我が家の次男は現在4歳。自閉症スペクトラムと診断されています。
癇癪とこだわりが激しいのが特徴です。
そんな次男ももうすぐ5歳を迎えるということで、毎年恒例の記念撮影をスタジオアリスでしてきました。
お子さんの記念写真のスタジオ撮影で疲労困憊される方も多いのではないでしょうか。
「子供がじっとしていない…」
「衣装を嫌がって着てくれない…」
「泣いて暴れて撮影どころではない…」
全部我が家の次男のことですが、だいたいこの有様なので、私としては正直次男の記念撮影は「成長の嬉しさ半分、撮影時の恐怖半分」という状態でした。
ですが、そんな撮影も数を重ねるうちに、いくつかの対処法が見えてきました。
私もダテに年食ってないですね。学習してます(笑)
おかげで今年は随分と穏やかに記念撮影を終えることができ、非常にホッとしています。
そこで今回は発達障害児の記念撮影を成功させる5つのコツをご紹介したいと思います。
ご参考になる部分があれば幸いです。
前準備:子供の特徴をしっかり把握しておく
我が子のことですから、保護者の方はもちろんお子さんの特徴を誰よりも良く把握しておられる事を分かった上であえて言わせてもらっていますが…。
お子さんの記念撮影をする上で我が子の特徴をしっかり理解しておくということは最重要事項です。
我が子がどういう状況・環境で落ち着いていられるか。
何が好きで何が嫌いか。
記念撮影に望むにあたって、まずはこの部分をはっきりさせておく必要があります。
発達障害児の場合、ちょっとした事がきっかけで気分を崩してしまいやすい子が多いです。
そして一旦崩れた気分をなかなか元に戻せないという特徴を持った子が多いのも事実。
我が家の次男も顕著にその傾向があるため、私は記念撮影など次男の機嫌を最良に保ちたいイベントがある日は、特に次男の状態や環境に気を配っています。
具体的には以下の「コツ」の部分でもお話していますが、とにかく本人の嫌がる物・場所を避ける。
そして、事前に見通しを立ててやるということを実践しています。
以下、その詳細をお話します。
コツ1:撮影日数字前から見通しを立ててやる
我が家の場合、記念撮影などのイベントがある場合は、数日前から次男に毎日のように話して聞かせています。
「明日の次の日は写真を撮りに行くよ」
「かっこいい服にお着替えして写真を撮るよ」
などと言いながら、過去に撮った写真を見せつつ話して聞かせています。
発達障害児の場合、新しい環境やいつもと違う状況が苦手な子も多いかと思いますが、次男もまさにそう。
当日の朝に突然いつもと違う流れの事を行えば軽くパニックになってしまうため、私は何か特別なイベントがある日は必ずその見通しを立ててやるようにしています。
これは本当に大切なことで、これをやるやらないでは次男のその時の状態は大きく違ってくるので侮れないところです。
次男の場合、4歳になってからは言葉の理解力がかなり上がってきたため、現在は見通しも言葉で丁寧に伝えると概ね納得できるようになりました。
言葉での理解が難しい子の場合は、絵カードが有効かと思います。
そして、撮影日当日は、全ての段取りを次男の傍で事細かくその都度伝えるようにしています。
「お靴を脱いで(お店の)中に入るよ」「中で写真を撮るからね」
「着替えるお洋服を選ぶよ。どれがいい?」←着る服を選ばせる事で初めての服もすんなり着れる
「お着替えは2回するよ」
「最初はこの服から着るよ」
「最初はこのお部屋で写真を撮るよ」
など、お店のスタッフからすれば「このお母さん、やたらと実況中継入るな」と思えるような感じですが、そんなこと気にしていられない(笑)
とにかく、次男が次に何をするかで不安にならないために、些細なことでも次に待っている状況を事前に横で説明してあげています。
これをすることで、着るものに執着のある次男であっても撮影衣装がスムーズに着れますし(家での普段着もこれくらい着れたら良いのに…とも思いますが)、着替え→撮影→着替え…と忙しい状況であっても、落ち着いて大人の誘導に従えるようになります。
考えられる理由などはこちらにまとめています。
見通しは数日前から、撮影当日は次の行動をなるべく詳細に子供に伝えてあげることが大切です。
事前の見通しは、私としては2~3日前がベストかと感じています。
1週間前とかあまり期間がありすぎると、子供も「実際いつなのか」と当日の実感がわきにくいですしね。親も大変ですし。
コツ2:撮影日は平日の朝一を選ぶ
我が家の次男は視覚優位という特徴があります。
療育関係者曰く、次男の場合は目からの情報が多すぎて、それらを自分の中で上手く処理しきれなくなった結果、場所によっては落ち着いていられなくなってしまうのだそうです。
そのため、行きなれていない場所などに行くと、やたらと怖がったり、または逆にテンションが上がりすぎて多動気味になる傾向があります。
こうなると事前にいくら見通しを立ててやっていても気分は崩れやすくなってしまうので、私は記念撮影はなるべく待たされないよう工夫をしています。
方法としては…
■家族撮影などが多く混雑する土日は避ける
■予約時間がずれずに撮影できる平日朝一の時間帯を選ぶ
です。
以前までは主人も撮影風景を見守れる土日に予約をして家族で出かけていた記念撮影。
ですが、土日は我が家と同じようにご主人がお休みの家庭も多く(家族写真撮影だと時間も長い)、とにかく撮影予約がぎっちり詰まっている事が多いんですよね。
そのため、例えば午後の2時に予約をしていたとしても、前のお客さんの子供が泣いてトラブっていたりすると、どんどん撮影時間がおしてくるわけです。
結局、2時に予約していても呼ばれるのは3時前になったりで、とにかく待たされて大変な思いをします(実際しました)
