長崎の精霊流しは幻想的で刺激的!見所や観光の際の注意点をまとめてみました。

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8月中旬の日本の行事「お盆」といえば、みなさんどのようなことを想像されるでしょうか。

 

父方・母方それぞれの実家に帰省して、家族でご先祖様のお墓参りをしたりするご家庭が多いかもしれませんね。

 

その際、親戚も一同に集まって、ちょっとした宴会のようにもなったりしますが、ご先祖様が帰ってくると言われているお盆の過ごし方といえば家族で静かに過ごすのが一般的なような気もします。

 

ですが、長崎のお盆はちょっと趣が違うのをご存知ですか?

 

私も長崎出身の主人と結婚して始めて長崎のお盆というのを知ったのですが、「精霊流し」という非常に幻想的で刺激的な催しがあります。

 

精霊流しと聞くと、川に小さな灯篭を浮かべて流すイメージかもしれませんが、長崎の精霊流しは少々異なります。

 

年々観光客も増えているという、長崎のお盆行事「精霊流し」について今回は見所や気をつけておきたいポイントなどについてお話しようと思います。

 

長崎の精霊流しにはどのような意味があるのか

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長崎独自のお盆行事が精霊流しです。

 

初盆の家庭が提灯や花などで飾り付けた精霊船を作り、長崎市内を船を担いで練り歩きます。

 

故人を極楽浄土へ送り出すための伝統行事だそうで、この精霊船は家族単位だけでなく町内単位でも作られます。

 

お亡くなりになった方の個性が垣間見られるように作られているのが船の特徴で、故人の写真を飾っているものもあれば、このように故人の人柄が偲ばれるものもあります。

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長崎精霊流し / vanda
大きさも大小さまざま。

 

成人男性が数十人で担いでいるような大きな船もあれば、こじんまりとした可愛らしい船もあったり(そのような船はペットを弔うものだったりします)し、それぞれが思い思いの形で故人を偲んでいる様子がうかがえます。

 

「お盆の迎え方は地域によりこれほど差があるんだなー」と、私は長崎で初めてのお盆を過ごした時に思いました。

 

そして、この精霊船は終点である大波止(近くにゆめさいとがある辺りです)まで担いで行かれるのですが、その間はただ黙々と歩いているわけではありません。

 

長崎の精霊流しには爆竹は必須

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船を担いでいる人の多くが「爆竹」を鳴らしながら歩きます。

 

この爆竹、ご存知の方はお分かりになると思いますが、着火すると凄まじい轟音を立てて燃え上がります。

 

 

 

爆竹は一箱にたいてい20連ほど入っているのですが、多くの人はそれを一つずつチマチマ燃やしたりはしていません。

 

大抵は箱ごと、それも手に持ったまま着火するので、もはや爆音とも言えるような大きな音が、精霊流しの間は市内あちらこちらに響き渡ります。

 

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私が目撃した時は、このようにダンボール単位で火をつけている方々もいらっしゃいました。

(箱の中は数量不明の爆竹がぎっしり…)

 

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火をつけると当然こうなります。

 

通常だとお巡りさんや消防車を呼ばれるレベルの出来事ですが、この精霊流しが行われる8月15日ばかりは路上で爆竹を燃やしてもOKなのです。

 

当日は夕方から深夜まで市内は交通規制が行われ、車両の通行はできなくなりますが、それでも一応市内至るところに警察官は立っています。

 

が、爆竹でこのようなことをしても注意されることもありません。

 

主人は子供の頃から精霊流しでする爆竹が大好きだったようで、今でもお盆に帰省すると爆竹をごっそり大人買いしてしれっと他所の精霊流しに加わり爆竹をならしています(笑)

 

この爆竹をならすという風習は、悪霊を追い払うという意味が込められているそうです。

 

そのため、お墓でも爆竹をならしたりするのだそう。

 

長崎以外だと怒られそうな感じですけどね。

 

