自閉症スペクトラム(ADHD疑い)の次男が6歳になりましたので、5歳代の成長記録についてまとめておこうと思います。
これまで、次男の成長については1年毎に記録してきましたが、今後もこのスタイルは可能な限り続けていく予定です。
過去の記録についてはこちらをどうぞ
就学前の年長の時期も、本当にいろいろなことがありました。
できるようになったこと、できなくなったこと、そういえば前はできていたのに…ということなど。
ただ、ひとつ確実に言えるのは、次男、ちゃんと成長しています。
同じ自閉症スペクトラム児を育てている保護者にとって「この子は将来どうなるんだろう…」といった漠然とした不安はあるかもしれません。
が、皆が同じような成長過程をたどるわけではないとしても、必ずその子なりのペースで育っていきます。
こんな成長パターンもあるのだ…という、ひとつの参考にしていただければと思います。
5歳~5歳半までの成長記録
聴覚過敏を指摘される
年長の新年度になって間もなく、療育園の担任から次男の聴覚過敏を指摘されました。
年少の後半から原因の分からない癇癪や多動が多くなり、私もずっと悩んでいた時期でした。
そうしたところ、どうやらそれらは聴覚過敏からきているのではないか…というお話が。
人が多くザワザワした場所だと気分が崩れやすい様子がよく見られるとのことでした。
思い当たるところも多く、この頃から次男の聴覚過敏を私も気にするようになってきました。
スイミングを退会する
年少から通っていたスイミングスクールですが、次男はこの頃に退会しました。
理由は、以前も記事にしましたが、聴覚過敏からくる多動が原因です。
レジャープールや療育園のプール保育などは好きなのに、スイミングスクールのプールに入る時だけ奇声や走り回るなどの問題行動が起こるようになりました。
休会して様子をみたりしましたがどうしてもスイミングスクールの大きなプールに落ちついて入ることができなくなったので、思い切って退会しました。
ただ、次男自身はプールがすごく好きですし、スイミングの心身への良い影響も実感しているので、聴覚過敏が落ちついて次男がやりたそうなら再開したいと考えています。
手をパチパチ叩くようになる
この頃は、興奮すると手をパチパチ叩いて動き回る様子がよく見られていました。
スーパーやモール・体育館など、人が多くだだっ広い場所に行くと必ずやっていました。
家でも、ご機嫌でトランポリンを飛んでいる時や、好きなアニメを観ていて興奮した時などによく手を叩いていました。
これは5歳代はずっと続いていましたが、6歳になってエビリファイを飲み始めてから頻度が激減しました(エビリファイは聴覚過敏対策として飲んでいます)
次男の場合、特性的に多くの刺激を求めるタイプのようなので、楽しくて気持ちが高ぶった時にも手を叩いてさらに刺激を入れようとしていたと思われます。
雑巾がけができるようになった
これは療育園の担任からの報告ですが、次男は園での掃除で雑巾がけもやっていたようです。
よい感覚統合にもなりそうな動きですし、就学後に役に立ちそうでもあるので、雑巾がけをしているという話を聞いて嬉しく思ったものです。
ただ、家ではまったくやりたがりません。
漢字に興味を持ち始める
もともと数字・ひらがな・アルファベットなどに興味があった次男ですが、この頃は漢字を書きたがる様子が見られていました。
長男の宿題の様子をみていて、自分も真似してみたり。
次男が好きな「小学一年生」という雑誌についていたドリルをやってみたりして、漢字に興味を持ったようです。
6歳を過ぎた現在ではこの頃ほど漢字に関心を示してはいないものの、1年生で習う簡単な漢字(曜日など)は読み書きできるようになっています。
折り紙が折れるように
次男は何かを作ったりするのが大好きなのですが、この頃は折り紙にもハマっていました。
手先の不器用さは無いタイプなので、折り紙の角と角を合わせる作業などもわりと上手にこなしていました。
ただ、6歳を過ぎた現在では、折り紙は折るより切ったり貼ったりする方を好んでやっています。
収集癖が強くなる
次男の製作好きな特性は5歳代前半から続いていますが、この頃は自分が作った作品を壁一面に展示するのにこだわっていました。
その当時のカオスな写真は、こちらの過去記事に載せています。
また、製作に使う空き箱などをとっておくようになり、この頃は次男のベッドの半分がこれらで埋まったような状態で、プチゴミ屋敷状態でした(つい先日、「ゴキブリが出るかもよ」という私の声かけにより、ようやく大掃除ができました 笑)
今では少しずつ「捨てる」という行為ができるようになってきているので、物が増えそうになる前に次男と一緒に片付けるようにしています。
お箸が使えるようになった
お箸については次男が年少の頃からトレーニングに取り組んでいましたが、5歳代前半になってようやく使えるようになりました。
それまではずっとエジソン箸を使っていましたが、次男の場合は一旦習得したやり方をなかなか変えられないという特性があったので、エジソン箸から一般的なお箸に移行するのはかなり大変でした。
