子供の発達障害を周囲にカミングアウトすべきかどうか。私自身の経験から考えてみました。

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「子供の発達障害って、周りにカミングアウトしてる?」

以前、次男が通っている療育園のママさん達との懇談中にこのような話題になりました。

次男は現在自閉症スペクトラムの診断名がついています。

療育園のママさんのお子さん達も、程度の差こそはあれ、次男と同じ発達障害を抱えています。

最近では芸能人であっても、発達障害をカミングアウトする人がちらほら出てきていますよね。

成人し、物事の分別がある程度つくようになった段階で本人が自分の障害についてカミングアウトする分には自己責任だと思いますが、発達障害児の親としては子供の特性を周囲に公表することに関しては結構思い悩むものです。

これは親によって意見が大きく分かれるところですが(実際、療育ママさんの間でもカミングアウト賛成派と否定派にきれいにわかれました)、子供が抱える障害をカミングアウトするには「状況」と「相手」を見極めるのが大切だと私自身は考えています。

今回はそんなお話を書いてみます。

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軽度な発達障害ほどカミングアウトに悩む現実

我が家の次男は自閉症スペクトラムの診断名がついているということは先ほども述べましたが、療育手帳ではB2(軽度)の判定となっています。

程度の表記は自治体により異なるかもしれませんが、発達障害の中でも最も軽い判定です。

ですが、軽いと言っても、定型発達児と同じような生活はなかなか難しいのが現実。

次男の場合はこだわりと癇癪がとにかく強いので、物事を進める上で次男なりの順序を踏めなければ、そのフラストレーションが激しい癇癪となってしばらく尾をひきます。

一見「我慢ができないわがままな子」と周囲からは見えてしまうのが、次男の特性においては非常にやっかいなところなのです。

先日も週2で通っているスイミングでこんな騒動がありました。

次男はスイミングで着替える際、更衣室のロッカーはいつも決まった場所を使います。

これはスイミング側から指定されたロッカーとかではなく、次男が勝手に気に入って使っているだけのロッカーなので、空いていれば誰が使おうと自由です。

ところが、その日はそのロッカーに2歳くらいの男の子が出入りして遊んでいました。

(ロッカーは小さな子であれば入れるくらいの大きさです)

スイミング施設に着いて、その日もいつものロッカーを使って着替えができると思っていた次男は、この様子を見てまもなく気分が崩れてしまいました。

大声を上げながら、ロッカーをバンバン叩きまわり、癇癪を起こして大暴れ。

その次男の尋常ではない様子に気づいた男の子のママさんが気を使ってロッカーを譲ってくれましたが、次男の機嫌はその後のスイミングまで引きずってしまい、担当コーチから「今日は何かありました?」と聞かれる始末でした。

この担当コーチには次男の発達障害については伝えてあり、いつも次男の状態に合わせて適切に指導してもらえるので助かっているのですが、次男の場合はこのようにいつもとは違う状況に遭遇した時に「ま、今日は別のロッカーでいっか」で済ませられない強いこだわりがあるのが大きな特徴としてあります。

ですが、これは癇癪の起きていない次男の普段の様子からは全くわかりません。

見た目は定型発達児と何ら変わりのない次男の場合、このような公共の場での癇癪というのは「あの子どうしたの?」「親の躾がなってないんじゃない?」などと思われがちです。

ただ、仮に私がこのような場で「うちの子には発達障害があって…」とカミングアウトしてしまうことも、果たして正しいことなのかどうか…。

このように、子供の障害のカミングアウトについては、軽度であればあるほどそれをするかどうかについて思い悩むものだと私は感じています。

カミングアウトに賛成派の意見

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療育ママさんとお話していた時に、「私はすぐカミングアウトする!」とおっしゃっているママさんがいました。

その方は、どこに行ってもまずは子供の発達障害の事を周囲に話しておくのだそうです。

理由は、「子供の行動に理解を示して貰いやすくなるから」とのことでした。

確かに、我が子の特性について周囲に予め公表しておくことで、子供にとって過ごしやすい環境は整いやすくはなります。

発達障害児の場合、次男のように特定のものに対するこだわりだったり、苦手な物や状況などがはっきりしている場合が多いです。

親にとっても、子供の調子が崩れた時に周囲から不穏な目で見られるという状況を回避できる可能性も高くなります。

「あの子はそういう障害があるから…」という風に。

そういう意味でも、カミングアウトする派のママさんは、子供の障害について周りに公言しておくことに多くのメリットを感じているようでした。

カミングアウトに否定派の意見

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一方、子供の発達障害についてカミングアウトはしない(滅多にしない)というママさんもいました。

