自閉症スペクトラムの次男がエビリファイ1mgを1ヶ月服用してみて変わったこと。

自閉症スペクトラムで聴覚過敏のある次男が、エビリファイを服用し始めて1ヶ月が過ぎました。

 

薬の特徴や医師との質疑応答については、前回の記事にまとめています。

エビリファイの効果や副作用について。発達障害で聴覚過敏の次男が服用を始めました。

 

では、実際に次男がエビリファイを使い始めてどのような変化があったのか。

 

お子さんへのエビリファイの使用を検討されている方は、一番この部分が気になっていると思います。

 

なので、今回は服薬1日目から4日目までの次男の様子をまとめた上で、1ヶ月が過ぎた現在の様子や副作用の様子についてまとめてみようと思います。

 

前回の記事でも書きましたが、念の為にもう一度。

 

これはあくまで我が家の取り組みの紹介であって、同じような境遇の方にエビリファイの服用をおすすめするための記事ではありません。

 

薬の効果や副作用の感じ方などは個人によってさまざまですし、必ずしもすべての方に次男と同じ投薬量で同じ結果がでるとは限りません。

 

使用を検討されている方は、かならず医師としっかり話し合ってください。

 

「エビリファイってこんな感じなんだ」くらいに捉えていただいて、ひとつの参考として読んでいただければ幸いです。

※次男の場合、一般よりもやや薬が効きやすい体質だと思われますので、その辺も含めて読んでいただければと思います。

 

 

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次男がエビリファイを服用しだしてからの経過

服用1日目

次男の場合、医師との話し合いの結果、毎朝エビリファイ1mgを1日1回服用する方針になりました。

 

この日は朝から機嫌が良く、療育園へもとくに問題なく登園していったのですが…。

 

そんな朝の様子とは裏腹に、その日の降園バスからは泣きながら降りてきました。

 

どうやら園ではずっとお腹が痛かったようで、便意はあるものの出ないという状況が続いていたため、ずっと機嫌が悪かったようです。

 

薬の副作用で「便秘」というのは医師から知らされていなかったものの、ネット検索するとエビリファイの副作用で便秘になったという感想もちらほら見受けられました。

 

薬の影響かしら…

 

と心配にもなりましたが、まだ服用1日目。

 

もともと便はかたい方でしたが、1日1回のお通じはあるタイプの次男が、この日は排便することなく暴れたくりながら就寝しました。聴覚過敏も絶好調でした。

 

服用2日目

この日も朝から「お腹が痛い」と癇癪を爆発させていた次男。

 

何度トイレに行っても出ないイライラと、そこに風邪をひいている長男の咳のダブル効果で、次男は壮絶に荒れ狂っておりました。

 

エビリファイ飲み出して余計に大変になった…(白目)

 

こんなに便が出ないのは薬の影響で間違いない。でも、2週間は飲み続けなければはっきりとした効果は分からない…。

 

そう思った私は、この日からとにかく次男の便秘対策に力を入れるようになりました。

 

毎朝のヨーグルトに加え、ヤクルト400もプラス(笑)

 

ちょうどその頃次男が読んでいた「小学一年生」という学童雑誌に「うんこ特集」というタイムリーな記事がありました。

 

次男もおのれの体調を分かってか、その記事を読むのが好きになり…

 

次男
この食べ物は良いうんこ(になるの)?

 

と食事中に何度も聞いてくるように。

 

良いうんこになる食材は積極的に食べようとする姿勢がみられるようになりました。

 

結果、何が効いたのか分かりませんが、次男の便秘は徐々に解消し、以後スムーズなお通じを維持できています。

 

エビリファイの影響のような気もするし、単なる体調不良のような気もするのですが。

 

ちなみに、医師曰く…

 

担当医
エビリファイで便秘という副作用は聞いたことありません

 

とのことでした。

 

そしてこの日から、次男は日中やたら眠たそうにする様子が出てきました。

 

休日でしたが、午前中に1回・午後に1回、それぞれ30分程度の昼寝をしました。

 

休みの日に昼寝するなんて、幼稚園に通いだして以来まったくなかったのでここでもエビリファイの「眠気」という副作用を実感しました。

 

 

服用3日目

次男、この日から「きつい」と言うことが増えてきました。

 

おそらく眠気からの倦怠感だったと思いますが、そのせいか一日通しておとなしく過ごすように。

 

薬の影響でぼーっとして大人しいだけでは?

