子供の癇癪を減らすには家庭でのルール作りが効果的。落ち着きが出てきた我が家の次男の実例。

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我が家の次男は現在4歳。自閉症スペクトラムと診断されています。

 

こだわりと癇癪が強く、特に癇癪は一旦起こしてしまうと手がつけられなくなる程大暴れしてしまうので、親としてはほとほと手を焼いておりました。

 

「おりました」と過去形なのは、実はそんな次男の癇癪が最近減ってきているからです。

 

これまでは1日に2~3度は大きな癇癪を起こしていた次男ですが、最近では3日ほど連続で癇癪をまったく起こさない日もあり、起こしたとしても今までのように大爆発することも減ってきました。

 

親としては次男の嬉しい変化に喜ぶやらびっくりするやらという感じなのですが、それにしてもなぜ急にこのように次男の様子が変わってしまったのか、私としても不思議に思っておりました。

 

そんな中、先日次男が通っている療育園で言語聴覚士さんと面談する機会があったのですが、そこでのやり取りで、次男の癇癪が激減した理由が判明しました。

 

次男の癇癪が減るちょうどその頃から我が家が取り組んでいた事に原因があったようなのですが、それというのが「次男とのルール作り」でした。

 

今日は、癇癪とルール作りの関係性などについて、言語聴覚士さんからお聞きした話なども交えながら備忘録的にまとめてみたいと思います。

 

次男の癇癪の具体的な変化

次男のこれまでの発達過程のまとめは別途記事として過去にも書いていましたが、2歳前くらいから本当にひどい癇癪持ちでした。(詳しくは下記をご覧下さい)

arrow47_004次男の発達障害(自閉症スペクトラム)が判明するまで【1】:0~1歳までの成長記録まとめ

arrow47_004次男の発達障害(自閉症スペクトラム)が判明するまで【2】:1~2歳までの成長記録まとめ

arrow47_004次男の発達障害(自閉症スペクトラム)が判明するまで【3】:2~3歳までの成長記録まとめ

arrow47_004次男の発達障害(自閉症スペクトラム)が判明するまで【4】:3~4歳までの成長記録まとめ

 

癇癪の原因はさまざまで、主に「本人の思い通りにいかない場合」で癇癪が起こっていました。

 

例えば、おもちゃで遊んでいて突然壊れてしまった場合や、エレベーターで先に人が乗っていた場合(ボタンを押したかったのに押せなかった)などで激しい癇癪を起こします。

 

それが30分から下手をすれば小一時間ほど続くため、次男の癇癪による家族の負担は相当なものでした。

 

一旦癇癪を起こすと何をどうしてもダメなので、周りとしてはただただ傍観するしか手段はありません。

 

本当に本当に大変なのですが(大事なところなので2回言いました)、このような次男の癇癪がここ最近非常に落ち着いてきています。

 

具体的には、「癇癪が起こりそうだな」と思われるグズグズした状態の時に次男に「今はこうだからこれはできないんだよ」などと説明すると、納得してスっと気持ちを落ち着けてくれる事が増えてきました。

 

そのため、次男としては思い通りにいかなかった場合でも、大きな癇癪とならず、たださめざめと泣いているような様子が見られることも多くなりました。

 

「この次男の変化は何なのか」と改めて考えていた時、次男のこのような様子が見られだしたのが、私が次男とある取り組みをしだした頃と合致している事に気づいたのです。

 

長男の影響で次男がDSを始める

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以前、長男のDS熱中記事を書きましたが、その頃から次男もDSをしたがるようになりました。

arrow47_004小学生の長男にDSをやらせた結果現れた影響3つと子供にゲームをさせる上で我が家が気をつけている事。

 

正直、次男にはまだDSは早いという思いが私にはあったのですが、兄弟姉妹を育てていらっしゃる親御さんなら共感いただける事かもしれませんが、末の子になるほど上の子の影響で何事も早く始めてしまうもの。

 

次男もそうで、お兄ちゃんがやっていることを自分もしてみたいと興味を示し、そんな次男に長男が得意げにゲームの仕方を教えてあげた結果、次男はすっかりDSのマリオにハマってしまいました

 