理由としては、「カミングアウト後の周りの反応が怖いから」というものが多数でした。

これまで問題なくお付き合いしていた人たちが、カミングアウトのせいで離れていってしまうのではないか。

子供の障害について変に誤解されてしまうのではないか…、などです。

これについても、私は確かに一理あると感じています。

実際、定型発達児しか育てていないママさんにとって、突然癇癪スイッチが入るような発達障害児の場合、正直どう接してよいか分からない部分があると思うんですよね。

発達障害児の場合、言葉の遅れがある子が多いですし、定型発達児の子と同じように意思疎通をはかる事も難しい場合が多いです。

そんな子と我が子が一緒に遊んだりするのに抵抗があると考える保護者がいることも、私は理解できないでもありません。

親である私であっても、次男のいつ起こるか分からない癇癪を毎回どうやって乗り切ろうかと苦労しているのですから。

子供の発達障害についてカミングアウトすることに消極的なママさんにとっては「周囲との関係が疎遠になってしまう」ということを重要視しているように感じました。




カミングアウトは何のためにするものか

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賛成派・否定派の意見をいろいろ聞いていて私が感じたのは、そもそもカミングアウトとは何のためにするものだろうということです。

両意見とも共通している部分は「子供のためでもあり、親のためでもある」というところだと思います。

カミングアウトすることで子供にとっても過ごしやすい環境を周りが意識して作ってくれるメリットがあると同時に、親にとっても「躾のできないダメ親」というレッテル回避ができる。

カミングアウトしなければ、これまで良好なお付き合い関係が出来ていた間柄にヒビが入る可能性もなく、子供も親も孤独になることはない。

ですが、私はこの子供の発達障害のカミングアウトというのは、決して親のためだけにしてはならないものだと感じています。

それは、そこには「うちの子、こんな障害があるから大目に見てね」という親の周囲への甘えが出ているからです。

先日も、次男が電車の中で大暴れした出来事があったのですが(うちの子、暴れてばかりですね 笑)

この時も、次男は彼の中で「電車に乗る=椅子に座る」という流れが出来ているため、満員電車で座席が全く空いていなかった事に癇癪を起こしていました。

大声で「椅子、座るのー!!!」と泣き叫んでいる次男に、私と主人の二人で「今日は椅子が空いていないから座れないの」と話して聞かせても全くののれんに腕押し状態。

地団駄踏んで暴れている次男を見かねて座席を譲ってくれた方もいらっしゃいましたが、多くの方の目線は次男の保護者である私や主人に向いていました

中には「この子、何かの障害かな」と思った乗客の方もいらっしゃったかもしれませんが、私としては「なんで子供を静かにさせられないんだ」という思いが、その視線からヒシヒシと伝わってきていました。

これはありえない話ですが、仮にそこで私が「この子は発達障害がありまして、電車内では必ず椅子に座らないと癇癪を起こすんです」とカミングアウトしたとします。

これは完全に親のためのカミングアウトですよね。

その親にとって針のむしろのような状況を抜け出したいだけのカミングアウトです。

ですが、そのような事をしたからといって、「で?それが何?」と思われるのがオチ。

「そんなの関係ない。電車内で子供を騒がせるな」と多くの方が思うことでしょう。

その上、そのような状況でのカミングアウトは子供にとって何のメリットもありません。

子供の発達障害をカミングアウトする上で大切なのは、それが子供にとってプラスになるようなものかどうかというところだと思っています。

カミングアウトは状況と相手を選んで

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発達障害児にとって環境というのはとても大事なものです。

環境ひとつで癇癪の発生頻度も変わるくらいです。

本人にとって居心地のよい環境を整えてやることは、療育などで子供に応じた対応を行っているところを考えても、発達障害児の発育面で大きく影響してくるものだと感じています。

ですが、これを先の電車の例のように周囲の人全てにお願いできるかというと、私はそうは思わないのです。

私も次男が小さい頃は、次男が癇癪を起こさないようにこちらが配慮することを「甘やかし」だと思っていた時期がありました。

次男にとって都合のよい状況ばかりをこちらが意図的に作ってやることは、次男にとって不測の事態に直面した時の対応力が養われないのではないかと思っていたからです。

ですが、発達障害児の場合、苦手な事に対する感覚が非常に鋭い部分があるんですよね。

人は誰でも不快に感じるものや好きなものはそれぞれ違うものですが、発達障害児の場合はそれが極端な場合が多いです。

定型発達の人であれば「ちょっとやだな」と思うようなことであっても、そう思いつつも場合によっては我慢ができたりしますよね。

ですが、そういう不測の事態に出くわした場合、次男が脂汗を流しながら暴れちらしている様子を見ていると、本人の中でも自分の気持ちに折り合いがつけられないどうしようもない感情が見て取れます。

