「いよいよ離婚するかもしれない」
もう2年近く別居中のいとこ夫婦がついに離婚しそうという話を先日聞きました。
別居の発端は夫の「金銭問題」。
お金の切れ目は縁の切れ目…とは良くいったもので、結婚当初は「○○さん(ご主人)が一緒にいてくれるだけでいい」と言っていた奥さんですが、今では子供を連れて実家に帰ってしまっています。
平成24年度の司法統計によると、男女共に離婚原因のトップは「性格の不一致」となっていますが、女性は3位に「生活費を渡さない」というのがランクインしています。
夫婦生活を送る上で避けて通れないのがお金の問題です。
以前給料を教えない夫の話を書きましたが、この夫婦も両者から話を聞いていると、この大事なお金の問題の捉え方に二人の間で相違があったことが夫婦間に亀裂が入った発端だったようです。
好きあって結婚したにも関わらず「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないために、恋人期間に互いの金銭感覚が良く分かるベストな方法について考えてみます。
夫婦が別居に至った金銭問題とは
この夫婦、以前は夫が自営業を営んでいました。
ところが、夫は会社の経営状態を妻と共有することもなく、毎月の生活費も夫が一方的に決めた金額を妻に渡していたのだそう。
妻は夫の月の収入も知らされずに、渡されたお金だけで生活をやりくりしていたそうです。
ただ、妻も別で仕事をしていたため、夫の渡す生活費だけで生活をしていたのかどうかまでは私はわかりません。
ただ、夫の仕事が金銭的に行き詰まり、夫は妻に内緒でさまざまな方面から借金をするようになりました。
妻がこれに気付いた時には、会社の経営状態は火の車。
倒産を余儀なくされたのですが、それ以来、妻は夫にたいして不信感を抱くようになったといつか私に話していました。
何を言われても信じられない、「また嘘をついているんじゃないだろうか」と夫にたいして常に疑心暗鬼だったといいます。
それもそのはず、妻は日頃から夫の仕事の手伝いをしようと、自分が出来そうな経理を担当させてもらえないか話を持ちかけたのですが、夫は断固として拒否していたのだそうです。
夫としては傾いた経営状態で妻を心配させたくなかったという気持ちもあるのでしょうが、妻としては「なぜあの時相談してくれなかったの!?」という気持ちになるのは当然とも言えます。
お金にたいする夫婦の捉え方が別居の引き金になってしまったです。
別居していても夫婦には生活保持義務がある
現在、この夫は会社員として働いていますが、給料の全額を口座に入れ、妻はそこからカードで引き落としができるようにしているそうです。
実家にいるとはいえ、子供の教育費のこともあるでしょうし、そういった意味で夫の給料をいつでも二人で使えるような体制にしているようなのですが、この給料を妻が全額引き出してしまうんだそう。
夫は自分の生活費もなく、数週間まともに食事もできずに耐え忍んでいたとのこと。
妻としては借金をこしらえた夫への恨みからこのような凶行に走っているような気もしないでもないのですが、これはますます泥沼化すると私は感じました。
夫婦は例え別居していても「生活保持義務」というのがあります。
夫婦相互の場合の扶養義務と未成熟子に対する親の扶養義務を生活保持義務といい,その他の親族間の扶養義務を生活扶助義務といっている。生活保持義務はまさに夫婦であるそのことによって,または未成熟子に対する親であるそのことによって成立するもので,これらの場合には扶養をすることが夫婦たり,未成熟子に対する親たるの本来のあり方を保持するゆえんであるとされる。…
出典:コトバンクより
夫婦には生活に関わる互いの費用(教育費なども含む)を分担する必要があるのです。
この妻の行為というのは生活保持義務に触れるもので、このような状態が続けば、夫は婚姻費用分担の調停を申し立てることもできます。
ただ、実際そこまでするかどうかは個人の考えによるので、別居前の時もそうでしたが、ここでも夫婦間のお金にたいする相互理解ができていない点が大問題だと思います。
(夫よ、なぜ先に給料から自分の生活費をおろしておかない…と私は率直に思うのですが)
