「私が小学生の頃とは雰囲気が違うな~」
先日、長男の小学校の学校公開日に行ってきました。
学校公開日とは、その日一日、親は好きな時間に好きなだけ小学校にて子どもの様子を見学できるという催しです。
いつもの授業参観のように気になる科目の授業の様子をみてもよいし、食事面で心配な方は給食時間に見に行くことも可能です。
その日私が長男の様子を見に行った時は、ちょうど中休みという時間でした。
中休みは15分間です。
授業が終わり、中休み時間が始まると同時に運動場へ駆け出していく子。
前の授業の片付けを丁寧にしている子。
いろんな子がいましたが、その中でも一人静かに本を読んでいる子も2~3人いました。
各自が思い思いに過ごしている様子をみて私は自分の小学生時代を思い出し…
「私もこんな雰囲気の中で小学生時代を過ごしたかったな…」
とついつい心の中で思ってしまいました。
ですが、我が子が学校の休み時間などに一人ぼっちで過ごしていると知ると心配になる保護者の方も多いのではないでしょうか。
「うちの子、友達いないのかしら…」
「仲間はずれにされているのではないか…」
などついネガティブな方向に考えがちになりますよね。
確かに状況によっては心配すべき一人ぼっちというのはあると思うのですが、私は一人ぼっちで過ごせる子、またそれを受け入れてくれる環境があるということは素晴らしいことだと思います。
今日はそんな「子どもが一人ぼっちでいること」について私の思うことを書いてみます。
一人ぼっちが悪いことだと思っていた私の小学生時代
私が通っていた小学校は1学年1クラス(20人程度)という小規模な学校でした。
人数が少なかったからか、または田舎だったからかはっきりした理由は分かりませんが、一人で行動すると不思議がられる環境にありました。
担任の先生自体も一人で遊んでいる子を見かけると…
「どうしたの?」
「みんなと遊ばないの?」
などと言う人が多く、その当時の私は「一人でいることはおかしい」「休み時間もみんなと行動すべきなんだ」と思い込んでいたところがありました。
実際当時のクラスメイトの中にも、一人でいる子に対して…
「寂しいヤツ」「暗いヤツ」
などと評価している子がいました。
今でこそおひとり好きを公言している私ですが、当時はそんな環境の小学校に通っていたため、大して気の合わない子とも無理につるんでいた記憶があります。(外面ばかり気にしていたんですね)
「本当は読みたい本があるんだけどみんなと遊ばなくちゃ」
「さっさと帰りたいんだけど、みんなまだ遊んでるし」
などと自分の気持ちに嘘をついて過ごしていた日もありました。
「学校ではみんなと遊びましょう」と言われる事をストレスに感じていた当時の私。
そんな過去の私と長男のクラスの一人ぼっちで本を読んでいる子の姿がリンクしてしまい、私はそうやって子ども達が各自好きな事をして過ごしている休み時間の風景を羨ましく眺めていました。
一人ぼっちでいる理由によっては大人の支援も必要
ですが、一人ぼっちでいる子が本当に一人でいたくてそうしているのかどうかは、その子の本心を探ってみないと分からないものです。
私が長男のクラスで見かけた子も、本当はお友達と遊びたいのだけれど何らかの理由があって仕方なく本を読んでいただけかもしれません。
一人ぼっちでいる子には、「本心からそうしている子」と「本心ではなくそうしている子」の2つのタイプがいると思います。
そして、大人の支援が必要なタイプは、本当は一人ぼっちでいたくないのに一人ぼっちになってしまっている子です。
純粋に一人で遊びたい子に大人や先生が「なんでみんなと遊ばないの?」などと声掛けをすると、その子は自分自身を否定されたような気持ちになると思います。小学生当時の私もそう感じていました。
クラスのお友達と一緒に遊べない事にその一言で劣等感を持ってしまい、自己肯定感を感じられなくなってしまうのです。
こういうタイプの子の場合は、大人はあれこれ手出し・口出しをしない方がよいのでしょう。
ですが、本当は一人ぼっちは嫌なのにそうしている子というのは、子どもによってさまざまな事情を抱えているものです。
■内向的で、自分からは友達の輪の中に入れないタイプ
■トラブルなどで友達からハブられているタイプ
このような理由が多いかと思いますが、その場合は大人の適切な支援が必要になります。
本当は一人ぼっちでいることを寂しい気持ちで過ごしているにもかかわらず、そうせざる負えない状況というのが続くと、子どもは次第に学校自体が嫌になってきます。
では実際に一人ぼっちでいる子どもがどのタイプなのかを見抜くにはどう親は接するべきなのでしょうか。
子どもが一人ぼっちでいる本当の理由の見抜き方
子どもの様子がいつもと違うようになったと感じる場合は要注意です。
■朝なかなか起きなくなった
■学校に行く前の準備に時間がかかるようになった