そんな中で次男のような子が大人しく待っている事自体が不可能なので、我が家は以前そのような状況の中、予約し1時間ほど待たされた挙句、キャンセルして帰った事もあります。
そうならないためにも、比較的空いている平日の、それも前に予約者がいない朝一の時間帯を選ぶと待ち時間もなく、子供も落ち着いて撮影に望めます。
コツ3:写真の必要枚数は事前に決めておく
我が家の場合、誕生日の記念撮影枚数は和装と洋装1カットずつと決めています。
毎年同じサイズ・枚数で撮影することで整理もしやすくなりますし、何より写真選びに悩まなくて済みます。
スタジオアリスなどは「衣装を何着着てもOK」なので、ついついかわいい我が子にいろんな衣装を着せて撮影したくなりますが、そうなると撮影時間も長くなり、結果的に写真選びも時間が掛かってしまいます。
発達障害児の場合は、記念撮影は本当に時間勝負。
その場に長く滞在すればするだけ気分を崩す可能性は高まりますので、パパっと撮ってサクっと選んで帰るのがベストです。
撮影業者としては、たくさん衣装を着てもらって、たくさん撮影してもらって、買ってもらえるような素敵な写真をたくさん撮りたいのが本音でしょうが、どうやったってかわいい我が子は可愛く撮れます(笑)
いや、むしろ長居して子供の気分が崩れた状態になってしまう方が、写真の出来上がりに影響を及ぼしかねません。
お店側にはあらかじめ「衣装はこれだけで、購入枚数もこれだけです」と伝えておけば、なるべく少ない撮影カット数で頑張ってくれるので助かりますよ。
コツ4:撮影時は大いに口を出す
スタジオアリスは撮影時の子供への声かけが特徴的ですよね。
ほらほら!ジバにゃんが飛んでくるよ。プルプル~
みたいな感じで子供の笑顔を引き出そうと、派手なアクションを交えながらの撮影を得意としています。
これ、正直我が家の次男にはかなり逆効果なんです。
今回、それがはっきりと判明しました。
物に興味を持ちやすい次男は、先にお話したように目からの情報を捉えやすいという特徴もあり、おもちゃなどがチラチラ動いていると落ち着かなくなってしまうんですよね。
「人形欲しい!」「触りたい!」となってしまいます。
そのような状況ではついつい体が動いてしまうので、撮影時間も逆に長くなってしまいます。
なので、私は次男に「写真撮るよ。じーできる?(じっとできる?)」と脇から声をかけていました。
次男の場合は「今はこうすべき状況だよ」というのを彼が落ち着いている時に伝えてやると納得して理解できるので、私は撮影の間もなるべく声かけをしていました。
(癇癪を起こして大暴れしている時はこの声掛けは通じません。もちろん)
そして、これは私の今回の反省点でもあるのですが、こういった子供の特徴をスタッフさんに細かく説明していても良かったのかもしれません。
子供の障害についてよそで言うか言わないかという話は以前書きましたが、私は今回は次男の発達障害についてはあえて店側には伝えませんでした。
伝えていたのは「長時間になると集中力が続かない」ということのみでした。
当日の次男本人の様子を見て「大丈夫だろう」とその場で判断した結果なのですが、撮影時の「プルプル~」については過去の記憶を失念していました。
来年からは撮影時の声かけについても「写真撮ります」「動きません」など簡潔なものをお願いしようかと考えています。
子供の障害についてカミングアウトすることに抵抗のない方は、最初から障害名を伝えて、撮影方法などについても細かくお願いしていた方が良いかと思います。
コツ5:撮影後のお楽しみを儲ける
記念撮影後に「こんなお楽しみが待っているよ」と子供に伝えておくことも、撮影をスムーズに乗り切れるコツだと思います。
「子供を物で釣るなんて」と嫌悪感をあらわにされる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは以前も記事にしている言語聴覚士さんオススメの方法です。
「悪いことではない」「強化因子なのだ」と、最近では自信を持って多用させていただいてます。
お楽しみと言っても私の場合は、その後にランチを食べに行くとかその程度でして、「記念撮影頑張ったからプラレール買おうね」とかそんなビックプレゼントは用意しません。
お母さんと一緒にお外でご飯を食べれる権利を獲得できた程度のお楽しみです。
(お母さん大好きな幼児期限定の技 笑)
大事なのは、「これ(写真撮影)が終わった後に何をするか」という事をはっきりさせてやる事の方で、その事後の予定が次男にとって楽しい事・嫌でない事であればお楽しみは何でも良いと思っています。
今やっている事がいつまで続くのかという見通しが立つと、頑張ってやり遂げられる事が多いです。
まとめ
発達障害児のように個性的な特徴を抱えている子供の場合は、とにかく「見通し」と「環境作り」が大切だと実感しています。
子供が不安に感じない環境を親が選択してあげて、更に見通しを細かく立ててやることで、子供自身が慣れない環境に適応しようとしてくれるようになります。
記念撮影など年に数回しかないイベントの場合、特にこのような子供との関わりが重要になってくると実感しています。
混雑しない・待ち時間のなるべく少ない日時を選ぶ。
本人が落ち着きやすくて納得しやすい撮影方法をお願いする(これは来年の課題)
これらを意識するだけで苦労しがちな発達障害児の記念撮影も幾分ラクになるのではないでしょうか。
物は試しで、是非一度やってみていただければと思います。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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