「あ!前歯に穴があいて血が出てる!」
ずいぶん前のことですが、長男の歯を仕上げ磨きしていた時のこと。
下の前歯の一本がすり減って穴があき、そこから出血しているのを見つけました。
「これは歯ぎしりが原因に違いない」
そう思った私は、翌日早速長男を歯医者に連れて行ったのですが、予想通り歯の穴の原因は長男の歯ぎしりによるものでした。
そんな穴のあいた長男の歯は結局どうなってしまったのか。
子供の歯ぎしりとの関連から長男に起こった出来事をまとめてみたいと思います。
歯ぎしりをする子供は意外と多い
歯医者さんのお話によると、歯ぎしりをする子供というのは全体の20%ほどいるそうで、意外と多いのだそう。
長男は乳歯が生え揃った頃から5~6歳くらいまで結構ひどい歯ぎしりがありました。
それは主に睡眠中で、ガリガリギリギリすごい音を立てて歯ぎしりをするので「このままじゃ歯がなくなるのではないか…」と当時はとても心配していたものです。
こちらが長男4歳のときの写真。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、下が長男5歳のときの写真です。
成長により体格が変わってはいますが、歯が短くなっているのがお分かりになるかと思います。
そして、私の心配通り、長男の歯は日に日にすり減っていきまして、歯医者で定期的にフッ素塗布などをしてもらう際にも…
「お子さん、歯ぎしりひどいでしょ?歯がだいぶすり減ってるね」
と歯医者から指摘されていました。
特に目立っていたのは上下の前歯で、笑った時に見える歯は縦の長さが2~3mmしかないのではないかと思えるほど、乳歯の生え変わり時には小さくなっていました。
「このまま放置しておいて大丈夫かしら」
「でも歯ぎしりをやめさせるのって可能なの?」
など私にはいろいろな疑問があったのですが、歯医者からは「子供の歯ぎしりは様子見で大丈夫ですよ」と言われていました。
歯ぎしりの原因はストレスの可能性も
子供の歯ぎしりにかんしては、このように考えられているようです。
- 子どもの歯ぎしりのほとんどは一時的なもので、子どもの気持ちが満たされないストレスとしておきてい ることがあります。また、かみ合せの調整としてみられる歯ぎしりもあります。年齢とともになくなっていくことが多いです。そのまま様子をみてもいてよいと 思いますが、歯並びに問題があったり、歯が過度にすり減ったり、あごを痛がったりするようであれば、小児歯科専門医に相談してください。
出典:日本小児歯科学会HP より
かかりつけの歯医者からも、歯ぎしりの原因として考えられる理由の一つに「ストレス」があることを指摘されました。
長男のストレスといえば、当時の私は十分思い当たる節がありました。
次男の妊娠・出産や、転勤による引越しや幼稚園の転園…など、長男にとって目まぐるしい環境の変化があった頃に歯ぎしり全盛期でした。
次男に発達障害が分かり自閉症スペクトラムと診断されてからも、長男にはなにかと我慢をさせることが多かったので、きょうだい児としての接し方などを私なりに模索していた時期でもありました。
「発達障害児」と「きょうだい児」を一緒に育てる上で注意すべきポイントとは。
「長男はどこかで寂しい思いをしているのかもしれない」
そう思った私は歯ぎしり対策をするよりも、長男のストレスケアに努めようとしていたのですが、歯ぎしりには他にも原因があることを知りました。
歯ぎしりは顎の成長を促す通過点
Destination: pillow / quinnanya
上記の日本小児歯科学会の引用文にもありましたが、子供の頃の歯ぎしりは成長の過程で起こる一時的なものという場合も多いそうです。
子供の「噛む」という動作はまだ未発達であり、歯ぎしりをしながらかみ合わせを自然と確認しているんだそう。
子供の頃はまだしっかりかみ合わせが定まっていないので、そうやって自分なりの歯の固定位置を探しているような状態みたいですね。
実は、長男も次男も乳幼児の頃に常に下顎が出ていて「これって不正咬合ではないかしら」と心配し、二人共歯医者に相談したことがあるのですが、その時もたしかに「このくらいの時期はまだかみ合わせが固定していないから大丈夫」と言われたことがあります。
乳歯が生えている間はこのように顎もどんどん成長している時期なので、多少の歯ぎしりも過度に心配することはないとの歯医者の話でした。
ですが、長男の場合は、その歯ぎしりによって歯に穴があいて出血してしまいました。
その穴のあいたところから白いゴムのようなもの(後に神経とわかったのですが)まで飛び出した状態になっていて、「これは緊急事態だ!」と歯医者に駆け込んだのですが、結果は意外なものでした。
穴の原因は乳歯の生え変わり時期と関係していた
たしかに、長男の歯は歯ぎしりによって全体的に摩耗したような状態でした。
ですが、歯医者でレントゲンを撮り確認してもらったところ、長男の穴のあいた前歯は歯根吸収が進み、もうまもなく乳歯が生え変わろうとしている段階だということがわかりました。
一般に生え変わりの時期になると、乳歯の歯根(歯肉に埋まっている部分)が溶ける「歯根吸収」という現象が起きます。その結果、乳歯がぐらぐらし始め、自然と抜けるという仕組みです。
出典:長崎県歯科医師会HP より
レントゲンでも乳歯のすぐ下に大人の歯がスタンバイしているのが写っており、歯に穴があいてしまったのも、歯ぎしりが直接の原因というよりかは歯根吸収が進んできている結果だと言われました。
ということで、歯が自然と抜けるのを待つということで、特段の処置などなく帰宅しました。
歯が抜けるまでは歯磨きの度に穴のあいた部分から出血し、見ているこちらの方が痛くてしょうがなかったのですが、本人は見た目ほど苦痛はなかったようで。
(実際、自分では見えない部分ですしね)
歯もまもなく抜け、今では立派な大人の歯が生えていますが、現在は歯ぎしりもやんでいるため、永久歯はすり減ることなく綺麗に生え揃っています。
乳歯は永久歯と比べるとやわらかいため、歯ぎしりなどでもすり減りやすいそうですね。
永久歯になるとたとえ歯ぎしりをしても簡単にすり減ることはないようですが、それでも大きくなっても歯ぎしりがおさまらないような場合は、1度歯医者にご相談されることをおすすめします。
私も長男の歯に穴があいて出血していたのを見つけた時は軽くパニックになりましたが、今回の結果から歯ぎしりは「子供の成長過程」のひとつなのだなーと実感しました。
子育てって本当に学ぶことが多いですね。
子供にはそれぞれ成長の仕方がありますので一概に言えない部分もありますが、お子さんの歯ぎしりが気になっている方は、まずは落ち着いてかかりつけ医にご相談すると良いと思います。
私もこの出来事はとても勉強になりました。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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