと接する時に使うのも効果的です。

 

先ほどの登って欲しくない場所に子どもが登ろうとしているような場合。

 

言葉での理解がまだ難しい子どもの場合は、このような絵カード(我が家ではダメカードと呼んでいます)を使うのも良いです。

 

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登ろうとしている子どもの目の前にサッとかざして、それと同時に「登りません」と言葉で伝えることで、子どもは視覚からの理解と言葉からの理解の両方を学ぶことができます。

 

我が家の次男も電気のスイッチパチパチ期間には、随分このダメカードのお世話になりました。

 

こういったカードをあらかじめ用意しておけば、言葉が出ない子どもとの接し方もやりやすくなる部分があると思います。

 

私としては、この学生さんとの交流イベントで意外と絵カードを持参している学生さんがいなかったことが予想外でした。

 

 




 

 

5.たくさん話しかけてやる

発達障害児には全般的な言葉の遅れがみられる子が多くいます。

 

そのような子の場合、こちらがいくら話しかけても反応がなく、親であっても「私今日も独り言だな…」と思う日がないわけではありません。

 

これがその日子どもに初めて会ったばかりの学生さんだと、自分が一生懸命子どもに話かけても無反応だった場合、気持ちが折れそうになることがあるのではないかと思います。

 

ですが、私個人の意見としては、そのように言葉がけに反応できない子であってもたくさん話しかけてあげて欲しいと思うのです。

 

言葉が話せない赤ちゃんであっても、周囲の音を聞き分け、親の声を学習し、次第にそれに反応していくようになるものです。

 

発達障害児も同じで、周りからの本人への話しかけは、必ずその子なりに心の中で受け止めてくれていると私は思っています。

 

次男の様子をみていても、本当は自分の気持ちを表したいけどできないフラストレーションのようなものを感じることがあるので、そのような子どもの心の声を代弁するようにたくさん話しかけてあげて欲しいのです。

 

(例)「今日は楽しかったね」
(例)「たくさん走ったから疲れちゃったね」

 

などと話しかけることで、子ども自身の心の中に「自分の思いを分かってもらえる人がいる」という感情が芽生えれば、子どもが周囲をコミュニケーションをとろうとするきっかけにもなります。

 

言葉というのはそういう思いがあってこそ育っていくものなので、どうか学生さんは子ども達の反応にめげずに、恥ずかしがらずにたくさん話しかけてあげて欲しいと思います。

まとめ

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今回初めて参加した学生さんと障害児の交流イベントですが、すごく良い催しだと感じました。

 

学生さんにとっては、日頃接する機会が少ない児童と交流を持つことで「障害児のありのままの姿」を知ってもらえると同時に、障害児にとっても初めて会う人と一緒に行動することで良い刺激を受けることができます。

 

これは学生さんに限らず一般の方でもそうだと思うのですが、障害児への認識というのは実際に接してみて初めて分かる部分も多いと思うのです。

 

障害児に対する誤解があったり先入観があったり…。

 

私も次男が診断されてから初めて発達障害児の存在を知りましたし、実際に療育に通うようになって発達障害児が抱える特性の幅広さを理解しました。

 

そのため、私かここで挙げた接し方については全ての発達障害児に当てはまるものではないかもしれません。

 

が、発達障害児の多くはどういうところに困り感を持っていて、どう接する事で理解度が高まるかについて、そのひとつの例として私の経験談から少しでも多くの方にお伝えできれば…と思い綴ってみました。

 

学生さんだけでなく、このような交流イベントが今後ますます増えてくれるとありがたいなと感じています。

 

 

 

コメント

  1. 参考になりました。

    • てっつん様

      ブログへのご訪問とコメント、ありがとうございました。
      参考にしていただけて、幸いです。
      発達障害児への接し方は、その子の特性によって臨機応変に変える必要もありなかなか難しくはあるのですが、概ね記事の内容のようなことを意識して接してもらえれば関わりやすくなるのではないかと思います。

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