「この前のかけっこ4番だったよ」
小学校2年生の長男が、先日このような話をしてきました。
もうすぐ運動会ということで、小学校で徒競走の練習をしている長男。
何人中の4番だったのか詳しく聞いてみると、やはりの6人中4番でした。
というのも、長男は去年の運動会でも4人中4番でゴールしており、今回の6人中のこの結果も「よく分からないんだけど、ゴニョゴニョ…」みたいな話の中での4番とのことでしたので、おそらく長男的に少々話を盛っていると思われる節もあります。
6人中4番だろうがビリっけつだろうが、足が速いとはお世辞にも言えるレベルではなく、「周りが速いんだよねー」という負け犬発言をする長男を男にするため、この前の休日に家族で徒競走の練習に行ってきました。
偉そうに言っている私も子供の頃から足は遅い方でしたが(笑)、我が家の主人は学生時代に陸上部の短距離走に所属していたということで、足は相当速かった模様。
長男の走り方を見た主人は「スタートダッシュの練習をするだけでタイムはかなり違ってくるはず」と言い、今回はそこを徹底的に練習してきました。
すると、たった数時間の練習で、長男のタイムが約2秒も縮んでしまったのです!
スタートを制する者は試合を制する(はず)
まだ運動会本番ではないので結果はどうなることやらわかりませんが、確かに効果がみられた今回の足が速くなる方法についての全記録をご紹介しようと思います。
練習前の長男のスタートダッシュの形
まずはこちらをご覧いただきたいのですが、これが練習前の長男のスタートダッシュの形です。
私には何が悪いのかさっぱりわかりませんでしたが、主人からは2つの指摘がありました。
まず一つ目は「前足を白線ぴっちりにつけていない」という点。
これだけでも走る上でだいぶ損をしているということで、まずは「よーい」と言われた時点で前足をきっちり白線に付けるよう指導されていました。
そして、前足と後ろ足の幅が若干広すぎるという2つ目の指摘もありました。
スタートの合図があってから後ろ足を蹴り出すのに、前足と後ろ足の間に幅がありすぎれば、それだけスタートに手間取ります。
まずはこの2点を直した上で、他にも細かい改善点がありました。
前足に体重をかける
速く走るためには、スタートダッシュの体勢時に、前にだした方の足に体重をかけるようにするのがコツなのだそうです。
長男の足の丸で囲っている辺り、ちょうど膝の辺りに全体重をかけるようなイメージで、後ろ足は軽く体を支えるような感じで地面につけておきます。
これがなかなかできなかった我が家の長男。
ご覧のとおり何か様子がおかしい感じもしますが、この感覚をつかむために、まずは片足立ちの練習をしました。
片足で立って、その足に体重をかけてキープする練習です。
これ、私もやってみて思ったのですが、結構体幹がしっかりしていないと難しいなーという印象で、長男はだいぶふらついていました。
陸上の短距離選手がなぜあんなに筋肉ムキムキなのか、ちょっと分かった気がします。
こうやって重心移動の練習をすること数十分。
何となく形も様になってきました。
前足に体重をかけてスタートすることで、「よーいドン!」の直後から走り出しに勢いが付くため、スピードが乗りやすくなるのだそう。
「もう前に倒れそう~!」ってくらい体重をかけた状態で良いそうなので、子供の足の遅さにお悩みの方は、まずはこの体重移動の練習からやってみると良いかと思います。
走り出しは歩幅を狭くする
スタートしてすぐは歩幅を小刻みにすることが速く走るコツだとも主人は話していました。
先述したようにスタートダッシュ時に体重移動を使って走り出したとしても、スピードが乗るまでにはそれなりに時間がかかります。
最初から大股で走っているとスピードも上がりにくいので、スタートしてすぐの2~3歩は意識して歩幅を狭めにすると速く走れるのだそうです。
そして、その時の走り方はつま先のみで走るような感じなのだそう。
私これ意外だったのですが、短距離走の時の走り方って、かかとがつかないんですってね。
私は自分の過去の徒競走を思い出した時に、足の裏は全ベタ付けで走っていた記憶があるのですが、その話を主人にしたら「それだと俺でも速く走れない」と鼻で笑われました。
こういう事は多くの人が経験則で知っているものだと思っていたと主人は言っていましたが、いやいや私はアラフォーの今になって初めて聞いた話です。
ということは、足が遅い方は私のように「つま先走り」というものを知らない可能性もあるかもしれませんので、「スタートしたら小さい歩幅でつま先走り」というのを意識してみるとかなり改善が見られると思います。
目線はゴールのみをみる
これは幼児や小学校低学年のお子さんだと比較的多い事なのかもしれませんが、長男も走る前や走っている最中にあっちキョロキョロこっちキョロキョロしていることが多いです。
