「マンションを買う人の気がしれない」
先日、主人が会社の同僚と住まいについての話をしていた時に、このように言われたそうです。
その同僚は戸建住まい。
それゆえ、分譲マンションに住む人の気持ちが本当に分からなかったが故のこの発言だったのかもしれませんが、言われた主人としては当然良い気はしなかったようです。
私はこの話を聞いて、「同僚さんはいろいろと損をしているなー」と思いました。
それは、「対人関係を上手に築けていないという損」と「視野を広げるチャンスを失っているという損」の2点に大きく分けられると考えています。
私たちの周囲には他人にたいして何かと否定的な物言いで接してくる人というのがいますが、どうしてそのような態度に出てしまうのか。
否定的な人の心理や対処法について今回は考えてみました。
否定的な人の心理とは
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誰か他の人から自分を否定されて、良い気分がする人はまずいないと思います。
これまでこちらのブログでも何度もお話していますが、私の母親も私の言動を全否定する過干渉型の毒親でしたので、自分を否定される気持ちの嫌さというのは身にしみて分かっています。
ですが、それでも会話をしていると、常に自分の問いかけに対して否定形で返答してくる人というのがいるものです。
「いや、でもさ~…」「ていうか…」「そうかなー」…などなど。
そのような人と話をしていると、「何話しても否定されてばかりでつまらない…」と感じるものですよね。
一方、こちらの話に全て同意してくれる八方美人タイプは「この人、自分の考えないのかな」と信頼性が欠ける点が気になったりもしますが、それでもこちらの考えに(表面上であっても)賛同を示してくれていると感じられる面では直接嫌な気持ちはしないものです。
では、否定的な人というのは、なぜ他人を否定するのでしょうか。
否定的な人も自分が否定されて嫌な気持ちになるという感情は分かっているはずです。
私が思うに、このような否定的な人には大きく分けて3種類のタイプがいるように感じています。
自己防衛のための否定
このタイプの否定的な人は、「自分がこれ以上傷つきたくない」という思いから、先に相手を否定します。
例えば、ママ友Aさんとママ友Bさんがいたとします。
ママ友Aさんのお子さんが早期教育として、幼稚園時代から学習塾(もしくは幼児教室のようなもの)に通い始めたとママ友Bさんに話しました。
Bさんもお子さんの教育には人一倍関心はあったものの、家庭の経済事情により子供の習い事にお金をかけられない状態。
そんなBさんは「幼児教室ってすごく良いよ」というAさんに対して、「そんな早い時期から子供に勉強って必要かな」などと言ってしまうケースが、まさに自己防衛のための否定です。
言い換えれば、コンプレックスや妬みの現れとも言えます。
このようにBさんから言われてしまったAさんとしては、当然面白くありません。
BさんとしてもAさんから「自慢話された」という印象を持ってしまいがちなので、両者の関係性は徐々に悪くなってしまいます。
ママ友格差の話でも以前書きましたが、家庭により生活状況や教育方針などは異なって当然のこと。
ママ友との生活格差に嫉妬する人の特徴と円滑なお付き合いができるための心構えとは。
上ばかりを見ていちいち嫉妬しているのは時間の無駄だと私は思いますし、そんな時間があったら自分のできる範囲内でできることを探す方が有益だと常々思っているのですが、世の中そのように考える事ができない人も多々いるものです。
優位性を保つための否定
これも自己防衛と繋がる部分があるのですが、「相手の意見を否定することで上下関係を有利にしようとする」否定的なタイプの人もいます。
上記のママ友さんの例で言えば、ママ友Bさんはママ友Aさんのお子さんの習い事を否定することで、「幼児期からの早期教育には意味がない」→「ママ友Aさんは無駄な事をしている」→「習い事をさせていない自分の方が賢い選択をしている」と、自分の優位性(正当性)を保とうとしている点です。
これは本当は、我が子を習い事に通わせられないママ友Bさんの負い目がある故の言動なのですが、BさんはこのようにAさんを否定することにより「Aさんに勝った」という安心感を得たいだけなのです。
AさんとしてはBさんから自分を否定されることで、多少なりとも「幼児教室、まだちょっと早かったかな」などと不安になるかもしれません。
それこそまさにBさんのような否定的な人にとっては思うツボなわけで、そのように相手を思い悩ませることで否定的な人は満足感を得ています。
否定されても「自分は自分だから」と受け流せる肝が据わった心は必要です。
自己顕示欲を示すための否定
SNSの記事でも書きましたが、多くの人は「他人に認めてもらいたい」「褒められたい」という感情を持っているものです。
SNS疲れが気になる方必見!他人の自己顕示欲と上手に付き合う方法とは?
