金銭問題で離婚危機にあるという夫婦の話を以前書きました。
金銭問題で離婚しないために結婚前にカップルでやっておきたい事とは?
夫婦は現在も別居はしていますが、離婚にまでは至っていない状態です。
そんないとこ夫婦と先日会う機会があったのですが、私はその夫をみていてずーっとある事を考えていました。
それは、借金を繰り返す夫の特徴についてです。
その夫は現在きちんと会社勤めをし、それなりに給料も得ているようで、もう現在は借金をこさえていないだろうとは思いますが、「もう絶対借金してないよね?!」と言い切れない何かをその夫から感じました。
というのも、我が家も実はその夫婦(正確には夫)にお金を貸しています。
その夫が事業を展開している当時に貸しました。
新車の軽自動車が1台余裕で買えるくらいの金額ですが、その当時から月日は経過し、先日会った時にはその借金について何も触れてくることはありませんでした。
ま、奥さんがいたからかもしれませんが、私としては「もうちょっと待っててね」とか「いついつまでにお金は返せそう」とか、アバウトでも良いのでその夫からそういう話があるかと期待していたのです。
我が家もお金を貸した以上は戻ってこないかもしれないという腹づもりではいますが、そうは言っても金額も金額ですしね。
現在の勤め先では売上も伸ばしているようで(営業職)、「あの契約が1件決まれば年収が何百万増える」とかいう話はしているのに、なぜ我が家への返済は滞っているのか私としては非常に気になるところ。
確かに、お金の借り先が我が家だけでないため、身内の我が家への返済が後回しになっている可能性も否定できませんが、そんないとこ夫をみていて「だから倒産するまで借金を繰り返してしまったんだなー」と思う節があったので、今日はその辺をまとめてみようと思います。
仕事に熱心になりすぎる
この夫(夫と書き続けるのが大変なのでAとします)は、その言動をみていて「仕事に夢中になりすぎる」という印象を持ちました。
現在の仕事もそうなのですが、朝も6時くらいには会社に行き、夜は2時くらいまで仕事をしているのだそう。
「もう会社に住み込んだ方がよくない?」という生活スタイルを維持しているAですが、実は奥さんとの別居を提案したのもこのAからなのだそうです(奥さんの証言による)
「借金返済のために仕事に集中したいから」というのがその理由だったようですが、こういう仕事に一途になりすぎる夫というのは少々危険な感じがします。
過労などの身体面が心配なのももちろんなのですが、あまりに仕事に熱くなってしまうと、今の自分の状況を冷静に客観視できなくなると思うのです。
本当にそこまで残業しなければできない仕事なのか。
もう少し効率的に仕事を回せないのか。
仕事の進め方というのは人それぞれ個性のでる部分でしょうが、もう少し自分の状況を俯瞰できないと、それが悪い状況に陥った時に抜け出せなくなる可能性はあると思います。
現に、Aは自営業を営んでいた頃、悪いお客さんにつかまったがために収入を得られないまま支払いばかりが募ってしまい、その運転資金を回すために借金を繰り返していました。
当時のAの口癖は「この支払いを終えると売上が入ってくるから」でした。
第三者の私が見ても、まずはお客さんから売上金を回収することが先決ではないかと思える状況ですが、当時は業者から支払いを催促され、お客さんからは無理を言われるという悪循環の中、Aは冷静に事態を把握できなくなっていたのではないかと考えられます。
未払いの売上金を回収するには、支払督促や少額訴訟など相手方の状況によりさまざまな方法があります。
Aも経営者であったならこのような方法を知らなかったはずはないのですが、「とにかくどうにかしなければ!」と焦った結果、状況分析が上手くできなかったのは、やはり物事に熱中しすぎるという性分が悪い方向に働いた結果なのではないかと思わずにはいられません。
基本的にはやさしい
Aは学生時代から友人も多く、非常に人望がありました。
穏やかな性格で感じが良く、物腰が柔らかいのも特徴です。
この性格は人と接することの多い仕事では有利になる反面、先述したように悪いお客などにはそこをつけ込まれる可能性が大いにあります。
実際、倒産するまで借金が増えてしまったのもある悪いお客に目を付けられたのが原因だったようですが、無理を言われるとそれに従ってしまうような心の弱い部分もあったのだと思います。
そういう意味ではやさしさは時として優柔不断とも言い換える事ができるのかもしれません。
ただ友人として、夫として接する分にはやさしい人柄というのは魅力になりえますが、経営者の素質としてはやさしいだけではダメな場合も多いはずです。
「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」
京セラ創始者の稲盛和夫の名言ですが、自分の信念を守るため、会社を守るためには、周りからは非情に見える行動に出られる決断力も経営者には必要だと思います。
自営業者にとってお客様は最も大事な存在でしょうけどね。
嘘をつく
これは借金を繰り返す人に最も当てはまる特徴ではないでしょうか。
