子供が出来てから始めて経験する、母親としての初めての公の仕事と言っても過言でない「幼稚園の役員」。
「初めてで不安」「他のママさんと上手くやれるか分からないし」と心配して、できればやりたくないと思っている方も多いはず。
私も自分自身が幼稚園の役員をやるまでは同じように思っていました。
ですが、幼稚園の役員って本当に「できればやらない方が良いもの」なのでしょうか。
幼稚園役員経験者の私が、そのメリット・デメリットを個人的視点で語ります。
幼稚園役員のメリット
幼稚園役員のメリットで一般的に良く言われるのが「園の様子が良く分かる」ということです。
が、これは役員になると単に幼稚園に出向く回数が多くなるので、デメリットと表裏一体の関係だと私は思っています。
たしかに、我が子が幼稚園でどのように過ごしているか気になるのは親心ですし、子供自身も幼稚園にお母さんがやってきて何やら仕事をしていたら当然喜びます。
ですが、お仕事を持っているママさんや、私のように基本ひとりでゆっくりする時間がないとストレスが溜まるようなおひとり気質の人には、子供が幼稚園に行っている間は「せっかく子供から解放される貴重な時間なのに…」と思ってしまうのも事実。
子供の幼稚園での様子はお迎えの時間に先生をとっ捕まえて聞けば分かることですし、バス通園だったら先生にお手紙でも書けば教えてもらえることです。
よって、私としてはこの「園の様子が良く分かる」というのは、幼稚園役員の大したメリットだとは思いません。
また、その他のメリットとして良く言われるのが「お母さん同士仲良くなれる」というもの。
これもたしかに否定はしませんが、正確に言うと「仲良くなれる場合がある」という程度のことであり、これから役員をしよう(しなければならない)という方は過度に期待しない方が無難です。
というのも、必ずしも一緒に役員をするママさんがフレンドリーな方ばかりだとは限らないから。
私がかつて幼稚園役員をやらされた(あみだくじで引き当てました)時に一緒に活動することになったママさんが揃いも揃って曲者でした。
一人は極力自分が動きたくないサボりタイプのママさん。
もうひとりは、強気を助け弱気を挫くスネ夫気質の金魚のフンママさん。
当時、私は他県から転園してきたばかりで、当然幼稚園のことなどなにも分からない状態で役員をするハメになったにもかかわらず、彼女達は長子をすでにその幼稚園から卒園させている経験者なくせに、私にまともに役員仕事を教えてくれませんでした。
「私もこの仕事は初めてだし~」
「パソコン使えないから、お便り作りとか無理」※スマホ・ネット検索、超得意(笑)
終始こんな調子だったので、私は他のママさんに聞きながら、行事の段取りやお便り作りなどほぼひとりでこなしました。
ですが、あまりに仕事をしたがらない彼女たちに頭にきて、最終的には「平等に仕事しましょうよ!」とこちらが勝手に仕事を割り振った思い出もあります。
役員を1年間やり遂げた後に他のママさんから「あの人達と役員するのは大変だったと思う」と労われたことも。
そういう意味では「お母さん同士仲良くなれた」のかもしれませんね(笑)
幼稚園役員をするまでは、私は本当に引っ込み思案で、幼稚園の懇談会などで皆の前で意見を言うだけで脇汗ダーダーなほど緊張する人でした。
「自分さえ我慢すれば…」というタイプでもあったので、変わった人たちと役員をすることになった時も、最初のうちは不公平だなと思いながらもイヤイヤ仕事をしていた部分がありました。
言い返せなかったんです。言いなりというか。
でも、私はこれが幼稚園役員をやる一番のメリットだと今では感じているのですが、幼稚園役員は「度胸」がつきます。
幼稚園役員というのは、我が子を含め、その園に通う子供達がより良く過ごせるようお手伝いするのが仕事です。
子供のために頑張っている事に自信が持てるようになると、人前で発言するのも抵抗がなくなる。ズルしているママさんに意見するのも堂々とできるようになるんです。
私はこの幼稚園役員経験を機に、性格が大きく変わったと思っています。
ちょっと話がそれますが、今は住んでいるマンションの理事長とかもしていまして、理事会とかでもガンガン思った事を言えるようになりました。
「自分の消極的なところを治したい」などと思っているあなた。ぜひ、機会があれば幼稚園役員をやってみてください。
きっとさまざまな事を収穫できると思いますよ。
幼稚園役員のデメリット
「幼稚園役員のメリット」のところにデメリットも書いてしまったので、重複になる部分はありますが…。
幼稚園役員のデメリットとしては、「幼稚園に行く回数が増える」「お母さん同士の関係が悪化」などがあげられます。
幼稚園に行く回数は、幼稚園によっても、またやる仕事によっても変わってくるものですが、私は忙しい時で週1回ペースで幼稚園には行っていました。
バザー役員さんとか、短期集中で忙しくなる仕事だと、イベント当日までは毎日出突っ張りだったようです。
そうなると、お仕事されているママさんには厳しい部分がありますし、役員引き受けたもののほとんど活動に参加できないとなると、他のママさんからひんしゅくを買うのは当然です。
なので、お仕事をされているママさんがどうしても役員をしないといけなくなった場合は「幼稚園に行く回数の少ない役員を選ぶ」というのが大切です。
今はたいてい、「年少から年長まで子供が在籍している間、1回は役員をしましょう」みたいなルールがある幼稚園が多いですので、自分が全うできそうな役員仕事を選ぶというのは重要です。
1度役員をしてしまえば、暗黙のルールでその後の役員は免除されるものなので、年少のうちに役員をやってしまうというのもアリかと思います。
年長の役員は、卒園式だったり謝恩会だったりで行事も多く、それだけ役員さんも大変になりますからね。
だから、年少の役員決めは、逆に役員の取り合いだったりもしますよ~。
また、フルタイムで働いているママさんでも「仕事があるから役員はできません」と宣言してしまうのはNGです。
家庭にはそれぞれいろいろな状況があるもので、親を介護していたり、ママさん自身に持病があったりなど、一見推測できないような家庭環境は結構存在します。
自分の都合ばかりで物事を言ってしまうと、他のママさんから違う意味で一目置かれる存在になってしまうので、要注意です。
幼稚園役員は子供のためにと考えよう
幼稚園役員、そうは言っても綺麗事ばかりではなく、いろいろと大変な事も多いのは事実です。
私のように、園で配布するお便り作りなど自宅に持ち帰ってやっていると、自分のプライベートな時間はどんどんなくなっていきます。
人間関係でストレスがたまって胃が痛くなったり…。
「なんで、私ばかりこんなに苦労しないといけないのー!?」と愚痴りたくもなりましたが、それでも役員仕事を1年間全うできたのは、子供の園生活を思えばこそでした。
子供には園で楽しく過ごしてもらいたいし、いろんな経験をさせてあげたい。そのためにはあんなイベントもこんなイベントもいいな…などと考えると、それはそれで少し楽しくもありました。
役員になるとその権限によっては結構な采配が振るえるので、仕事の自由度はかなりありました。(あくまで私が経験した幼稚園役員での話です。園により差はあると思います)
なにより、そのイベントが成功して、子供達が喜んでくれるとやりがいもありますし「頑張って良かった」と素直に思えたものです。
幼稚園役員、初めてやる時は不安でいっぱいなのはみな同じ。
やり遂げた後に「やって良かった」というママさんがほとんどなのも事実です。
そんな私も幼稚園役員やって良かったと思っている一人。
自分を変えたい人、人生の経験値増やしたい人、幼稚園役員ぜひ1度チャレンジしてみてくださいね。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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