先日のウォーキング時に、あわや踏切事故という場面に遭遇しました。
私は毎回歩くコースがほぼ決まっていて、その途中に複線になっている大きな踏切があります。
ウォーキングダイエットの健康効果がすごい!実感しているメリットと私が実践している歩き方や距離の体験談をご紹介します。
この日もそこを歩こうと向かっていたところ、すでに踏切は下りた状態で、その中には自転車に乗った中学生と思しき男の子が佇んでいました。
「えー!閉じ込められてる!」
と一瞬焦ったものの、その踏切の形態から「じっとしていれば大丈夫かな」と思ってしまった私。
結果から言うと、この男の子は電車がくる前に無事踏切内から出ることができたのですが、この時周囲にいた大人の対応や私の行動も含め、踏切トラブルを目撃した時の対処法はどうあるべきかについて考えさせられました。
今日はそんなお話です。
踏切トラブル目撃時の当時の詳細な状況
踏切内に閉じ込められていた中学生の男の子は、見る限りから想像すると部活帰りのようでした。
彼以外にも約十数名の男子学生がおり、他の学生は列をなして踏切前で電車が通過するのを待っていたのですが、私がその踏切に着いた時にはすでに一人の男の子が踏切内で立ち往生していました。
その踏切は2本の線路が通っており、男の子はその線路と線路の間(線間)に自転車を下りた状態で立っていました。
比較的大きな踏切で、線間の幅も5m程度はあろうかという感じでした。(イメージとしては下の動画にでてくる踏切のような感じです。これよりもっと線間は広め)
そのため、私も「線間の真ん中にいれば大丈夫かな」と思いただ見ていただけだったのですが、その間踏切外にいた仲間の中学生が、踏切内の男の子をずっとはやし立てていました。
「あいつ、だっせーな」
「自転車押していけば遮断機上がるって」
「危ねーからじっとしとけって」
などなど、一人ひとりがいろいろな事を言うものですから、閉じ込められている男の子もちょっと困惑の表情をしていました。
すると、私の後ろから自転車に乗った男性(後の様子でこの男性は引率の先生だということが分かりました)が現れたかと思うと、自分の自転車をそばに乗り捨て、踏切内に入っていったのです!
私は「危ない~!」と思いながらも様子を見ていたところ、その男性が踏切内の中学生の自転車を押し、その男の子を誘導しながら踏切の外へ無事出て行きました。
結局その後、なかなか電車は通過せず、やっと来たかと思ったら、その速度は最徐行。
「誰かが非常停止ボタンをすでに押していたのかな」とも思いましたが、私が踏切に到着した時はそのような行動をしている人は誰もいませんでした。
すると、その救助した先生と男の子の様子を見届けた後に、私の近くにいたオッサン(以下中年男性とします)が私の後ろでヤジを飛ばしていた中学生達を突然叱り始めたのです。
「お前らどこの中学だ」
「踏切内が危ないことくらい、その年なら分かるだろうが」
「ふざけた事ばかり言うな」
などなど、結構強い口調で叱り飛ばしていました。
私などは踏切内の男の子を助けることもできず、周りにいた中学生達を叱ることもできずただ呆然と「危ないなー。でもどうしたら良いのかな」と思いながら見ていただけでした。
そんな私の行動も含め、男の子を助けた先生や中学生達を叱った中年男性などの行動は果たして本当に正しかったのか(少なくとも私は正しくないですが…)についてとても考えさせられました。
先生のとった行動は正しかったのか
この出来事が非常に心にくすぶっていた私は、鉄道会社勤務の知人に事の詳細を話してみました。
すると返ってきた返答は「その先生の行動は間違っている」というものでした。
「危険を顧みずに、教え子のために体を張って助けにいった勇敢な先生」ということで美談にもなりそうなこの出来事ですが、実は、踏切内で人が取り残されている時に最もしてはならないのが「助けに入る」という行動だそうです。
列車は遮断機が降りてから最低15秒で踏切を通過するらしく、いつやってきてもおかしくない状況なのだそう。
下手をすれば先生と男の子二人共が命を落とす可能性もあるわけで、そうなると事故はより一層悲惨なものになってしまいます。
このような踏切トラブルの場合にまずすべきことは、「迷わず非常停止ボタンを押す」ことだそうです。
そして、踏切内にいる人にその場を動かないよう声を掛けることが大切だそうです。
私は正直、この非常停止ボタンを押すという行動に当時は迷いがでました。
というのも、比較的幅のある線間内に男の子はいたため、先述したように「動かなければ大丈夫だろう」と思ってしまったからです。
また、非常停止ボタンを押すことで、電車の運行に支障をきたしてしまうのではないか…ということも一瞬頭をよぎりました。
線間が無い単線の踏切で同じことがあった場合には私も迷わず非常停止ボタンを押していたでしょうが、そもそも単線の踏切の場合、それほど大きくない事が多いです。
そのため、万が一閉じ込められたとしても、老人や子供でない限り自力で踏切外へ出られると思います。
ただ、単線の踏切の場合は線間が無いため、踏切内でとどまっておくことは非常に危険。
その場に留まるよう声を掛けるのは、線間がある場合に限るとのことでした。