借金をする人は、次第に借金を返すために借金をするようになり、新たなお金を借りるためにさまざまな嘘をつき始めます。
Aもそうでした。
まずは配偶者である奥さんに嘘をつき始めます。
会社の経営が火の車状態なのに奥さんにはそんな素振りもみせない。もちろん借金があることなど言わない。
「仕事のことは自分ひとりでどうにかしたい」という熱心すぎる性格と、奥さんを心配させたくないというやさしさから借金の存在を隠していたのかもしれませんが、夫からの嘘は妻としては最も傷つく事のひとつです。
そして、借金を申し入れる相手にもさまざまな嘘をついてお金を借りようとし始めます。
先述したように「来月お金が入ったら返せるから」などと理由を言ってお金を借りていったものの、我が家が貸したお金は未だ戻ってきてはいません。
そんなAですから、現在会社勤めをしていて売上も順調だという話を聞いていても、どこかで「その話どこまでほんと?」と疑ってしまっている私がいます。
このAのようなタイプの人は、得てして自分の良い部分しかみせようとしないので、実際Aの両親もAの借金が膨大に膨れ上がるまでAから良い話ばかり聞いていたので、なかなか借金の存在に気付けなかったと言います。
この手のタイプの人は「お金を貸して欲しい…」と言ってくるようになった頃には、かなりの借金があるという危険信号と認識しておいた方が良いかもしれません。
細かいことを気にしない
借金を繰り返してしまう人というのは、多くの人がお金にルーズです。
金銭の収支管理がまったくできていないという場合が多々あります。
Aも同様で、自営業を営んでいたにも関わらず、事業の収支報告をまったくつけていませんでした。
現在家計簿を付け続けて9年目になる私としては、会社の収支を記録していないこと自体が驚愕なのですが、Aはもともとお金に関しては無頓着な面もありました。
給料を妻に内緒にする夫が増加中?!その理由と理想の家計管理について考えました。
学生時代はバイトなどで収入があれば好きな洋服をたくさん買っては、着なかったものをすぐ人にあげてしまったり。
計画性が感じられない一面も多々見られていましたが、やはり経営者となるとそれでは厳しいです。
手っ取り早く資金を得る方法として安易に借金に手をだしてしまい、その結果会社の経営が傾いてしまいました。
やはり小規模の個人事業主であっても、自分で事業を展開する以上は収支の管理をきっちりできる人物であるということが重要です。
それができない人は起業すべきでないと思います。
夫婦間のコミュニケーションを確保することが大切
では、夫が借金を繰り返さないためには何が必要か。
これまで述べてきた内容からすると、借金にハマってしまう人は個人のもともとの資質による部分も大きいのですが、夫婦間のコミュニケーションが取れていないことも原因の一端ではないかと考えています。
Aのように自分ひとりで仕事は回したいからと、配偶者にはまったく相談せずに事業の運営をやってしまう夫も少なくないようですが、私は個人事業主だからこそ夫婦で協力しながら経営していく事が大切だと思っています。
もし夫が間違った方向に進もうとしているなら、それを止められるのはまずは配偶者である妻です。
夫ひとりでは見えなかった現実も、側で妻が見守り提言する事で開けてくることがあると思います。
Aも早めに奥さんに相談していれば、借金ももしかしたら会社をたたむまでの状況には陥ってなかったのかもしれません。
妻を心配させたくないと借金に借金を重ねた結果、傷口がどんどん深くなり、最終的には心配させたくなかった妻を失望させる結果を招くことにもなるのです。A夫婦のように。
借金が原因で失うものは本当に多いと思います。
財産もそうですが、信頼や家族など、その影響力はA夫婦をみていて想像以上だと感じています。
「夫婦であっても金銭のこと全てをオープンにはしない」という夫婦も知っていますが、自営業であれば特に、安定した家庭環境を望むのであれば、資産・資金のことは夫婦の共通認識として持っておくべきではないでしょうか。
「でも借金が多すぎて妻に言い出せない…」「夫の会社が大変そうだけど何も言わないし…」など悩みがあっても相手に直接問いただせない場合は、債務整理などの無料相談を受け付けている法律事務所などを利用するのも手です。
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大抵の法律相談事務所が、「家族内秘密厳守」「24時間365日受付」「初期費用0円」でメール相談から受け付けているので、気軽に利用できると思います。
お金の切れ目は縁の切れ目というのは本当です。
A夫婦とは今後も仲良く付き合っていきたいのだけど(子供同士の年齢も近いし仲良しですし)、そうできるようにAにはもう少しいろんな意味で頑張りすぎずに頑張ってもらいたいなーと思う今日このごろです。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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