小保方晴子さんがSTAP細胞問題に関する手記を出版したとのことで話題になっていますね。
彼女といえば、当初はSTAP細胞という世紀の大発見をしたということで「リケジョの星」だとかさんざんもてはやされておきながら、論文不正問題が発覚してからの急ピッチでの転落ぶりに一躍話題となりました。
恩師である笹井さんの自殺や理研の依願退職など、彼女にとっては激動の数年間を過ごしていましたが、一部では「これだけメディアや世間から叩かれている小保方さんは笹井さんのような運命をたどるのではないか」と心配する声もありました。
が、2016年、ここへきてのまさかの手記出版。
STAP細胞の再現ではなく本の執筆活動に勤(いそ)しんでいたのか…と意表を突かれた感はありましたが、私は今回のこの件で小保方さんのメンタルの強さに改めて注目しています。
あれだけのバッシングがあった中で、会見などではなく収益を伴う出版という形で今になって自分の思いを発信するというやり方には、相当のたくましさを感じます。
このたくましさ、我が子にも見習わせたい。
(やっている事が良いか悪いかは別ですよ)
彼女のような人生最大のピンチともいえる事態に直面した時に、最も選んではいけない道は自ら命を絶つことです。
我が子にはたとえ今後どのような試練が訪れても、そのような選択はして欲しくない。
そこで今回は、子供が将来たくましく生き抜いていけるような「子供のメンタルを強くする接し方」について5つ考えてみました。
自分の子供時代の親との関わりから、私が個人的に大切だと思ったものを厳選しています。
これを実践して我が子がどう育つかはわからないけれど…。期待を込めてという部分と、子供の教育上悪いことではないという思いがあるので、こちらで書かせていただきたいと思います。
1.挫折を経験する
人生において挫折を経験したことがないという人は稀だと思います。
みな大なり小なり辛い経験・思い通りにいかない経験をしながら生きているはず。
こういう経験は、小さい頃にたくさんしているほど将来の大きな挫折に対する耐性ができるように感じます。
「たくさん練習したのに試合で負けた」
「勉強したのにテストの点が悪かった」
「仲の良かった友達と喧嘩してしまった」
これらは挫折と呼ぶには些細なものかもしれませんが、こういった小さな挫折を乗り越えた経験が、将来大きな挫折をした時の心の支えになると思うのです。
アインシュタインの名言にこのようなものもあります。
「挫折を経験したことが無い者は、何も新しい事に挑戦したことが無いということだ」
2.自分の行動に責任を持たせる
周りにもいませんか?己の否を認めず、人のせいばかりにする人。
私もかつてはこういう人間でしたので、こういった人たちの心理はよく分かります。
自分に自信がないからなんですよね。
自分の中に失敗の原因を認めてしまえば「誰かにせめられるんじゃないだろうか」「相手が優位にたってしまうんじゃないだろうか」と思えてしまう。
人のせいにすることでしか、自分のメンタルを維持できない人になってしまうんです。
そうすると、自分の中で失敗の原因を見いだせないから前進もできない。周囲にはやっかいな人だと思われて社会に適応できなくなり、どこへ行っても上手くいかない人になってしまいます。
そうならないためにも、小さい頃から自分がした事に対する責任はきちんと持たせるべきです。
そのためには、子供自身が自分で考えて行動する癖をつけてあげなければいけないと思っています。
私は、幼少時代、自分の意思はほとんど尊重されなかったので、母に言われたことだけをするような生活を送っていました。
そうすると、何か問題が起こった時にどうしても母のせいにしてしまうし、自分で物事を決められない優柔不断な性格になるんですよね。
「反省する」という行為は、自分で選んだ道だからこそできるのだと思います。
3.失敗を責めない
失敗を責められると失敗することを恐れるようになります。
そうなると、人は自然と失敗しそうにない無難な選択をするようになる。
ただ、人生チャレンジしなければならない時って絶対あります。
受験とかそうですよね。滑り止めだと思っていた学校であっても不合格になる事だってある。
失敗は避けようと思えばある程度は避けれるものかもしれませんが、予期せぬ場合というのはあるものです。
その時に、失敗から逃げ回っていた人は気持ちの立て直しが困難になる場合があります。
失敗は人生につきもの。
「失敗しても次頑張ればいいや」と思える精神を作るには、子供時代の「失敗を責められなかった経験」が糧になるのです。
子供が何かで失敗しても、親はその改善法や原因の見つけ方を一緒に考えてあげるようにすべきだと思います。
ヘンリー・フォード(自動車会社フォード・モーターの創設者)の名言もとても響きます。
“The only real mistake is the one from which we learn nothing.”
「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」
4.プロセス(過程)を褒めるようにする
以前も記事に書きましたが、子供を褒めてやる場合は、その頑張った過程を褒めてやることが大切だと思います。
そうすることで、たとえ子供が失敗を経験した後でも、子供の落ち込みを少なくしてやることができます。
「よく頑張ったね」は、結果が出た時も出なかった時も両方使える素敵な言葉です。
過程を人から尊重してもらえることで「努力することの大切さ」を学べば、人はまた前に進んでいけます。
結果重視の褒め方をしていると、思っていた結果が得られなかった場合の気持ちの立て直しが難しい人間になってしまうので注意が必要です。
5.自分への自信を持たせてあげる
人間、自分に自信があれば生きていけます。
趣味に生きる、仕事に生きる、子育てに生きる…自分が夢中になれるものならなんでも良いです。そうやって生きていくことが自信につながります。
挫折を乗り越えた経験は自信になり、自分が選んできた道を進めばそれも自信になる。
失敗しても認めてもらえた経験や、自分の努力の過程を尊重してもらえた経験もすべて自信につながるのです。
子どもにはこの自信の積み重ねの経験を親が積極的にしてあげるべきです。
私は母や祖母からどっちかと言えば自信を失わされるような経験ばかりをしてきたので、この点は我が子と接する上で一番気をつけているところです。
未だに祖母は、帰省した時など大した理由もないのに長男に「お前より弟(次男)の方が好き」などと言うので、私はその度に祖母を叱ります。余計なことを言うな、と。
なんの考えもなしに言った一言が、その後どれくらい言われた方の人生に尾を引くのかと考えた時に、やはり自尊心は一番傷つけてはいけないものだと思うからです。
自信があればなんでもできる。自信=メンタルの強さです。
小保方さんは、あの騒動から数年後の今、手記を出してまで訴えたいと思えるほどの何かが彼女の中にあるのでしょう。
自分は間違ってないという自信なのかもしれませんが、そうだとしたらやはりSTAP細胞は再現して欲しかったと思う私です。
我が子に小保方さんのようになって欲しいとは思いませんが、あのタフさは子どもにだけでなく私自身の中にも欲しいと思う今日この頃です。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
コメント