 

と不安になりましたが、その不安を払拭するように相変わらず咳やくしゃみの音で大暴れしていました。

 

ただ、この日を境に次男の様子に明らかな変化が出てきます。

 

ちょうどこの日は長男の小学校の運動会だったのですが、お昼休憩で体育館を利用した際、次男は走り回ることなく落ちついて過ごせました。

 

長男のバスケの習い事で小学校の体育館にはよく行くのですが、以前は体育館に入った時点で「満を持して解き放たれた闘牛」のように体育館内を手をパチパチ叩きながら走り回っていた次男。

 

そのような様子がまったく見られませんでした。

 

次男は、負の感情だけでなく、楽しい時もそれが高じすぎてしまった場合に多動という形で暴走してしまいます。

 

エビリファイの副作用の影響で体がきつかっただけかも…とも思いましたが、飲み続けて1ヶ月が過ぎた今でも、次男の多動はかなりおさまってきています

 

興奮した時に、手をパチパチ叩き続けるという動作は今ではほぼ無くなっています

 

 

服用4日目

この日以降、「きつい」と言うことはなくなりました。

 

様子も、エビリファイを服用する前とほとんど変わらなくなり、朝の登園前の支度も自らご機嫌でやるようになりました。

 

何より、咳・くしゃみに反応しにくくなったのに驚きました。

 

完全に反応しないわけではなく、外出先での状況(人の多さや次男自身の精神状態)によっては咳・くしゃみで「うわ~」となることはありましたが、その頻度が減りました

 

次男のおかげで私まで他人の咳やくしゃみに敏感になってしまい…

 

あれ?今あの人が咳したけど(次男は)聞こえなかったのかな?

 

と思うことも増えました。

 

ただ、眠気にかんしては服用後2週間くらいは続いていたように思います。

 

療育園の帰りのバスの中で寝たりすることはほとんどなかった次男ですが、この頃は毎日寝ながら帰ってきていました。

 

 

食欲増進にかんしてはどうだったのか

エビリファイのもうひとつの副作用として、食欲増進というのがあります。

 

少食次男の場合、むしろ食欲増進してもらえれば…という期待すらあったのですが、ここにかんしては1ヶ月過ぎた今でもさほど変わっていません。相変わらず少食です。

 

ただ、「なんか食べたい~」ということは増えたので、口さみしい感覚があるのかなと見ています。

 

ちょこちょこ何かを口にしてはいるのですが、もともと一度にたくさん食べるタイプではないので、ちょこっと食べては「おなかいっぱい~」と腹をさすっています。

 

なので、これがもともと大食漢だったお子さんの場合、いつも何かを口にしていたい状況になると、やはり太りやすくはなるのだろうな…と感じます。

 

エビリファイを服用する前までは「なんか食べたい」などと言うことはなかったので、これも薬の影響か?と私は思っています。

 

 

エビリファイ服用1ヶ月が経過して変わったこと

多動が減った

もともと聴覚過敏対策として飲み始めたエビリファイですが、次男にとってもっとも効果があったのが「多動」という面です。

 

人が多い場所・だだっ広い場所…などでテンションが上がりすぎて走り回るなどの行為が、服用しだしてから激減しました。

 

手をパチパチ叩く行為が減った

多動に伴って、次男は手をパチパチ叩くという行為も以前はありました。

 

が、これもかなり頻度が減りました。

 

楽しくなり過ぎてパチパチしてしまう事は今でもたまにはあるのですが、少なくとも家の中ではまったくなくなりました

 

以前は、家の中でも20~30分叩き続けている事などザラだったのですが、今は外出先で数回叩くことがあるかな?くらいの頻度です。

 

 

奇声も減った

手を叩くのに合わせて奇声も発していた次男。

 

次男的には喜びの雄叫びといった感じだったと思いますが、これが減りました。

 

ただ、今でも思い通りにいかなかった時・イヤな音がした時には「うわ~!」と叫ぶことはあります。

 

その時は「叫ばずにどうしたいか(どうだったのか)言う」ということを繰り返し伝えています。

 

 

会話でのやり取りが増えた

落ちついて過ごせることが増えてきたので、会話でのやり取りが増えました

 

先述したように叫んだ時も、こちらが諭すと…

 

次男
お咳(の音)がイヤだったと(←博多弁)

 

などと言えるように。

 

また…

 

次男
今、何の音した???