ゲームは脳の発達段階にある子供に長時間させる事は悪影響になると研究でも証明されているようなので、私としては次男にはなるべくまださせたくなかったのですが、長男との絡みもあり、「こうなってしまっては仕方がない!」と腹をくくり、DSに関しては次男と2つのルール作りをすることに決めました。

 

ルール1:すべき事をしたらDSができると決める

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次男の場合は、DSをして良い時間帯は朝に決めました

 

理由としては、朝起きてすぐに「ゲームする」と毎日のように次男が言っていたため、そんな次男の意向を汲む形を私がとりたかったのです。

 

ですが、朝ゲームをするためには、私は次男に「すべき事をすべてし終えてから」というルールを設けました

 

具体的には、朝の準備(食事・歯磨き・着替え・排泄・幼稚園の支度など)をすべて一通り終えてからでないとゲームはできないよということを日々次男に言って聞かせました。

 

最初からすべて自分一人ではなかなかできませんでしたが、ひとつの行動を終えるたびに、次は何をしないといけないかを毎日教えていました。

 

そして、それがすべてできたら「幼稚園に行くまではゲームして良いよ」と言って、次男にDSをさせていました。

 

これを毎日繰り返すことで、次男は最終的には朝の準備をすべて自分でできるようになり、それを終えたあとに私に「ゲームしていい?」と聞いてくるようになりました。

 

これまではこの朝の準備が思うように進まなかったので、これがすんなりできるようになっただけでも私としては非常に助かりました。

 

もちろん良いことばかりではなくて、ゲームをずっとしていたい次男は最初は「まだゲームするの!」と幼稚園に行く時間になっても駄々をこねて癇癪を起こしていた時もあったのですが、そこは私が「約束が違う!ゲームは幼稚園に行くまでしかできない」と断固として折れずに対処しました。

 

それを繰り返すことで、今では次男に「もう少しで幼稚園に行くからゲームやめてね」と言うと、きちんと約束を守れるようになりました。

 

 




 

 

ルール2:DSは1日に1回朝だけと決める

我が家にはDSは2台あるのですが、子供が遊んで良いDSは1台しかありません。

(というか、子供達は2台目の存在を知りません 笑)

 

なので、一人がDSをしていると必然的にもう一人はできないわけで、そのような理由もあり、次男には「DSをして良い時間は朝だけ」というルールも設けました

 

次男には、「朝は次男君、夕方はお兄ちゃんがゲームをするから」と説明しました。

 

ゲームは1日に1回だけというのも何度も言い聞かせています。

 

私自身、やはりゲームの長時間使用というのが気になっている事もあり、なるべくゲームをする時間は短時間にしておきたいという思いがあります。

 

そのため、長男には「30分だけ」と時間で伝えてはいるものの、次男の場合はまだ時間の概念が持てていないため、「幼稚園に行くまでの時間」という大雑把な括りでゲーム時間をコントロールしています。

 

最初は降園後も「ゲームしたい!」とごねていた次男でしたが、この「1日1回朝だけ」も徹底しました。

 

すると、これも次第に次男の中でルール化できてきたようで、今では帰宅後にゲームをしたいということもなくなりました。

 

長男がDSを横でしていても、次男は自分で何やら別の事で遊んでいます。

 

私としてはこのような次男の変化から、次男との関わりが非常にやりやすくなったと感じていたのですが、一方「これは子供を物で釣る行為ではないだろうか」と自問自答する日々でもありました。

arrow47_004親が子どもを「物で釣る」ことと「ご褒美を与える」ことの違いについて考えてみました。

 

こういう方針は義理両親が最も嫌うやり方でして、最近ご両親と育児面で一悶着あった私としては実に悶々とストレスフルに感じる部分もあったわけです。

 

ですが、実際次男にはこのやり方を実践した事で良い影響が出ているわけで、そんななか療育園の言語聴覚士さんと懇談する機会があったのでこの話をしてみたところ、非常に心が軽くなるアドバイスをもらうことができました。

 

子供へのルール作りはモチベーションを高める強化因子

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言語聴覚士さんは私のこの話を聞いて、意外にも「すごく良い取り組み」と絶賛されました。

