「小学校の役員決め、憂鬱だな~」
新年度が始まると、小学生ママさんはこんな思いに悩まされる人も多いかと思います。
我が子が小学校に入学したばかりで、PTAというものがどのような存在なのかわからなくて不安な人。
まだ役員をやったことがなくて「今年こそはやらないといけないんじゃないかしら…」とドキドキしている人。
我が子が卒業の年となり、「役員、やるべきか逃げ切るべきか…」と、もはや大博打(おおばくち)に乗り出した心境の人。
いろいろなママさんの思いが交差する春なのですが、小学校3年生になった長男のクラスの今年の役員決めも例年同様、立候補多数であっという間に決まってしまいました。
以前も記事で書きましたが、大変と言われる6年生役員を避ける保護者が多いため、小学校低学年~中学年の役員決めは逆に役の取り合いになるケースが多いのです。
最初のうちはじゃんけんなどで奪い合いで役員を決めていたのが、これが6年生になると、役員未経験の保護者は下をむいて非常に重苦しい空気が流れるのだとか…。
そして、みないろいろな理由をつけて役員を逃れようとするのですが、この時の断り方によっては他のママさんからブーイングを受けてしまうような場合もあります。
私も幼稚園の役員はいろいろ経験してきましたが、私も実際にとある断り方で失敗した過去もあります(後述)
では、どのような断り方がトラブルになりやすいのか。
実体験から…
「断る理由としては微妙(人によってはアウトと思われる可能性あり)→△」
「断る理由にできない→×」
という評価で7つのフレーズを紹介したいと思います。
1.仕事をしているので(×)
小学校役員を断る理由として最も多いと思われるのが、この「仕事をしているので(できません)」というものです。
一見もっともな理由として役員免除になりそうですが、実はこれがいろいろな理由でそうはならないという現状があります。
まずは、仕事を持っているママさんが近年増加傾向にあるという事実。
厚生労働省によると、共働き世帯は1997年を境に年々増えています。
(出典:厚生労働省HP より)
その世帯数は1,000万を超えており、すでに専業主婦世帯を上回っているのです。
我が子が小学生になると、正社員でなくともパートとして働きにでるママさんも多くなります。
そうなると、仕事の有無で小学校役員を選んでいくこと自体が難しくなりますし、仕事をしながら役員任期を終えたママさんからは「私、仕事しながら役員もやったんですけど~」と不満がでる原因にもなります。
小学校によっては、「有職者も専業主婦も平等に役員をやってもらいます」と最初から決められているところもあるので、「仕事をしているから」という理由での断り方はアウトになります。
2.転勤の予定があるので(×)
私も転勤族だったので、役員決めの時にこれを理由にしたい気持ちはよくわかるのですが、これも断る時に言ってはダメなフレーズだと思っています。
転勤の可能性がある身としては…
役員仕事が中途半端になって迷惑かけないかしら…
と悩むものですが、転勤の可能性だけで役員を断る理由にしてしまうのはとても危険です。
言っても良いのは、確実に転勤があるとわかっている時だけです。
確かに、転勤で転校するとなった場合、途中で役員をやめなければならないことで周りに迷惑はかけます。
ただ、転勤があるかないかあやふやな状態の時にそれを理由に役員免除をしてもらった場合、仮に転勤がなかった時はただのうそつきになってしまうからです。
「あの人、役員したくなかったから転勤って嘘ついたのよ…」と陰口をたたかれても仕方がない状態になります。
私も主人の仕事柄、転勤の噂が出てから決まるまでに時間がかかる家庭だったので、そのようなわかりにくい状態の時は…
転勤の予定がありますが、それでもよければ…
と返事をしていました。
役員仕事に対しては、「~だからできない」ではなく「~ですがやります」という前向きな発言をした方が周囲の印象は良くなると思います。
3.引っ越してきたばかりなので(×)
実はこのフレーズ、私が幼稚園役員(それも班長的な存在)に抜擢された時にうっかり言ってしまい一部ママさんの反感をかったものです。
本当にその土地自体が初めてで、いろいろなことがわからない状態だったので、その上役員まで~!とテンパった結果、つい口に出た言葉でした。
が、これは「役員なんて、誰も最初は初めてなんだから…」ということで、結局役員のオサを引き受けたのですが、確かにそう言われるのももっともだと今となっては思います。
私のように「初めてだから」「未経験だから」を免除理由としていては、そもそも入園・入学したての保護者は役員なんてできなくなります。
ここでも「引っ越してきたばかりなので(できません)」ではなく、「引っ越してきたばかりでご迷惑をかけるかと思いますが(やります)」と言っておけば良かったと、今でも反省している部分です。
4.他校でやっていた(×)
引越しつながりではありますが、転校前の小学校での役員経験を持ち出して、現在在籍している学校での役員を免除してもらおうというのも周囲の反感をかいます。
転勤族としては、1回役員をやったのに転校でまたやらなきゃならないという理不尽感は痛いほどわかるのですが、正直、その小学校の他の保護者にとってはそんな転勤族の理由なんて知ったこっちゃない!という場合が多いです(転勤族はほんと何かと大変…)
「そんなの言い訳にならない!ずるい!」と思う保護者も実際にいます。
1子につき1回の役員経験を必須としている小学校も多く、人数の少ない学校では1子につき2回というケースもあります。
役員にかんしても、小学校ごとに細かく決まりはあるものなので、そこのルールに従って行動することが大切です。
5.親の介護があるので(△)
親の介護のために役員ができないというのもよく聞く断り方のひとつですが、これはやや微妙です。
そもそも、親の介護という事実が本当なのかどうなのか疑われやすいという問題があります。