そして、線間がある無しに関わらず、踏切内に人が取り残されていたのを見かけたら、周囲の人は迷わず非常停止ボタンを押して良いそうです。
踏切内に入った先生は、引率者としての責任を感じての行動だったのかもしれませんが、これはやってはダメな対処法だと鉄道会社の方のお話でした。
中学生を口頭注意した中年男性の対応
中学生を叱った中年男性の様子を見て私がまず思ったのは「口だけなら何とでも言えるよね」ということでした。
実際、その中年男性は中学生が閉じ込められている間は、踏切外から腕を組んでただ傍観しているだけでした。(傍観していた大人は他にも数名おりました)
踏切内の男の子が先生によって助け出された後、この中年男性が中学生達を叱りだした様子に、私は「自分も何かやっておかないと」という今更感をこの中年男性に対して感じずにはいられなかったのです。
後出しじゃないですけど、実際自分からは助けに行こうとはしないのに、口だけで中学生を叱るのはなんだか卑怯な印象を受けたんですよね。
ですが、後々思ったことは、この中年男性の行動もあながち間違いではなかったのではないか、と。
最近では、他人の子を叱れる大人って減ってきています。
ママ友の世界でもそうですが、よそのお子さんがやんちゃをしていても、大人同士が気を使いあって表立って叱ったりするのが難しい雰囲気ってありますよね。
また、親が自分以外の子にそれほど関心を持っていないというのもあるのかもしれません。
私は子供にとって親以外から叱られる経験というのも大切な気がするのです。
悪いことをしたら叱ってくれる親以外の大人がいる。
これこそ地域で子育てをしている証なのではないかと思っています。
叱られた当時には子供にとっては「うるさいオッサンだなー」という印象であっても、こういう経験というのは子供が大人になった時に生きてくるものだと思うのです。
これからの世の中を担っていく子供達に対して大人が無関心であるというのが一番良くないことなのではないか。
そういう意味で、助けにも行けず、叱ることもできなかった私が一番罪深いような気がしています。
結局、傍観していただけの私が一番悪かったと気づく
今回の踏切トラブルで学んだことは、何か行動を起こす時には勇気と正しい知識がいるということです。
男の子を助けに行った先生は、その行動自体は正しいものではなかったものの、非常に勇敢でした。
仲間をはやし立てていた中学生達を叱った中年男性も、子供達の将来を思っての言動だとすると、非常に親身な方だと言えます。
一番良くないのは、私のように何もすることができず、こうやって事後にあーだこーだブログで書いているような人なのでしょう。
私がこの時何の行動にも移す事ができなかったのは、私に勇気とこういったトラブルの時にどう対処すべきか正しい知識がなかったからです。
自己判断で「線間が広いから、非常停止ボタンを押すまでもないだろう」と目論んでしまったところが、自分の行動力を制限してしまっていました。
踏切トラブルは、判断力の低い子供が合いやすくもあります。
そのような現場を目撃した時に、大人はどう対処するのがベストなのか、正しい知識をつけておく事はとても大切なことだと今回学ぶ事ができました。
踏切トラブルを目撃した時の対処法
踏切トラブルに遭遇した時にとるべき対処法について、鉄道会社の方に聞いたお話をまとめておきます。
1.人が線路内に閉じ込められていたら、迷わず非常停止ボタンを押す
2.非常停止ボタン付近にある電話番号に電話する
3.踏切内にいる人に、線間の真ん中で動かないよう声をかける
踏切内に人がいる場合は、まずは何があっても非常停止ボタンを押して欲しいとのことでした。
私のように「線間があるから…」などと、ボタンを押すことを迷う必要はないそうです。
また「列車に迷惑がかかるかも…」というのも、人命には変えられないそうなので、このような事態の場合には気にかける必要はないそう。
今回私が目撃した踏切トラブルの場合、列車が最徐行で踏切を通過したのは、おそらく踏切内のレーダーが障害物(この場合は中学生と自転車)を検知し、その連絡が列車側に伝わっていたからだろうとのことでした。
非常停止ボタンを押さなくても、このように踏切に設置されている障害物を検知するレーダーが反応すると、列車もそれに対応した運転をするそうなのですが、そのような検知レーダーは全ての踏切についているわけではないそうです。
なので、やはりまずは非常停止ボタンを押す。これがまずすべき大切な対処法なようです。
私自身、今回の経験は自分自身反省する点も多かったですし、今後どうあるべきかについて非常に考えさせられる結果になりました。
鉄道会社の方に聞いたところ、列車の人身事故というのは本当に悲惨なものらしいです。
そういう事故に自分や家族が合わないためにも、子供にも踏切事故の怖さや、決して悪ふざけをして良い場所ではないということも含め、正しい踏切トラブルの対処法も教えていこうと思っています。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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