「同棲」って言葉にどのような感情を抱きますか?
団塊世代の方なら「結婚もしていない男女が一緒に住むなんてふしだらな…」と思う場合も多いかもしれませんね。
ですが、国の調査でも婚姻関係にない男女の同棲世帯というのは年々増加傾向にあることが分かっています。
年度 | 2000年 | 2005年 | 2010年 |
世帯数 | 174,025 | 246,679 | 303,107 |
出典:総務省統計局 非親族の男女の同居者数-全国(2000年、2005年、2010年)
統計は0~85歳までを対象にしているため、「結婚前の男女が同居する」という意味での同棲とはちょっと違った世帯も含まれた上での総世帯数にはなっていますが、それでも統計をじっくりみてみると20~40代くらいの世代の世帯が圧倒的に多くなっています。
年間の婚姻件数と見比べると、結婚を見据えての同棲をする方はそれほど多くないのかもしれませんが、それでも半同棲状態にあるようなカップルもいることを想定すると、結婚前に同棲(または半同棲)するカップルは年々増えている可能性が考えられます。
出典:総務省統計局 第2章 人口・世帯 2-17 より
私も同棲経験があることは以前お話しましたが、同棲は結婚を前提として行う分にはとても意味のあるものだと思いますが、決して勢いだけでしてはならないものだとも思っています。
巷では「同棲のメリット・デメリット」なる情報が溢れている中、私は本来同棲はそのような基準で測れるものではなく、大切なのは「何のために同棲するのか」という明確な目標を二人が持つことだと思っています。
同棲により相手の本性が見えてくるのは間違いない
婚姻期間は恋人期間と何が違うのか。
それは日常生活の多くを共にするという点です。
恋人期間というのは、週末だったり、お互い仕事が終わったり学校が終わったりした後の夕方以降から会ったりと、一日の大半をともに過ごすことはそれほど多くないと思います。
女性だと、恋人と会う日はおしゃれもするし、いつも以上に可愛く綺麗に彼氏に見てもらえるように努力もするはず。
男性もそうかもしれませんね。
毎日会えないからこそ織姫彦星効果でドキドキときめくものですし、相手の良いところばかりが見えています。
ですが、これが一緒に住むとなると自体は一変。
男「え?!本気のすっぴんてこんなにヤバかったの?」
と、いつも寝化粧をしている彼女なら、彼氏についうっかりどすっぴんを見られて引かれる可能性もありますし…
女「なんかいつもグータラしててダサく見えてきた…」
などと、家でゴロゴロしているだけで彼女から幻滅される可能性もあります。
ですがね、私が思うに、このお互いの真の正体を知ることが同棲の一番の目的だと思うのです。
家というのは本来もっとも自分らしくいられる場所。
生活を共にする上で、自分を偽って暮らしていくというのは人間誰しも不可能です。
いくら好きあって付き合っている相手であっても、所詮自分とは違う他人ですから、性格の合う部分合わない部分というのは必ず出てきます。
そこを受け入れられるかどうか、お互い妥協できる範囲内かを結婚前に見極められるのが同棲の大きなメリットだと思うのです。
離婚原因の1位は男女共に「性格の不一致」です。
良く言われる「同棲すると別れる時に大変」というものがありますが、絶対結婚後に別れる方が大変ですよ。財産分与・子供がいれば親権問題など…。
「同棲した結果別れた場合に、結婚までの期間を無駄にしてしまう」なんてのも、いずれ離婚となるような相手と結婚しないで済んだと考えれば、その同棲は決して無駄な期間ではないはずです。
同棲は相手の本当の部分が見えてくるので、今まで述べてきたように相手の嫌な面も発見したりする場面も多くなりますが、一方それを受け入れ理解し合えれば、恋人期間では得られなかった信頼関係が築けます。
私が実際そうで、今では自分の本来の家族(実家)と過ごすよりも、主人や子供達のいる家で過ごす方が断然自分らしくいられます。
相手の本性が見えてくるというのはメリットともデメリットともなり得る所以がここにあります。
生活費を抑えられるメリットは大きい
二人で住めば家賃も半分、食費も一人前作って材料余らせるよりかは、二人で自炊した方が経済的です。
夫婦の金銭問題の話でも書きましたが、私は結婚が決まってからは、自分の給料を全て貯金に回して生活していました。
金銭問題で離婚しないために結婚前にカップルでやっておきたい事とは?