 

など、音源を確認してくるようにもなりました。

 

出処不明の音に対して不安感を持ちやすいようなので、「これは何の音」などと説明してやると落ち着ける場面も増えてきました。

 

 

咳・くしゃみに反応しにくくなった

完璧ではないのですが、場合によっては咳・くしゃみの音に反応しない時もみられるようになってきました。

 

服用して1ヶ月を過ぎましたが、昨日はイオンに買い物に行っても他人の咳・くしゃみでまったく崩れることなく過ごせました(私もかなり敏感になってきたので、「あ!今くしゃみした!」などとチェックしながら過ごす癖がついてしまいました 笑)

 

ただ、繰り返しますがこれも完全に反応しなくなったわけではありません。

 

こういう平穏な日もあれば、やはり咳・くしゃみで崩れることはまだまだあります。

 

ただ、そうなっても気持ちの切り替えは早くなったかな…という感じはします。

 

 

笑顔が増えた(担任談)

服用を始めてから、療育園での様子もより細かく教えてもらうようにしているのですが、担任曰く「笑顔が増えた」とのことでした。

 

以前は、常に緊張しているような様子も感じられていたそうですが、表情がやわらかくなってきたとのこと。

 

精神的にリラックスして過ごせる時間が増えてきているのかなという印象を受けました。

 

 

他人へ関心が向くようになった

この辺はエビリファイ関係ない話なのかもしれませんが(笑)

 

服用を始めてからちょうど同時期くらいに、次男は他人へ関心が向くようになりました。

 

特に同年代の子どもと一緒に遊びたがるようになり、初対面の子であっても…

 

次男
一緒に遊びたい…

 

と私に言ってくるように。

 

一緒に遊ぼうって言ってきたら?

 

と私が言うと、次男が自らその子を遊びに誘う様子が見られるようになりました。

 

他人への関心という点にかんしては皆無だった次男のこの変化は、私としてはすごく嬉しかったです。

 

一緒について走ったり、相手の子の真似をしてみたり。

 

たまたま薬の服用時期と重なっただけかもしれませんが、精神的に落ちついて過ごせる中で、他者との関わりの楽しさを学んでくれたらと願っています。

 

 

今後の服用予定と医師からの話

エビリファイを服用して1ヶ月の頃に、次男の様子について医師と話をする機会がありました。

 

正直、医師としては1mgでそこまでの変化は期待していなかったのだそう。

 

目立った副作用はあらわれずに、薬の良い面だけが効いている様子に医師も喜んでくれていました。

 

医師としては、初見の様子で次男には後々にADHD用の薬の服用も検討していたようですが、今回のエビリファイの効き目から…

 

担当医
次男くんの場合、しばらくエビリファイ1mgで様子をみましょう

 

とのお話がありました。

 

私もむやみに服薬量は増やしたくなかったですし、今でも十分良い傾向は出てきているので(もちろん大変な時もありますが)当面このまま服薬を続けていこうと考えています。

 

ただ、医師からは…

 

■薬だけでどうにかしようと思うのはよくない
■環境調整・療育を行った上で、薬は補佐的な要素と捉える

 

という話もありました。

 

私も同意見で、次男のような子を薬だけでどうにかしようなどとは微塵も思っていません。

 

聴覚過敏という本人にとってどうしようもない不快感に対して薬の力を借りることで、日常生活を落ちついて過ごすことができ、それでこそ本人への周囲からの働きかけも正しく効果がでると思っています。

 

エビリファイもいつまで続けるかは分かりませんが…。

 

次男なりに音との付き合い方ができるようになるまで、親として一緒に手探りで進んでいけたらと思っています。

 

 

 

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