先日、小学2年生の長男の授業参観がありました。
今年度最後の参観日ということで、今年一年の成長について子ども達一人ひとりが作文にまとめ、発表するという内容でした。
そこでの長男の作文内容に、わたくし愕然。
冒頭初っ端から「ドリブルができました」と読み始めた長男。
私たち夫婦は、長男がバスケを始めたことを知っているので、それがバスケについての内容だと理解はできたものの、それを全く知らない人にとっては「何の?」という内容です。
もともと長男は普段の会話であっても主語をつけずに話し始めることが多く…
ねえねえ、おかあさん
なあに?
できるわけないよね?
なにが?
できるわけないよね??
な・に・が??
だーかーらー!できるわけないよねって言ってるでしょ!!
なにが、できるわけないの??(また主語がない…)
こんな会話を5分以上繰り返していることも多々あります。
この時は「ゲームができるかどうか」ということを聞きたかったのだと後に判明したのですが、このように会話文であっても正しい文章を話すことが難しい長男。
作文となると尚更ひどい有様になってしまいます。
長男の国語力アップ作戦は過去にもさまざま取り組んでおりまして、読書感想文対策としていろいろやってみたりもしました。
ですが、今回の長男の様子から「日常に取り入れやすい国語力アップの方法はないだろうか」と考えたところ、ひとつもってこいなものを思いつきました。
それが絵日記です。
思い立ったら即行動ということで、さっそく長男に毎日絵日記を書かせるようにしたところ、これが意外と子どもと親の双方にとって多くのメリットがあるように感じています。
今日はそんな、小学生の国語力をつけるのに役立つ(と思われる)絵日記についてお話しようと思います。
長男に絵日記をさせようと思った理由
私が長男に絵日記をさせようと思った理由は、大きく3つありました。
1.自分で考えて文章を組み立てる力がつく
日記というのは、いわばその日一日の行動記録です。
今日を振り返り、「何があったのか」「どう思ったのか」を順序立てて書くものですが、これが意外と頭をフル回転します。
私もかれこれ10年くらい家計簿兼ミニ日記という形で日々の記録を続けていますが、ほんの数行書くだけの日記でも「何があったかなー」としばらく思いを巡らせるものです。
少々話が脱線しますが、とある発達障害の講演会に行った時に聞いたのですが、我が子に「今日、幼稚園で何があった?」と聞くお母さんが多いのだけど、この質問に答えるのは幼児にとって相当難易度が高いというお話がありました。
過去の記憶を呼び起こして、それを文章にし、口に出して相手に伝えるという、複数の高度な過程を経ているからだそうです。
質問内容が「今日、幼稚園でブランコした?」などであれば、一問一答方式で「した」「しなかった」と答えやすいのですが、漠然とした質問内容だと自分で考えをまとめなければなりません。
日記はこの要素が満載なので、自分で考えて文章を作る良いトレーニングになると私は思っています。
2.漢字学習にもなる
(↑時計学習にもなっています…)
日記の中で習った漢字を自然と使うことで、漢字学習の復習になるというメリットも感じています。
小学校の宿題で漢字の書き取りというものはあるのですが、実際、子どもがそれ以外で漢字を書く機会ってほとんどないのではと思います。
女の子だとお友達とお手紙交換をしたり、おばあちゃん等に手紙を書いたりするのが好きな子もいたりするかもしれませんが、我が家の長男を見る限り、このような様子は全くみられません。
年賀状も、あけましておめでとう以外に何を書いたらよいかわからないなどと言うレベルです。
私も実感していることですが、漢字は書かないとどんどん忘れていきます。
(今は特にパソコンなどで文章を書く事が増えたので、実際に漢字を書こうとしても書けないことが多いんですよね…)
こういった漢字の復習も、勉強という形ではなく絵日記を書くなかでそれとなくできてしまう点も絵日記おすすめポイントです。
3.親子のコミュニケーションがはかれる
長男が書いた絵日記は、私が毎日添削しています。
添削というとやや仰々しいのですが、私がそれをすることで…
■長男自身が語句や文章の何がおかしいのかに気付くことができる
■私も長男の一日の様子が良くわかるようになる
■私が長男の日記にコメントすることで、長男も私の反応を嬉しく思っている様子
■長男の文章の癖・苦手な部分がわかる
■絵も合わせて書くことで、記憶を呼び起こしやすくなる(絵の練習にもなる)
このような事が実感できるようになりました。
中でも私がもっともメリットを感じているのは、絵日記の添削を通じて親子のコミュニケーションがはかれるところです。
添削というのは、もちろん字の間違いなどを訂正したりもするのですが、私は長男が書いた日記の内容に対して必ず一言感想を付け加えます。
長男にとっても、自分が書いた日記を読んだ親の反応を見ることはうれしいようですし、そうすることで訂正した箇所も同時に良く読んでくれています。
