赤ちゃんの誕生というのは、本当に嬉しいものです。
ただ、妊娠中はそのゴールとして捉えていた「出産」という出来事も、いざ生まれてしまえばそれが「育児」としてのスタートになります。
初めてのお子さんだと、この赤ちゃんとの生活に戸惑うことも多いですよね。
産後まもない時だと、自分自身の体調も不安定な中、小さな命と共に待ったなしの生活が始まります。
そんな時にあるとありがたいのが身内からの手助け。
初めての出産の場合、多くの人が実母や姑に産後の手伝いをお願いしているのではないでしょうか。
私は実母がすでに他界していたので、産後のお手伝いは姑が自ら申し出てくれて、我が家に泊まり込みで手伝いにきてくださいました。
が、結局は互いにイライラが募った結果、喧嘩別れのような形になり、姑は1週間で実家へ帰ってしまいました。
(今ではもう普通にお付き合いできてますけどね)
今思えば、産後に姑との生活が上手くいかなかった原因は、互いに多々理由があったように思います。
そこで今日は、産後に私のような嫌な思いをする妊婦さんが増えないように、産後の姑との関係でイライラする原因について考えてみたいと思います。
産前・産後のホルモンバランスが体に及ぼす影響
産前は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが増加します。
これらは子宮収縮を抑えたり、子宮を大きくしたりする役割をもっているのですが、これが産後一気に減少することで、ホルモンバランスが乱れます。
先日次男のトランポリンの効果でお話した時に少し触れましたが、ホルモンバランスが乱れると脳内神経伝達物質のセロトニンが上手く機能しないため情緒不安定になるという報告もあるようです。
そのため、私もそうでしたが、産後はちょっとした事が気に障るようになります。
今考えれば、相手にとっては何気なく言ったであろう一言が、その時は「なんでそんなひどいこと言うの!」というくらいしゃくに障るものなんです。
たとえば、主人は産後に洗濯物を干したりと何かと手伝いをしてくれていたのですが、そんな主人をみた姑が「そんなにしてやると癖になる!」と主人をたしなめたのです。
私はその発言にびっくりし、当時は密かに泣いていましたが、今思えば、姑としては主人(息子)が嫁の手伝いを一生懸命しているのは正直おもしろい光景ではなかったのかなーとも思えます。
ただ、産後は自分でもどうにもできないくらいに気持ちのバランスがとれないものなので、日頃そんなにカリカリしない方でも、産後はどうなるかわからないくらいに考えておいた方が良いのかもしれません。
症状としては、生理前に起こる「PMS症候群」をもっとひどくしたような状態でした。
私は生理前はもともとイライラ鬱々しやすかったのですが、妊娠中にこの事を産婦人科の先生に相談していたところ「産後もし症状がひどいようなら漢方薬を出しますよ」と言われました。
産後忙しすぎてすっかり漢方薬どころではなかったのですけど、産後の精神不安定が心配な方は事前にお医者さんに相談しておくと良いと思います。
子育て観に対する姑との世代格差もイライラの原因
私が姑と衝突した原因のもう一つに「子育て観の違い」というものがありました。
実際、姑はすでに子育てを終えた子育ての大先輩であることは事実なのですが、姑が子育てをしてきた時代と今私たちが子育てをしている時代の「育児」というものは大きく違ってきています。
たとえば、姑は赤ちゃんが泣いていても「抱きぐせがつくから」と言って、私にすぐ抱っこしないよう言っていましたが、今の育児では赤ちゃんを思う存分抱っこしてやることが推奨されています。
沐浴後の白湯も同じく。姑の時代は沐浴後に白湯を飲ませるのは一般的だったようですが、今では特に白湯は必要ないという風潮になっています。
新米お母さんとしては、この板挟み状態が非常にストレスなんですよね。
よく産院の助産師さんとかには言われるんですけど「今はこういう育児法なので…とお姑さんにはお話していいんですよ」っていうこれも、私の場合は「生意気な」と逆に角が立つ結果になりました。
姑には昔の育児法で子育てをしてきたという自負がありますし、それをたった数日前に子どもを生んだばかりのペーペー嫁に意見されると、それはそれでイラっとくると思います。
プライドもあるでしょうしね。
ですが、今言われている育児法は、さまざまな研究がなされた結果から導かれているもので、ある程度根拠のあるものです。
(これも私が姑の立場になった時に、またどう変わっているかはわかりませんけど)
なので、嫁の立場としては、姑の意見はそれはそれとして聞いておいて(聞くふりでもよし)、自分は自分で信じる育児法を実践していくのが一番ストレスがない方法かと思います。
ただ、産後間もない時のイライラ期だと、これは言うほど簡単にはできません。
