5月5日と言えば端午の節句。
鯉のぼりを立てて、柏餅を食べたりしながら男の子の成長をお祝いする日ですよね。
自宅の庭で悠然と大空を泳ぐ鯉のぼりを見て子供も大喜び。そんな様子を眺めながら家族もほのぼのするものです。
ですが、マンション住まいの方で鯉のぼりの設置に頭を悩ませている方、結構いらっしゃいませんか?
実は私が住んでいるマンションでも、管理会社に鯉のぼりの設置に関する問い合わせが相次いでいるとのこと。
結果から言いますと、マンションのベランダに鯉のぼりを設置することは可能なのですが(※)、その際にいくつかの注意点があることも事実です。
※管理会社によって規約が異なるため、中には「ベランダでの鯉のぼり設置は禁止」と謳っているマンションもあるかもしれません。管理規約をご確認ください。
それを守らずに自己判断で鯉のぼりを取り付けてしまうと、思いも寄らないご近所トラブルを招いてしまう結果にも…。
そこで今回は実際にマンションの管理会社から聞いた、マンションベランダでの鯉のぼりの設置にかんする注意点についてお話していきます。
布団干しはNGでも鯉のぼりは設置できる理由
「鯉のぼりってマンションのベランダに設置して良いんですか?」
という質問が住人から多く寄せられている理由の一つに、マンションのベランダは共用部分という事があげられます。
タバコの煙トラブルの時にもお話しましたが、分譲マンションであってもベランダに関しては個人に所有権はなく、住人皆で使える共用部分としての扱いになっています。
【隣人トラブル】マンションのベランダでタバコを吸うお隣さんが迷惑!ベストな対処法とは。
これは火災などの災害時に、住人がベランダを通じて避難ができるようにするためで、住人は自室に隣接するベランダにおいてのみその使用権が認められています。
そのため、日常生活でベランダを使う目的(洗濯物を干したりなど)であれば個人でベランダを使う事ができるのですが、ベランダの手すりに布団を干す行為は多くのマンションで禁止されています。
「布団干しも生活の一部では?」と思われるかもしれませんが、これはちょっと特殊な事情があります。
ベランダ手すりを布団干しに利用することを禁止している理由として…
■マンションの景観悪化に伴う資産価値の減少を防ぐ目的
■布団落下による事故を防ぐ目的
の主に2点があげられます。
私個人としては「布団を干してマンションの資産価値が下がる理由」がイマイチピンとこないのですが、管理会社の言い分としては「ベランダに布団がたくさん→見た目が悪い→マンションの価値が下がる」という理屈のようです。
そのため、ベランダ手すりへの布団干し禁止の掲示は常になされています。
それゆえ、住民としては「鯉のぼりも手すりへ設置してはならないのでは?」と思うのも当然のことで、これが管理会社へ鯉のぼり設置にかんする問い合わせが増えている理由なのです。
ただ、私が住んでいるマンションの管理会社曰く、鯉のぼりに関しては2つの注意点を守れば設置することは可能とのことでした。
鯉のぼりは景観を害することにはならないようです。
鯉のぼりがご近所の窓からの視界に入らないようにする
鯉のぼりを設置する際には、鯉のぼりが隣近所の窓からの視界に入らないようにしなければならないという点が注意すべきポイントの一つです。
「子供も大きい鯉のぼりの方が喜ぶし」
「どうせのぼりを立てるなら見栄えが良い方が…」
と自己都合ばかりで物事を考えてしまうと、大き過ぎる鯉のぼりがご近所の窓からの視界に常に入った状態になり、後にクレームが来ることになるかもしれません。
自分たちにとってみれば窓の外をヒラヒラ泳ぐ鯉のぼりの様子が楽しくても、全く無関係のご近所にとってみれば気が散ってしょうがない代物だったりもします。
鯉のぼりは風の向きや強さによってどの方向にたなびくか予測できないところがあるため、最低でも自宅の上下左右のお宅に鯉のぼりが入り込まないようなサイズを選ぶようにしたいものです。
落下・吹き飛ばし等がないような対策が必要
ベランダ設置用の鯉のぼりについては、「手すりに設置するタイプ」「スタンドタイプ」があります。
どちらもしっかり設置できるものではありますが、マンションの場合はより安定感のあるスタンドタイプがおすすめだと管理会社から言われました。
マンションは高層階になればなるほど風も強くなりがちですし、万が一落下した場合の被害も大きくなります。
手すりに設置するタイプは取り付けが簡単というメリットはありますが、強風対策などを万全にしたいのであればスタンドタイプの方が良いでしょう。
また、風の強い日や夜間や外出時など鯉のぼりを見守れない時は、その都度取り込むという手間をかけることもトラブル対策になります。
マンションは自分の家族だけではなく、多くの他人と一つの建物内で生活を共にする場所でもあります。
そういった意味でも、マンションで飾る鯉のぼりは出し入れが容易なタイプが良いのかもしれません。
鯉のぼりのベランダ設置にこだわる必要があるのか
鯉のぼりとは本来、出世魚の鯉に縁起を担いだ「子供の成長を願う行事」に使うものです。
昔のようにマンションなど今ほど普及しておらず、多くが広々とした庭を持った戸建住まいならばドドーンと大きく見栄えの良い鯉のぼりをたなびかせるのもアリなのでしょうが、現代ではどうでしょうか。
そのような住環境にあるご家庭は、そう多くはないのでは?
核家族化が進み、マンションも含め狭小住宅化が進んでいる現在では、私は敢えて鯉のぼりを無理してベランダに飾る必要はないのではないかと思っています。
実際、今では室内用の素敵な鯉のぼりも多く出回っていますよね。
我が家は実は鯉のぼりは室内派でして、もうずっとこの室内吊り下げタイプを使っております。
長男が生まれた時に親戚からいただいたものなのですが、見た目も可愛らしく、でもボリュームもあってお気に入りです。
シーズンが終わればコンパクトに押し入れにしまえますし、とても便利(笑)
鯉のぼり、本来ならば外で悠然とたなびかせたいところですが、近年の住宅事情を考えるとそのあり方も変わってきて然るべきなのかなと感じます。
親が子供を思う気持ちは、鯉のぼりの大きさでは測れません。
大切なのは、家族で子供の成長を願う行事を一緒に楽しく過ごすことではないでしょうか。
それでもどうしてもベランダに鯉のぼりを…という方は、ご近所迷惑にならないよう「他所様の視界を邪魔しない」「絶対に落下させない」という点には注意して取り付けしてみてくださいね。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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