そのため、会話をしていて相手の方がすごいと思った場合、それを否定することで自分の方がすごいと示すようにしてくる人もいます。
私は主人の同僚がこのタイプではないかなと思っています。
確かに、同僚の方は単に一軒家が大好きで、マンション住まいなど考えられないという人かもしれません。
ですが、我が家もそうでしたが、持ち家を購入しようかと夫婦で相談していた際、当然マンションと戸建てどちらにするかという話になり、どちらのメリット・デメリットも考えました。
我が家の場合は利便性や転売もあり得るという可能性から、戸建ではなくマンションを買うことに決めたのですが、おそらくその同僚の方もこのような検討は家族でされているはずです。
それでもマンション住まいに否定的な発言をしてくるということは、もしかしたら現在住んでいる戸建てに何らかの不満があって、あえてマンション住まいの主人を否定してきた可能性も考えられなくはありません。
逆に、戸建ての住み心地が良すぎて、本気で「マンションなんかのどこがいいの?」と思っている可能性もありますが…。
どちらにしても、この同僚の方は「自分が戸建てを買って住んでいる」という自負を、主人のマンション住まいを否定することで確固たるものにしたかったのでしょう。
住居の選択の仕方も個人の価値観や、何度も言うようにそれぞれの生活環境もあり一概にどちらが良いと言えるものでもないと私は思うのですが…。
否定されて良い気分になる人はいない
人はそれぞれ様々な考え方を持って生きています。
人の数だけ正義があると私は思っていますし、そのような固有の価値観を持った人が一つの社会で生活しているため、当然自分に合う人合わない人はでてきます。
会社で働いていても、専業主婦をしていても、何かしら日々他人と接するもので、それはいつも気の合う人ばかりではありません。
ですが、気の合わない人に対して毎回「私はそうは思いません」と突っかかりながら付き合うのは、対人関係を築いて行く上で得策では無いということは、多くの人が周知していることだと思います。
ほとんどの人が本音と建前で付き合っているのが現状。
そういう意味でも、今回の主人の同僚の発言は「相手を不愉快な気分にさせる」という点で対人関係上の損をしていると感じています。
考えの合わない人との交流は視野を広げるチャンス
では、主人の同僚は今回どのように会話すべきだったのでしょうか。
本当はマンションが良いとは微塵も思っていないのにマンション住まいの主人に会話を合わせる必要は、私はないと思っています。
本心では無い発言というのは必ずボロが出ますし、「本当に思ってるのかよ?」と相手に不信感を抱かせるきっかけにもなり得ます。
ですが、今回のように相手を真っ向否定するのも、相手との距離感を生んでしまう。
このように自分と考えが合いそうにない相手との会話では、私は相手に質問を投げかけるのがベストだと思っています。
今回の例で言えば、同僚は…
「マンション住まいってどんな感じ?」
「ご近所さんとの付き合いとかってあるの?」
などと、気になることを問いかければ、相手を不愉快な気分にさせる事もなかったはずです。
それだけでなく、実際自分が住んでいない分譲マンションの生活がどのようなものであるかも主人との会話から知る事ができます。
人間、自分にとって興味のない事や嫌いな事にはなかなか自分からは目を向けないものです。
ですが、人とのかかわり合いの中で、そのような興味のない分野に触れる機会があるというのは、自分の視野を広げる絶好のチャンスでもあります。
同僚の方はこういった会話をしておけば、「今まで一戸建てが絶対良いと思っていたけど、マンション住まいってこんな面もあるんだ」と今の生活では知ることができなかった意外な一面を発見できたかもしれません。
私自身、子供の頃からずっと否定ばかりされて育ってきたため、相手を否定したくないという思いが強く、長い間相手に合わせるということで対人関係を築いてきました。
ですがそれだと、自分の意思がない「つかみどころの無い人」という印象を相手に与えてしまうんですよね。
その結果、ずっと私の印象は「大人しい人」「人見知りな人」という印象だったようです。
ですが、相手の意見に添うという形から「受け入れる」という考え方に変えた時、自分と考え方の違う人との関わり方が分かってきたような気がします。
受け入れるためには、相手がどのように考えているのかを引き出す必要があります。それが質問です。
いろいろ聞いた上で「私はこんな風に思っていたけど、そういう考え方もあるんだね」と会話できれば、相手の考えも尊重した上で意思表示ができると思います。
会話というのは一方通行では成り立ちません。
必ず相手からの反応があって成立するものです。
なので、自分の意見を押し付けるだけではなく、相手を尊重した上での発言というのが対人関係を円滑にする鍵になると思っています。
自分と考えの合わない人と接する場合ついつい相手を否定したくなるかもしれませんが、そのような時は一呼吸おいて相手の考えを探るようにしてみましょう。
また、相手が自分の意見を否定ばかりしてくるようなら、これも相手の話を引き出すように疑問を投げかけるようにすると、会話のあいだの相手からの否定を多少減らす事ができます。
何度も言うように、自分と合わない人との会話は世界を広げるチャンスでもあります。
このように捉え方を変えるだけで、私は人付き合いがかなりラクになりました。
人生常に学びだという思いで日々生きていきたいものです。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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