長男の場合、弟が自閉症スペクトラム児ということで、日頃なかなか親にかまってもらえないというさみしい思いも心のどこかにあると思うのです。
また、私自身も次男の相手に忙しく、なかなかゆっくり長男の話を聞いてやれずに「今日は学校で何をして過ごしていたのだろう」と思う日も少なくありません。
ですが、絵日記を始めてから、「今日は学校で分数を習いました」などと書いてくれるので、私も長男の様子がわかりやすくなったというメリットもあります。
絵日記添削のポイント
私は、かつて予備校の小論文添削の仕事をしていたこともあり、文章添削については結構自信があるほうです(こんなくどいブログ書いてますけどね 笑)
ですが、予備校生の文章を添削した経験はあっても、小学生の文章というのはこれまで添削した経験がありませんでした。
そこで、私なりに下記の3つのルールで、長男の絵日記を添削することにしました。
1.肯定的表現で評価する
漢字の間違いなどにかんしてはしっかり指摘はするのですが、その際も否定的な表現は使わないようにしています。
長男の書く字は汚いのですが、それも「丁寧にきれいに書くと、読みやすくなります」などと前向きに添削しています。
また、「ドリブルの れんしゅうで おこられました」という文章があったのですが、これも私は状況を知っているので「あー、自主練習で主人から怒られたアレだな」と察しがつくのですが、読み手を意識した文章としては、情報が少なすぎます。
(そもそも日記自体が多くの読み手を想定した物ではないんじゃないか…という議論はここでは無しでお願いします。あくまで子どもとの関わりの中のひとつのツールという認識ですので)
なので、ここでも「『誰に』『何の』練習で怒られたのかを書くと、もっとわかりやすい文章になります」などと添削しました。
そして、日記の中で必ずひとつ褒めるポイントを作っています。
「一日の様子が良く分かる上手な文章ですね」とか。
すべて前向きにコメントをすることが、子どもの意欲を失わせないポイントだと思っています。
2.漢字をたくさん使ってコメントする
私は、長男が小学校で習っていないであろう漢字もフルに使ってコメントを書いています。
その際、「読めないかな」と思われる漢字については必ずふりがなをふっているのですが、そうすることで、長男も自然と漢字に触れる機会が増え、語彙力が上がっていくのではと考えています。
意味のわからない言葉は、本人が聞いてきますしね。
書けないけど読める漢字があることで、実際に学校でその漢字を習った時にもとっつきやすいと思います。
だから敢えて、私は添削文を子ども向けにやさしく書いたりもしていません。
3.事実に対しての感想も入れる
言葉や文章の添削だけだと、子どもはつまらなく感じると思います。
前向き表現であっても、どこを読んでも「こうした方が良い」という私からのメッセージばかりでは、長男も次第に日記に対しての張り合いを失うのではないか、と。
なので、私は長男が書いた文章の内容に対する感想を必ず書くようにしています。
「プール、頑張っているね」などと、長男が書いたことに対して私が反応することで、長男も私の添削を楽しみにしてくれるようになりました。
褒める育児、頑張っています(笑)
絵日記はゆるく長く続けるのがコツ
私自身も日記を長く続けていて思うのですけど、過去に書いたものをあらためて読み直すと非常におもしろいです。
長男が今書いている日記もどれだけ続くかわかりませんし、思春期がくれば「なんで俺のプライベートを親に晒さないといけないんだよ」と気づいてしまう日は間違いなくやってくるでしょう。
でも、親子の関わりを楽しむひとつの方法として、私はこの絵日記を長男が続けたいと思ってくれる限りやっていきたいと考えています。
最初は、長男のヤバめの文章力に危機感を覚えて始めた絵日記でしたが、今ではどちらかというとこの親子のコミュニケーションの側面が強いです。
なにより、私自身がやっていて楽しいので。
ただ、この絵日記もガチガチに決まりを作って取り組んでしまうと、義務感の方が強くなってしまって、子どもにとっても苦痛な存在になってしまう可能性もあります。
なので、我が家の場合…
■日記の内容はどんなことでもOK
■書き方も文法的間違いがなければ特に指摘しない
■日記は寝るまでに書けばいつ書いても良い
■添削は必ず翌朝までにしておく(私の中での決まり)
このような感じで、わりとゆるめに絵日記は続けていく予定です。
作文としては起承転結があったり、自分の感想・感情を入れる部分もあった方が良いかと思うのですが、今の長男にはそこまで要求はせず、「書きたいように書く」「ただし、正しい文章で」ということだけ伝えています。
楽しんで身につくというのが一番の理想ですね!
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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