気が散りやすい年頃でもあるのでしょうが、徒競走でトップでゴールする子はたいてい走る前からゴールしか見ていなかったりします。
なんというか、幼い子であっても「自分が一番にゴールするんだ」という闘士に燃えている目をしているんですよね。
先日も長男と走る練習をしていた際、私が「よーいドン」と掛け声をかけると、スタートした直後に「どう!?ちゃんとスタートできたでしょ?」と言わんばかりにニコニコ私の方を振り返りながら走っている長男の姿がありました(笑)
これはこれで親からすれば可愛らしくもあるのですが、長男はそもそもの走ることに対する心意気の部分から足の速い子とは一線を画している気もしています。
なので、長男には「走る時はゴールだけを見る」ということを徹底しました。
これは集中力を養うという面からも、頑張ってもらいたいと思っている部分です。
また、長男は周りが走り出してから自分も走り出すみたいなところもあり、「周りは気にしない。『よーいドン』のよーいが聞こえたら、もう走り出す気持ちの準備をするんだよ」というような話もしました。
走るフォームの改善はもう少し後でもOK
速く走る上でスタートダッシュだけでなく、走り方の改善も重要な点です。
主人曰く、大きく腕を振ることで足の回転率も上がって速く走れるとのことでしたが、子供の場合それを意識しすぎると走り方がぎこちなくなってしまい、逆にタイムが遅くなる可能性もあるとのことでした。
ですので、長男の場合、今回はスタートダッシュのみの練習で終了。
結果、長男は今回の練習で、40m程度の距離を最初は11秒で走っていたのが、最終的には9秒6で走りきりました。
後に走るほど疲れが出てくるはずなのに、これだけタイムが縮んだのは私も正直驚きました。
長男の場合は先述したように走ることに対する意欲があまりないということで、そこは本人の意識次第なのですが、長男のやる気スイッチが入ればタイムはもっと縮むのではないかと期待しています。
私が長男に走る練習をさせる理由
なぜ私がここまで長男に徒競走の練習をさせるかというと、運動会でたんに一等賞になってもらいたいだけではありません。
もちろん、長男が運動会で誰よりも速くゴールしてくれると嬉しいものですが、それよりも自分が努力した結果これだけ速く走れるようになったと長男自身に経験してもらいたいというのが一番の理由です。
我が家の長男は性格的にちょっと弱いと思われる面があります。
そのくせプライドだけは高い一面もあるので、運動会の徒競走などでも「周りが速い」「ちょっと体調が悪かった」「別の練習の時はもっと速かったんだけどね」など何かのせいにして自分の弱点を見て見ぬふりをする癖があります。
でもそんな話をしている時の長男の表情をみていると、悔しさや恥ずかしさが入り混じったような複雑な面持ちをしているんですよね。
本人の中にも「速く走りたい。でも走れない」という葛藤があるのだと思います。
そんな長男には、何か上手くいかないことを「自己責任」として捉え、それに向けて努力する人になってもらいたい。
私には長男に対してそのような思いがあるため、まずは努力した結果得られた成功体験を長男に持たせてあげたいと思っています。
例え1位でなくても、去年の運動会より速く走れるようになっていればそれで良いんです。
仮にまたドべであっても、「練習が足りなかったかな」と思える子になってもらいたい。
何かを努力したからといって結果は必ずしも毎回良い形でついてくるとは限らないものですが、子供達には「頑張ることの大切さ」「諦めない心」を養ってもらいたいと思っています。
やる前から「どうせできないし」とか言ってるタイプが、私自身は嫌いなもので。
そういう意味でも、足の遅い子が速く走る練習をするというのは、子供の心身の成長においても有益なものだと思っています。
走るのが苦手な子はまずスタートダッシュを練習しよう
話が逸れてしまいましたが、走るのが速くなりたい場合は、まずはスタートダッシュの練習から始めてみると効果的だと実感しました。
気をつけるべきは…
■スタート時の前足の位置(白線ギリギリに持ってくる)
■前足に体重をかけてスタンバイ
■スタートすぐは小さい歩幅で走る
これを意識しただけで、長男の走るタイムは2秒程度速くなりました。
あとは本人の走ることに対するやる気スイッチをどう入れるかだけです。
今年の運動会では、笑顔でゴールしている長男の様子が見れるとよいなーと思う母でした。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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