金銭問題と性格の不一致は同類か
こうやって事の成り行きをみていると、金銭感覚の違いが性格の不一致に直結するように思えます。
この夫の両親も自営業をしており、彼の父も妻には仕事の詳細(収支など)を話さない人だったそうです。
そのような家庭で育っているため、「妻に仕事のことを話さない」というスタンスは自然と受け継がれていたものだったのでしょう。
ですが、父と息子の両者の決定的な違いは、経営管理の方法にありました。
父は数字に明るく、きっちり収支管理などをしている人だったそうです。
(ただ、これって自営業なら基本のことだとも思うのですがね)
一方、息子はというと、事業の収支報告書さえつけていないような状態で、莫大な借金が判明した時も、一体誰にどれだけ借りているのかさえ不明瞭な状態だったんだそう。
この夫には経営者としての素質がなかったと思える反面、人当たりはすごく良く、優しく柔和な人です。
それゆえ、その優しさに漬け込まれて事業で人に騙されてしまった結果の借金もあるそうですが、そんな窮地に陥っても身近な妻に相談できなかったというのは、私は育った環境が影響している部分が大きいような気もします。
頑張り過ぎてしまったのでしょうかね。
このようにもともと持っている金銭感覚というものが、結婚後に「性格の不一致」として現れてくるケースは少なくないと思います。
性格の不一致はなぜ結婚後にしか分からないのか
恋人期間というのは、お互い趣味が合い「気が合う」と思った末に結婚に至るのが一般的なのではないでしょうか。
デートの際も「今日は俺が出すから」「今度は私ね」でお金の問題も済んでしまいます。
付き合っている間というのは、生活に関わる具体的なお金の問題というのは表面化することがないものです。
しかも、付き合っている間というのは、お互い多少の猫はかぶるもの(笑)
実はすごくケチな性格なのに、恋人の間は無理して羽振りの良い振りをする男性など意外と多いのでは?
でも、これが結婚後となると、お金の問題は二人で共同生活をする上で避けては通れないものになります。
あれだけ好きだったのに、結婚した途端「こんな一面があったなんて…」と、お付き合い期間には見えなかった部分がチラホラ出てくるものです。
それをお互い上手く受け流せるところはスルーすれば問題ないのですが、お金だけはそうもいきません。
借金などはそのトラブルの最たるもので、家族全てに迷惑がかかってしまいます。
将来の家族計画なども借金のために全てが予定変更になってしまったり…。
それゆえ、結婚する前に相手の金銭感覚というのはしっかり把握しておく必要があるのです。
相手の金銭感覚を知るには同棲が一番
私たち夫婦もそうなのですが、結婚前は同棲をしていました。
約6年くらいですかね。付き合ってすぐだったと思います(笑)
一緒に暮らすことで楽しいこともあれば喧嘩することもありますが、同棲して一番良かったと思うのはお互いの金銭感覚が確認できた事です。
主人が金銭の収支にしっかりしている方なので、同棲時代から二人の生活費にかんしてはきっちり取り決めてやっていました。
二人の共同財布というのを用意して、二人の給料の中からいくらかずつを生活費としてその財布に入れてやりくりしていました。
結婚が決まった段階では、私の給料をまるまる貯金して主人の給料だけで生活していたことも。
夫婦でお互いの収支をはっきり確認し合っていたのでできたことですし、主人の几帳面な部分も付き合っていただけでは見えてこなかった部分です。
同棲というと年配世代には「ふしだらな!」と言われてしまいそうな響きですが、結婚後の生活の予行練習と考えればメリットは大きいと思います。
結婚後のお金の問題というのは必ず夫婦なら何らかの形で直面する問題です。
互いの金銭感覚をしっかり知った上で結婚することが、夫婦関係を円満に維持できる一つの方法だと思っています。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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