確かに、認知症や寝たきりなど家庭の状況によっては、親の面倒をみなければならないのがママさんひとりの肩にかかっているケースもあるでしょうし、そうなると介護は一日つきっきりになり、役員仕事どころではなくなります。
ただ、それを証明する手立てがない以上、保護者によっては…
「嘘ついてるんじゃない?」
「役員の仕事、別に毎日あるわけじゃないのに…」
と訝しい(いぶかしい)目をむけてくる人もでてきます。
ちょっと買い物しているところを目撃されただけで「なんだ、暇じゃん」と言われたり。
本当に役員仕事が全くできないくらいの要介護度の高い家族をお持ちの方は、事前に役員さんに個別相談するなどがベストです。
6.下の子が小さいので(△)
小学校によっては幼児連れでの役員会議出席を断っているところもあるようで、そのような学校の場合は未就園児のいる家庭は役員を免除されることもあるようです。
ただ、多くの小学校では未就園児がきょうだいにいるからと言って、役員を断る理由にはならない場合が多いように感じています。
現在長男が通っている小学校でも幼児連れの役員さんなんてたくさんいますし、長男が2年生の時のクラス委員さんは、まだ腰の座っていない赤ちゃんのママさんでした。
下の子がいるからという断り方は、その小学校の役員選びの基準によって可否が決まってくるものなので、事前リサーチが必要かと思います。
7.他の学校(園)の役員をやっている(△)
きょうだい児が多い場合、いろいろなところで役員を経験することも多いかと思いますが、かけもちを理由にした断り方にも注意が必要です。
実は、役員をかけもちでされているママさんというのは意外と多かったりします。
私が知っている方では、小学校・中学校・幼稚園と役員を3つかけもちされているママさんがいました。
そうとう忙しそうではありましたが、全ての役員仕事の日程が重なることもそうないですし、そのため他で役員をしているから免除にして欲しいというのは理由にならないと捉えられる場合もあります。
逆に、小学校によってはかけもち不可のところもあるようなので、これも在籍している小学校の決まりに従うのが無難です。
小学校役員を断れる理由は?
1.役員を経験したことがある
多くの小学校では、1子につき1回の保護者の役員経験が求められますが、それをすでに終えているという人はその後の役員を免除されます。
ただ、これも小学校によりさまざまで、1学年1クラスというような少人数の小学校では、1子につき2回役員をすることが暗黙の了解というような話も聞いたことがあります。
なので、そのような小学校の場合は「1回やったからもうしなくてよいでしょ?」とは言えない場合も多々あるため、その小学校の雰囲気をよく見ておくことが必要です。
2.妊娠中である
本年度中に出産予定のある方は、多くの場合役員を免除される傾向にあります。
出産前と出産後は確実に仕事ができない期間というのがあるため、妊娠している方は早めに伝えておいた方がよいです。
ただ、たまにトラブルになるのが「今年、妊娠予定です」などというママさん…。
予定は未定なので、こういうことは確実に妊娠してから言うようにしましょう。
ポジティブな断り方をすると好印象
小学校役員を断りたい場合は、ポジティブな言い方の方が相手に印象良く伝わります。
先程もチラっと書きましたが、「○○なのでできません」というよりかは「○○なのでこういうお仕事ならできます」などという言い方の方が、相手に前向きな姿勢が伝わります。
「フルタイム勤務なので、PTA役員なんて私にはつとまりません」
↓
「フルタイム勤務なので、家でできる仕事であればご協力できるかと思います」
同じような内容を言ってはいるのですが、後者の方がやる気が感じられますよね。
無理する必要はないが協力姿勢は持っておこう
保護者はみなさまざまな事情を持っているものです。
どうしても都合がつかない事・得意な事・不得意な事…家庭環境により、役員仕事もどこまでできるのかというのは人により違ってきます。
小学校の役員というのはボランティアなので強制力があるものではありませんが、自分がやっていない時は、必ず他の誰かがやってくれています。
そんな中、自己都合ばかりを優先してどう役員仕事から逃げようかと考えるよりも、今の自分にはどんな仕事が無理なくできるかを考える方が、自分にとっても、また周囲にとってもハッピーになるのではないかと私は考えています。
それぞれが補い合いながら役員仕事を回していくことが、現在のPTAをうまく運営していくコツではないでしょうか。
ただ、このPTAという制度もそろそろ変革期にきているのではないかと私は思っています。
PTAができた時代と今の時代の子育て環境があまりにも違い過ぎますからね。
詳しく書くとすでに長すぎるこの記事がさらに倍くらいになりそうなので割愛しますが、今の子育て世代のママさんというのは本当に忙しすぎます。
家事に育児に仕事に…となると、なかなか自分の事も満足にできないというのが現状です。
特に育児にかんしては、以前は同居家族で手の空いた人がみていたような環境から、ファミサポなどにお金を払ってそれを代行してもらうような時代になってしまいました。
PTAも、もっと地域の元気なお年寄りに協力してもらうような制度に変わっていっても良いのではないかと個人的には思います。
とはいえ、そのような変更にはなかなか時間がかかる日本。
小学校役員の断り方でトラブルを起こさないためにも…
■自分に無理せずできる仕事・時期を明確にしておく
■ポジティブな言い方を意識する
■小学校の役員事情にかんする情報を仕入れておく
これらを念頭において、小学校の役員決めに望んでみてください。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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