 

私のこのようなルール作りは、決して子供を物で釣るという行為ではなく、子供の物事へのモチベーションを高める「強化因子」だと教えてくださいました。

 

オペラント条件付けという行動療法があるのですが、「何かをすれば何か良いことが待っている」など(その逆もしかり)一定の行動に条件付けをすることにより、その行動を自発的に行えるよう導くことが可能になります。

 

今回の次男の場合は、「朝の準備を完了させる→ゲームができる」と条件づけたことにより、朝の準備を自発的にできるようになったのがオペラント条件付けになります。

 

そして、その行動を強化させる因子となっているのが「ゲームができる」という条件です。

 

この条件は本人にとって好ましいものであることが大切で、それをしたいという目的のために他の条件づけられた行動がすんなりできるようになります。

 

私はこのような心理学の仕組みを知らないまま何となく次男にそのようなルール設定をしていたのですが、ちゃんと療法として確立しているもののようです。

 

このような話を聞いていて思ったのが、大人はそれを自然に自分の中で取り入れているというところです。

 

例えば、「資格試験に合格したら、欲しかったあれを買おう」とか「今の仕事が上手くいったら、ちょっと贅沢なお食事をしよう」とか。

 

私もそういえば学生時代は「期末テスト終わったら、ゲームを思いっきりしよう(←次男と同レベル)」という目標を自分で設定してテスト期間を乗り切っていたことを思い出しました。

 

もちろん、テストで良い点数をとりたいという思いも勉強の動機にはなっていたのですが、それだけよりも、テスト後の何か別の自分だけのお楽しみがある方がよりモチベーションが上がるというものです。

 

これは子供であっても同じことなのですが、子供の場合それを自分で上手く設定できません。

 

どうしても楽しい方に流されてしまいますし、やりたくない事は後回しになり、結果やらずに済ませてしまうことも多いです。

 

それを「~したら、~できる」と親が結びつけてやることで、子供のモチベーションをあげて行動を促す事は決して悪いことではないと言語聴覚士の方に仰っていただいたのは、わたしとしても自分自身を認められたような気がして非常に心がスッキリしました。

 

今までは、どうしても「子供を物で釣っているのではないか」という後ろめたさがあったものですから…。

 

私としても、その目標設定が極端なもの(例えば「これができたらおもちゃ買ってあげる」みたいなその場限りの条件付け)は良くないと思っているのですが、目標を日々のちょっとした楽しみに見出してあげる分にはこの方法は有効だと実感しています。

 

また言語聴覚士の方が言われていたのですが、発達障害のある子には特にこのルールを作るということは効果的なのだそうです。

 

一般的に発達障害のある子供というのは、決まったルールの中で生活することを好む傾向にあります。

 

決まったルールがあることで本人の中で安心感が生まれ、結果的に落ち着いて生活を送れるようになるのだそうです。

 

次男の癇癪が減ってきたというのも、おそらくそのルール作りが功を奏したのではないかと言われていました。

 

 




 

 

癇癪のひどい子にはルール作りは効果的かも

今回の言語聴覚士さんとの懇談から、癇癪の強い子供には強化因子を利用したルール作りが非常に有効だということを学ぶことができました。

 

日々の行動をルール化することで、子供本人にとっても生活しやすい環境が整い、その結果癇癪も減っていくことが見込めます。

 

発達障害の特性は一括りにはできないものですので、これが全ての子供に有効だということは断言できませんが、子供の強い癇癪でお悩みの方は1度この方法を試してみる価値はあると思います。

 

次男もまだいつ何時どんな形でひどい癇癪が始まるかはわかりませんが、今のところこのルール決めのおかげで、朝ゲーム以外の事も話せば理解してくれることが多くなってきました

 

「(次)〇〇ちゃんと遊びたい→(私)今日は遊べないよ→(次)ぎゃー(癇癪)」と今まではなっていたところが、「…(私)今日は遊べないよ→(次)遊べないの?」という風に。

 

「できない事はできない」と少しずつではありますが理解できるようになってきたのは、非常に大きな成長だと感じています。

 

まずはお子さんにとって興味のある物を見つけて、親子で一緒にルール作りに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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