■学校の話をあまりしなくなった
■食欲がなくなった
■外に遊びに行かなくなった …など
これまで活発なタイプだった子の様子が急に変わった場合は、親は小学校のクラスの担任に学校での子どもの様子を尋ねてみてください。
そして、学校でも一人ぼっちでいる時間が長くなっているようなら、子どもは何らかのトラブルを抱えているものです。
このような場合は、親は担任と連絡を取り合い、子どもの状況が改善するよう努める必要があります。
子どものトラブルの原因が分かっていて(仲良しのお友達と喧嘩したなど)、それに親が一から十まで口を出すのはいかがなものかと思いますが、原因がよく分からない子どもの変化については親はしっかり見守ってやるべきだと思うのです。
「うちの子元気がないんですけどいじめられてないですか?!」などと食い気味で担任に詰め寄れば、担任も困惑するかもしれません。
親は「学校でどのように過ごしているでしょうか」と担任には状況確認だけお願いし、そこで一人ぼっちで過ごしている時間が多くなっているようなら、親が子どもに最近の学校はどうかと話を聞いてあげると良いのではないでしょうか。
もし仮に学校で辛い時間を過ごしているようなら、最初は親であってもなかなか本心は言わないかもしれません。自分の負と思われる部分は知られたくないものです。
ですが、私も過去記事に長男の小学校トラブルの話を書きましたが、子どもは少しずつではありますが親に本心をもらし始めます。
小学校1年生の男の子の友達トラブルは成長の通過点。口を出す前に知っておきたい原因と対策。
その時に、親は「子どもがどういう状況を望んでいるのか」を察知して、その方向に導いてやるようなアドバイスをすべきなのだと考えています。
一人ぼっちは恥ずかしいことではない
仲良しのお友達と喧嘩して一人ぼっちになってしまったのであれば、お子さんはきっと仲直りして元通り遊べるようになりたいと思っていることでしょう。
そのような場合は親として仲直りする方法などを子どもにアドバイスしてあげれば良いと思うのですが、難しいのは「本当は友達と遊びたいけど一人ぼっちな子」の対処法です。
自分から声をかけて友達の輪に入る事はできない。でも一人ぼっちはさみしいと思っているタイプ。
このような子に親や担任が「一緒に仲間に入れてあげて」と周りの子に働きかけて手助けすることは、私は正しいとは思えません。
これでは子ども自身の働きかけによって友達の輪に入れたという経験ができず、自主性が育たないと思うからです。
かといって、こういう内向的なタイプの子に積極的になれと背中を押しても、返ってそれを負担に感じてしまうもの。
なので親としては、誰かが助けてくれるのを待っているばかりではなく、その状況をどう打開するかというアドバイスを子どもにしてあげれば良いと思います。
そのひとつとして、「一人ぼっちは恥ずかしいことではない」ということを子どもに知ってもらうのも手です。
自分からお友達に声をかけられないなら、一人の時間をどう過ごすかを子どもに考えさせるのです。
「一人だと自分の好きなことがたくさんできるよ」などと、一人ぼっちのメリットを教えてあげれば良いと思います。
「一人ぼっちはやっぱり嫌!みんなと遊びたいのに」と子どもが言うなら、自分からお友達に働きかけられるようアドバイスをすれば良いのです。
でも、子どもには一人ひとり異なる性格があるため、どの接し方が正しいのか正解はないと思います。
親も子どもの困り感をどうやったら解消できるのか、試行錯誤する必要があると言えます。
まとめ
どの子育てが正しいか、答えはないと思います。
それと同じで、子どもが学校でどのように過ごすのか、そのあり方に正解はないのです。
一人で過ごすのが好きな子、皆でワイワイ過ごしたい子、それぞれが思うように学校生活を送れることがベストではないでしょうか。
要は、子ども同士で多様性を認め合えるように、親や先生が子どもと関わっていくことが大切だと私は考えています。
トラブルを抱えた結果の一人ぼっちの状態にいる子どもの場合は、大人の多少の手助けは必要でしょう。
ですが、子ども自身が自分のやりたい事を見つけた結果の一人ぼっちであるならば、周りはその子どもの自主性を尊重すべきです。
そして、そういう子は周りに流されない、強い信念を持った子であると私は思います。
我が子が学校でいつも一人ぼっちで過ごしているようで心配…という保護者の方は、お子さんがどのような思いでそうしているのか、一度向き合ってみられたら良いかと思います。
好きで一人ぼっちを選んでいるなら、それほど心配することはないと思いますよ。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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