「夜、なかなか寝てくれない。」
我が子の睡眠について悩んでいるお母さんの話、私もよく耳にします。
ネット上でも我が子の睡眠に悩む親御さんの話をXなどのSNSでも見かけたりしますが、そんな投稿に…
こういうお子さんは発達障がいの場合が多いです。
医者に言われるがまま、うちの子は3回脳波をとり、3回とも異常無し。
今、6歳ですが重度知的障害と自閉症です。
検査では異常なしだけど、発達障害の一種じゃないの?
このような辛辣なコメントをされていることも。
本当に、「寝つきの悪い子」「夜中になんども起きてしまう子」は発達障害の可能性があるのでしょうか。
我が家のASD(自閉症スペクトラム)と診断されている次男の乳幼児期を振り返りながら、発達障害と睡眠の問題について考えてみたいと思います。
不安を煽るコメントはどうなのか問題
まず、発達障害児の当事者家族として一言いっておきたいのは…
発達障害、そんな単純じゃないよ!
ということです。
確かに、発達障害を抱えている人に何らかの睡眠障害があるという話は、実際に聞くことが多いです。
■夜驚症があって、小学生になった今でも夜中に泣き叫んでいることがある
■寝かしつけても30分も経たずに起きて泣いてた
など、乳幼児期ひいては小学生になっても、お子さんの睡眠問題で悩んでいるママさんは結構いました。
ですが、みなさんそれがあったから発達障害と診断された訳ではないんです。
他にも、好き嫌いが激しい(味覚障害)とか、鉛筆をうまく持って書けない(書字障害)とか、決まった物事の流れを好む(こだわり)など、いろいろな発達の偏りが折り重なって発達障害と診断されているんですよね。
その一つに睡眠障害を抱えている方ももちろんいらっしゃるのですが、だからといって「寝ない赤ちゃん=発達障害」と結びつけてしまうのは少々乱暴な気がします。
実際、我が家の(一応)定型長男は、2歳くらいからまったく昼寝をしない子でした。
乳児期の日記をみても「長男君、今日は1時(AMです)まで寝なかった…」と書かれていたことも。
寝ずに大変だった思い出があるのですが、それは中学生になった今でもそうで、夜中遅くまでベッドの中で本を読んでいたりと、本当に長男はショートスリーパーです。眠くならないんだそう。
寝ない子でも、長男のようなケースもあります。
そもそも、発達障害の診断が下るのも早くて2~3歳頃ですし、まだ歩き出しもしていないような赤ちゃんのお母さんに赤ちゃんの一つの気になる様子だけで発達障害の可能性を突きつけてしまうのは、無駄に不安を募らせてしまうだけです。やってはならない事。
必要以上に気にしないようにしたいものです。
ASD次男の場合
とっても良く寝ていた新生児期~生後3ヶ月
ということで、今から約10年前に誕生した次男が赤ちゃんだった頃の睡眠事情はどうだったのか。
マメな私は、過去記事に成長記録としてまとめていました。偉い。
これを見る限り、生後3ヶ月くらいまで次男は良く寝る子だったようです。
確かに…
2人目は手がかからないわねー。
と思っていた記憶があります。
当時は、長男の幼稚園役員などもしていたので、役員仕事でしょっちゅう幼稚園に行ってたりもしましたが、次男は一緒に連れて行っても最初から最後までクーファンでスヤスヤ寝ているような子でした。
お腹がすいたと泣いて起きることもなかったので、私が夜に眠りこけてしまい、授乳間隔が8時間とかあくこともありました(がっつり乳腺炎になった)
授乳してもすぐにまた眠ってしまう子だったので、体重もなかなか増えず、そういう意味では大変だった記憶があります。
ただ、睡眠という点に関してだけ言えば、この頃はものすごく良く寝ていました。
だんだん寝なくなってきた4ヶ月以降
しかし、そんな次男も4ヶ月を過ぎた頃から俄然寝なくなっていったようです(記憶おぼろげ)
夜中も定期的に起きて泣くようになり、授乳しても何しても泣いているような日も多々ありました。