ただ、故人を悪霊に邪魔されることなく極楽浄土まで送り届けるという意味を知ってこの爆竹の音を聞くと、また違った聞こえ方がするものです。

 

 




 

 

精霊流し見物におすすめの場所

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精霊流しを見物するなら、思案橋あたりがもっとも見やすいです。

 

17時頃から交通規制が始まり、精霊船が出始めます。

 

規制は23時くらいまでなので、その間はたくさんの船が爆竹をならしながら最終地点の大波止まで歩いていく様子を見物することができます。

 

昔は大波止から実際にその船を海に流していたそうですが、今では環境保護のため流してはいないのだそうです。

 

ただ、大波止では爆竹がもっとも盛んにならされている(燃やされている?)ので、爆竹の威力を体感したい方は大波止周辺で待機しておくと良いかと思います。

 

見物客はかなり多く、夜もふけてくるにつれ客足は増してきます。

 

小さなお子さんがいる方は迷子にならないようしっかり手をつなぎ、またスリも多いとのことで(義理実家情報)その辺にはくれぐれもお気を付けください。

 

精霊流しを見る時の注意点

迷子やスリもそうですが、精霊流しを見に行くなら「耳栓」は必須です。

 

 

我が家の長男もそうでしたが、爆竹の爆音に当時はかなり怖がっていて大変でした。

 

当日は近くのコンビニやスーパーなどでも耳栓は売っているのですが、我が家はいつも義理実家から脱脂綿を丸めたものをもらって耳に詰めていました。

 

脱脂綿でも十分防音効果はあるので、家にあればわざわざ耳栓を買う必要はないかもしれません。

 

ただ、地元の方は「あの爆竹の音を直接聞かないとお盆がきた気がしない!」という耳栓なしの強者もいるようですが、初めての方は必ず耳栓を準備して行かれた方が良いです。

 

船の担ぎ手の方が突然近くに火のついた爆竹を投げてきたりすることもあるので、思いの外近くで爆竹の音を聞くこともあります。

 

また、精霊流しを見に行く際は、多少燃えても良いような服装で行くことをおすすめします。

 

というのも、自ら爆竹をする主人などは毎年爆竹による火の粉を全身に浴びるため、終わって帰ってきた時には服は燃えて穴だらけだったりします。

 

実際爆竹をすることはなくても、先述したように他所の爆竹が飛んでくることもあるため、洋服は多少燃えても惜しくないようなものがベストです。

 

爆竹をする主人には、毎年すでに穴の空いた服を「精霊流し用」として着てもらっています(笑)

 

 




 

 

長崎の精霊流しの意味を見失わないことも大切

このように他県出身者からみると少々派手にも思える長崎の精霊流しですが、お盆に故人を弔う行事という点では全国的に共通したお盆の過ごし方と言えます。

 

ですが、当日は爆竹の轟音はあり、船の担ぎ手も飲酒しながらだったりと比較的自由な雰囲気なので、毎年しっとり家でお盆を過ごしている方にはギャップが大きく驚くこともあるかもしれません。

 

ですが、それも一つの文化と捉え、私はこの長崎独特のお盆行事である精霊流しはとても素敵なものだなーという印象があります。

 

亡くなって間もない故人をただ悲しみの中供養するだけでなく、きらびやかに装飾された精霊船とともに送り出すのは、亡くなった方も天国で楽しんでいるように思えます。

 

ただ、そのような背景を知らずにただのバカ騒ぎできる祭りだと思って参加されるのはちょっと違うような気がします。

 

実際、当日はいろんな騒ぎがあるので市内随所に警察官が配置されているのですが、精霊流し当日は船を出されている方々の思いも考えて、本来のその意味を見失わないような気持ちが見物客にも必要ではないかと思っています。

 

乱闘騒ぎなんて以ての外。

 

ほかに類を見ない長崎の素晴らしい季節行事である精霊流し。

 

是非一度体験していただきたい催しです。

 

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