そこで、私が「これは良いな」と思ったのが、さいたま市が2016年の1月から配布している「祖父母手帳」。
出典:さいたま市 HP
出産前に役所が配布しているこのような冊子を事前に姑にも読んでおいてもらうことで、「今どきの育児」について理解を深めてもらえると思います。
ただ、私たち嫁世代も「今の育児法が絶対正しいんだ!」と頑なにならず、「そういう育て方もあるのか」と柔軟に考えられるようにしておいた方が良いです。
2人の男児の子育て真っ最中ですが、育てていて思うことは、子どもにはそれぞれ個性があり、絶対的な育児法などないんだと言うことを知りました。
同じように兄弟育てていても、同じようには育ちません。
そして、赤ちゃんの生命力というのは本当にすごいものがあって、育児書通りにきっちりしなくてもそれなりに育っていきます。
これは育児に手を抜いても大丈夫と言っているわけではなくて、事実、長男の時は初めての子と言うことがあって、離乳食の時期・内容など育児書通りがっちりやっていました。
でも、その通りに進めようとすればするほど、その通りにいかない時にものすごく不安になるんですよね。
「うちの子、大丈夫かしら」
「何が悪いのかしら」
ってやたら心配になります。
そういう時は、同世代のママ友と悩みを打ち明け合っても良いんですけど、そこに子育ての先輩である姑の意見を聞き入れると、育児に寛容になれる気がします。
育児に対してのいろんな意見を聞くことは大切だと思う今日この頃。
姑との子育て観の違いは、上手いこと取捨選択できればベストではないでしょうか。
生活スタイルが違いすぎるのもイライラの原因
自分たち世代と姑世代の生活スタイルって、思っている以上に違うものです。
そこを理解せずに期間限定でも共同生活を始めると、かなりストレスを溜める結果となります。
本当に細かいところなんですけど、食事の時間だったりご飯を炊く水加減だったり、台所の使い方だったり。
そういうちょっとした違いが積もり積もって大爆発したという話も随分聞きました。
実母ならまだ言いやすい面もありますが、姑だとやはり嫁としては気を使います。
本音を言えば、姑には赤ちゃんのお世話以外の炊事や家事全般をお願いしたいけど、それも言いにくい。
赤ちゃんが寝ている隙に自分も寝たいけど、姑の手前それもはばかられる。
私も実際、姑との生活の時は随分気を使っていました。
「ちょっと今から寝ます」というのも、好きな時に寝て好きな時に起きたいなーと心では思っていました。
実際、生活面では随分助けられていたし、姑自身も私に随分気を使っていたと思います。
でも、嫁としては姑に「あれして!これして!」とも言いにくいし、とは言っても赤ちゃんの世話ばかりされると「それよかご飯作ってよ」という気持ちになるのも本音です。
姑だって、嫁の家に家政婦をしにきたわけではなく、本音では赤ちゃんとふれあいたいというのが一番でしょう。
イライラの原因は、こういう嫁と姑の本音がお互い分かっていないところにあると今では思っています。
なので、これから出産を控えていてお姑さんがお手伝いにきてくださるという方は、産後の暮らし方をしっかり打ち合わせしておくことをオススメします。
姑にはどういう事をメインに手伝ってもらいたいかを伝えておく。
(これも言いにくいかもしれませんが、産後は本当に心身ともにしんどい時期。甘えるべきです)
「お砂糖、どこー?」みたいな煩わしいやり取りが産後無いように、あらかじめ自宅の動線なども姑に教えておくと後々ラクです。
(私はこれで産後手こずりました)
嫁と姑、互いにイライラしないためには
このように、産後のお手伝いでは、嫁と姑が互いに気を使いあって共倒れするパターンが多いように思います。
気を遣うということは、相手がどのように考えているかが分かっていないから。
「こんな事したら迷惑かしら」
「あまりゆっくりし過ぎてもどう思われるかな」
など考えてもわからない事で悩むくらいなら、最初から「私はこうします!」と宣言しておいた方がよっぽどラクです。
私は長男の時にこの点がしっかりできなかったのが、姑とギクシャクした原因だと感じています。
姑に気を使って中途半端に家事をやるくらいなら、ネットスーパーなどをフル活用しながら自分のペースで暮らす方がだいぶマシです。
姑にやってもらいたい事を明確に伝えておいて、子育てに関するウンチクは場合によっては聞き流す。
これらを実践するだけでも、イライラすることはだいぶ減ると思います。
産後の無理はのちのちの自分の体にたたると言います。
産前から姑とはしっかりコミュニケーションをとっておきたいものですね。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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