この子は何で泣いているんだろう…
と途方にくれたものですが、今思えば、感覚の過敏さがある次男にとって、音や感触など当時から何か不快な状況を感じていたのかもしれません。
夜なかなか寝ない子や夜泣きのひどい子の場合、睡眠自体に問題のあるケースもあるでしょうが、次男のように感覚に偏りがある場合もあるのかもしれないと個人的には感じています。
ますます寝なくなってきた8ヶ月以降
8ヶ月を過ぎたあたりから、次男はさらに寝なくなっていったようです。
「夜中にちょこちょこ起きるので、慢性寝不足状態に」と、過去記事にも書いてありました。
あまりに夜中に起きるので、当時の私も次男の発達を気にかけていた様子でしたが、もともと次男は新生児期は寝すぎるくらい寝ていた子だったので、「赤ちゃんはこんなものかも」という思いもどこかにありました。
長男もなかなか寝なかったタイプでしたし。
ただ、今三男(9ヶ月)を育てていて思うのですが、三男も夜中に1度くらいは泣いて起きますが、授乳したらコテンと寝ることがほとんどなんですよね。ほぼ寝ぼけている状態。
次男の場合は、夜泣きしだしたら何しても泣いてた思い出があります。そこが今思えばちょっと違っていたのかも。
夜泣きがひどくなってきた1歳以降
そんな次男は、1歳以降も夜泣きがひどくなっていったようです。
「未就園児クラスに通うようになって改善した」と書いてあるので、2歳くらいまで夜泣きは続いていたようですね(すっかり忘れた)
良く聞く話で「卒乳すると夜泣きもおさまる」というのがありますが、次男の場合、卒乳は1歳過ぎにしています。
卒乳の時期と重なって夜泣きがひどくなっていただけなのか、その辺が定かではないのですが、次男はとにかく夜中に起きて良く泣いていたようですね。
ただ、今もそうですが、入眠自体はとてもスムーズな子でした。
長男のように、なかなか寝付かずにウロウロしてしまう…なんてことはほとんど無かったです。
寝ない赤ちゃんは発達障害の可能性があるのか?結論
次男の新生児期から幼児期までを振り返ってみると…
■寝ぐずりはほどんど無し
■夜泣きがひどい時期が長かった
■夜泣きの理由がわからない
このような感じでした。
発達障害の可能性という視点で次男の睡眠事情をみていくと、夜泣きがあったかどうかよりも、夜泣きをした時に何をしてもおさまらなかったという点が一番引っかかるところです。
夜泣きは、おそらく多くの赤ちゃんが大抵はするものです。
その時に、授乳したり抱っこしたり、おむつを変えてみたり、衣類の調整をしたり…親はいろいろ手を尽くすと思いますが、長男も三男もこのどれかでそう時間がかからず夜泣きはおさまっているんですよね。
次男の場合だけが「何でこの子は泣き止まないんだろう」と感じることが多かったです。
この点に関しては、次男は発達に偏りがあったんだろうなと今になっては思います。
ただ、長男のように「何でこの子は何しても寝ないんだろう」というようなタイプでも、今では普通にただ眠たくならないだけの中学生になっていたりしますから、子どもの成長は本当に個人差が大きいです。
そして、夜泣きのひどかった次男は、小学生になった今では、夜中にまったく起きることはありません。
眠くなったら、さっさと自分でベッドに入って寝ています。
次男には発達障害がありますけど、成長とともに一人でできることはどんどん増えていきます。親もラクに暮らせるようになってきます。少しずつですけどね。
我が子のことが気になるのは親として当然の事ですが、過度に心配しすぎず、その時その時でできることをしていくしかないと思っています。
間違っても、他所のお子さんに「発達障害かもよ?」なんて言うのはやめましょうね。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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