二人で目標を立てれば貯金額も大幅アップできますし、結婚資金もたまりやすくなります。
そしてなにより、同棲することにより相手の金銭感覚が手に取るように分かるようになります。
「自分の給料はまったく公開しない彼氏」
「実はギャンブル狂で金遣いが荒かった彼氏」
「気前が良いと思っていたら案外ケチだと判明した彼氏」
などなど、お金に関しての意外な一面というのは必ず出てきます。
私の学生時代の友人の話ですが、半同棲状態だった彼氏が家に来るたびに、部屋に置いてある500円貯金が減っているという出来事があり、その後その彼氏が盗んでいたということが発覚したといいます。
手癖の悪い彼氏とか、完全に結婚対象外ですよね。
こういうのも一緒に住んでみて分かる事が多いので、同棲は相手を見極める重要な材料と言えます。
防犯面で安心なのは女子にとってはありがたい
in the quiet night / oimax
一人暮らしの女性というのは、やはり防犯面で心配な面が大きいと思います。
私も大学入学時から結婚するまで一人暮らしでしたが、場所によっては夜一通りの少ないようなところに暮らした経験もあり、夜遅くの仕事帰りなど家のドアを開けるのも怖かった覚えがあります。(誰かいそうで…)
ですが、彼氏が一緒に住むとなると、女性としては防犯面で心強いのは確かです。
彼氏のパンツを借りてカモフラージュで干したりせずとも、リアルに洗濯物として干せますし(笑)
分譲マンションなどでしたら、ご近所への挨拶回りなどもあって、ある程度お互い顔を知っていたりしますが、女性の一人暮らしとなるとあえてそうしない分、ご近所にどのような人が住んでいるのかも事前に知りにくいですよね。
新築分譲マンションへの引越しでご近所への挨拶まわりは必要なのか。おすすめギフトの選び方とは。
周囲にそれとなく「あそこは男女で住んでいるんだな」と知ってもらうことで、防犯対策ができる部分も大きいと思います。
喧嘩の時に逃げ場がないのは本当にデメリットなのか
良く言われる「同棲すると喧嘩をした時に逃げ場がなくなる」というのは、これは事実です。
私も主人も付き合っていた頃から今でも相当激しい喧嘩をしますが(笑)、一緒に住むと確かに逃げ場はなくなりますね。
私も1度「もう顔もみたくない!」と車に乗って、遠くの24時間スーパーの駐車場まで夜中に行った経験がありますが、暗くて怖くて寒くて速攻帰りました(笑)
ですがね、喧嘩ってカップルなら誰しも大なり小なりするもんなんですよ。
私たちは後に原因が思い出せないくらいしょーもない事で大喧嘩している夫婦ですが、それでも仲直りしながら今に至っています。
同棲していなければ、喧嘩してもお互い帰る家があるので、喧嘩も長引きがちになります。
お互い気が済むまで連絡取らずに会わなければ良いですからね。
ですが、同棲だとそうはいきません。帰る場所がないから。
そうすると、「自分もちょっと言いすぎたかな」とか自分を省みる機会が持てるのです。
そうすると、お互い落ち着いて話をしようという気になり、仲直りのきっかけが生まれます。
結婚生活はそもそもこれができないと非常に厳しいような気がします。どんな些細なことであっても、お互い衝突して和解しての繰り返しです。
ただ、これは喧嘩の内容にもよりますけどね。
彼氏の女癖が悪くて喧嘩ばかりとか、借金こしらえてばかりとか、そういうのは相手の根本的な部分に問題があるので、同棲から結婚に結びつかないパターンです。喧嘩どうこうという以前の問題ですよね。別れるべし。
ちょっとしたすれ違いなどによる喧嘩を収めてくれるきっかけにもなるのが同棲の良いところではないでしょうか。
結婚後の新鮮さがないというのは本当
Looking Out on the World / bholl7510
「同棲すると結婚した時に新鮮さがない」というのは本当です。
ですが、その状態を「マンネリ」と捉えるのか「安定」と捉えるのかは人それぞれですよね。
私個人的には、結婚生活なんて8割マンネリだと思うんですよね。
子供ができて家族が増えるとまた違ってきますが、私はマンネリって決して悪いことではないと思います。
安心して何気ない日々を一緒に送れる人がいるということはすごいことじゃないですか?
私はネームでも使っているように、もともとおひとりが好きな性格ではありますが、結婚して家族がいるという今はとても幸せに思います。
こんな私の性格を理解した上で一緒に人生を歩んでくれる人たちがいるというのは本当に幸せなことです。
恋人期間のドキドキときめく時間というのは、結婚後必ずと言っていいほど減ります。意識して二人で作っていかないとどんどん減っていきます。
我が家はそういう夫婦二人の時間の必要さも分かっているので、年に数回二人で出かけるという記事は以前書きましたが、同棲は結婚後の新鮮さに支障がでるとお考えの方は、二人にとってどのような状態が幸せなのかを1度考えてみてはいかがでしょうか。
男性は「狩猟本能」があり、女性は「巣篭もり本能」があると言われています。
同棲することで女性はマンネリを安定と捉えられるのでしょうが、男性はその安定を嫌う傾向にあるのかもしれません。一概には言えないでしょうけどね。
恋愛体質の相手なら同棲話を持ちかけた時に難色を示すはずですので、そういった意味でも相手と同棲について話すことは互いの将来にたいする考えを探る一つの指針になると思います。
同棲するにはその目的をはっきりさせておくことが大切
同棲する上でもっともやってはならない事が「勢いだけで決めてしまう」ということです。
付き合って数ヶ月経った頃、それはそれはお互い盛り上がって、一緒に住みたいと思い出す。
ただ、その感情だけで同棲に踏み切ってしまうと、互いの関係はあっという間に破綻するように思います。
それは、同棲に至った理由が「好き」という感情しかないから。
お話してきたように、同棲すれば相手のこれまで見えなかった部分がどんどん明らかになっていきます。
ドン引きすることも呆れることもあるかもしれませんが、「好き」という感情だけではなかなかそこを乗り越えていくことは難しいです。
熱愛期間から少し時が経って、「この人とだったら将来を考えられるかな」という思いに至った時に、「結婚前のお試し期間」として同棲するのは良いと思います。
結婚資金を貯める目的も兼ねて、日常を共に過ごすことで結婚後の生活スタイルが想像しやすくなります。
どうしても受け入れられない相手の特徴があった場合には、結婚後に離婚するよりかは同棲時に別れていた方がダメージははるかに少ないです。
ですが、相手との深い信頼関係を築けるのも同棲ならではです。
私たち夫婦も親に頼らず(頼れず)一から二人でやってきたので、一緒に暮らす大切さというのは本当に身にしみています。
同棲をメリットと捉えるのかデメリットと捉えるのかは、実はあなた次第なのです。
将来を考える相手がいるならば、1度二人で真剣に同棲について話してみてはいかがでしょうか。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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