今では療育で感情のコントロールを練習中の次男ですが、やはり次男の特性を理解してもらった上で次男が落ち着いて過ごせる環境というのを家以外でも持てるというのは次男にとっても大切なことだと感じています。

なので、私は子供の発達障害をカミングアウトする上で「状況」と「相手」を選ぶことは重要だと思うのです。

療育園は入園前にきっちりモニタリングがあり、次男の特性について本当に事細かく質問されました。当然療育園では次男の特性についてはしっかり連絡済みです。(これはカミングアウトとは言いませんが)

ですが、私は療育園以外にも、親しい友人やママ友さん、主人の実家や医療機関などでは次男の発達障害についてカミングアウトしています。

どれも「この人たちなら次男の特性を理解してくれる」と私が判断した方ばかりです。

病院嫌いのお子さんは多いかと思いますが、発達障害児で病院にいけないというお子さんの話もよく聞きます。

が、我が家の場合、初めに次男の発達障害と特性を医師に話しておいたことで、その後もなるべく次男の嫌がる対応を避けてもらえるようになったおかげか、最近では病院自体を全く嫌がらないようになりました。

病院というのは何かあった時にはどうしても行かなければいけないものですし、次男のような子の場合、特に日頃から病院という場所に苦手意識を持たせないようにする親の環境作りというのは大切な気がします。(いざという時に病院で大暴れされると、本当に大変ですので…)

私の実家にカミングアウトしていない理由

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そういうわけで、私は「親の自己都合でない状況」「相手を選んで」次男の発達障害についてカミングアウトしているのですが、私の実家にはこのことは話をしていません。

というのも、私の実家の家族はこのような障害に対する偏見がひどいからです。

そもそも発達障害に対して全く知識がありません。

障害者を馬鹿にするような発言をしていることを子供の頃から見聞きしていましたし、障害者だけでなく、人を学歴でしか見れないようなところが多分にある祖父母でしたので、私も子供の頃は相当嫌な思いをしました。

実は、私は大学を1浪して入学しています。

その浪人時代が非常に過酷でした。

ひたすら勉強に明け暮れていた一年でしたが、当時滑り止めとして受けていた私立大学1校からまさかの不合格通知がきました。

別のもう1校はセンター入試で合格が出ていたので、まだ本命大学の結果が出ていないにも関わらずどうせ落ちるだろうと思われていた私は、母・祖母・祖父から相当冷たい対応をされていました。

まさに「この穀潰しが!」という感じです。

が、その本命大学の合格通知が来たとたん、皆の私への対応が180度以上かわりました。

母も祖母も私へ「おめでとう」の言葉をかける前に、親戚や近所へ私の大学合格の報告行脚。

人の心の貧しさというか、嫌な面を見てしまった一瞬でした。

そんな過去があるので、今もし我が家の次男に発達障害があると私の実家で話すと、おそらく私の実家では次男に対する態度が大きく変わると私はみています。

長男のブタ呼ばわりどころではない、ひどい言葉を祖母などは投げかけてくると思います。

arrow47_004【2016お盆】毒祖母が実家にいるのにそれでも私が毎年帰省する理由。

それがあるので、私は絶対実家では次男の発達障害についてカミングアウトしないと心に決めています。

必要以上に子供たちを傷つけたくないですし。

環境は大切ですから。




まとめ

以上、いつもにも増して長々と書いてきましたが、子供の発達障害をカミングアウトする上で大切なのは「子供にとってそれがプラスになることかどうか」だと考えています。

子供の特性を理解してもらえることで、子供にとって良い環境が整うのであれば、私は大いにカミングアウトすべきだと思います。

ただ、いろいろな考え方を持った人が一緒に生活しているこの社会、必ずしも発達障害について理解を示してくれる人ばかりではないというのは肝に銘じておかなければなりません。

私の実家のように明らかに理解を示せないと思われる人たちに敢えてカミングアウトする必要はないですし、仮にカミングアウトして離れていってしまう人たちがいてもそれはそれでご縁がなかったと思えば済む話です。

人の価値観までこちらが強制はできませんからね。

ですが、好意的に見てくれる人たち、手を差し伸べてくれる人たちというのは必ず存在します。

そういう人たちを大切にしていけば良いだけです。

発達障害に対する認識がもっと普及して、こうやって私や療育ママさんのようにカミングアウトのことで思い悩む事がなくなれば良いのですけど…。

自己紹介で『「僕は発達障害です」→(周囲)「へー。そうなんだ」』みたいな空気の世の中になってくれれば…と思う今日この頃です。

福岡市在住の主婦です。
毒親育ちが発達障害児を育てています。
2016年から ブログ始めました。
人間関係や子育てに関する日々の気づきを、独断と偏見まみれの記事で更新中。
ビュッフェと直売所に頻出します。
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