一回失敗したことにはチャレンジしたがらない性格もあり、食事の時はエジソン箸しか使いたがりませんでした。
ところが、療育園を卒園すると小学生になれると知って以来、次男は小学生という存在に対して憧れを抱くように。
小学校は自分のお箸とナフキンを持って行って給食を食べるんだよ
という話をしたら、それ以来あんなに嫌がっていた普通のお箸を使いたがるようになりました。
今では、家ではほぼお箸で食事をしていますが、なぜか療育園ではお箸を使いたがらない様子の次男。
私が「小学生になったら~…」と話したせいで、療育園では使わなくてよいものだと思っているのかもしれません。
映画館デビューを果たす
環境の変化に弱い次男なので、映画館などはまず無理だろうと思っていたのですが、この頃に初めて映画館で映画を観ることができました。
もともとは、長男がドラえもんの映画を観たいと言いだしたのがきっかけで、その話を聞いていた次男も「行きたい!」と言い出し、3人で行くことに。
広くて暗くて音が大きい場所という、映画館についての見通しを十分にたてていたのが良かったのかもしれません。
次男の聴覚過敏は単なる音の大きさだけが問題ではないな…と実感した時でもあります。
5歳半~6歳までの成長記録
不安な時に手を舐めるように
5歳代後半も多動・手をパチパチはピークでしたが、この頃から手を舐める様子も見られるようになりました。
精神的に不安になりやすい場面の時に、手を舐める仕草が増えていました。
療育園の担任とも相談して、「手を舐める仕草についてはあえて指摘しない(本人が意識してさらに行動が増える可能性があるので)」ということになり、しばらく見守ることに。
その結果、この手を舐めるという行為は2~3ヶ月程でいつの間にかやらなくなっていました。
同世代の子どもに興味を持ち始める
5歳代の一番大きな変化と言える部分ですが、次男はこの頃から同世代のお友達に関わりたいという素振りを見せるようになってきました。
お友達が遊んでいると、自分も近くに行って真似してみたり。
最近では、次男自ら…
(お友達と)一緒に遊びたい…
と初対面の子であっても私に言ってきたりするようになりました。
これまで他人に対して興味を示さなかった次男でしたので、この変化はとても嬉しかったです。
ただ、相手のお友達のことが大好き過ぎて突然抱きついたりと関わり方が一方的な時もあるため、その点はこれからの課題かと思っています。
洋服へのこだわりがなくなる
これまで決まった洋服しか着たがらない次男でしたが、この頃から洋服に対するこだわりが全くなくなりました。
むしろ、新しい洋服が収納ケースに入っているのを発見したりすると
これ、新しいと?(ウキウキ)
と積極的に着たがるように。
洋服へのこだわりが強かった時期は「もう、この子は一生この状態ではなかろうか…」と悲観もしたものですが、こだわりはずっと続くものではないと実感しました。
文字で伝えると理解しやすいと判明
視覚優位の次男ですが、この頃に療育園の担任から、次男は文字で伝えると理解しやすいことを教えていただきました。
園では、一日の予定など多くのことを次男専用のホワイトボードに文字で書いて伝えているようです。
また、こだわりからの癇癪が出た時なども、「今はこうです」という理由を文字で示すと落ち着きが早いとのことでした。
なので、この時期は自宅でもお出かけ時などにミニホワイトボードを携帯して実践していました。
今では言葉でのやり取り・理解がだいぶ進んできたので自宅ではもうやっていないのですが、療育園では次男専用のスケジュールを持たせてもらっているようです。
料理に興味を持ち始め、製作好きがさらに加速
何かを作るという行為が今でも好きな次男ですが、料理への関心は5歳後半から見られるようになってきました。
クッキーやケーキなどを作る時の混ぜる作業をしたがったり、型抜きやデコレーションなどの成形をやるのも大好きです。
ミニトマトのヘタ取りやえんどう豆の皮むきなども好きです。
また、工作も変わらずにずっと大好きで、家では折り紙や紙皿・紙コップなどで何やらいろいろな物を作って遊んでいます。
家は恐ろしく散らかりますが、手先を使う作業はさまざまな成長に良さそうなので、基本好きにさせています。
個別OTを開始する
療育園の担任の勧めで、この頃から月2回、個別OTを受けるようになりました。
次男の場合、強い刺激を好むタイプでありながら、音への過敏さなども合わせ持つという感覚に凸凹があるタイプということも個別OTを受けて分かりました。
また、次男はADHD特有の「多動」「衝動性」が強い面があるので、個別OTでは「待つ」「やり遂げる」などのトレーニングも遊びの中でやってもらっています。
児童精神科を受診する
次男の聴覚過敏のことで、この頃に児童精神科を受診しました。
次男の様子から、次男の場合はADHDの要素が強いという指摘もこの時に受けました。
児童精神科を受診したのは聴覚過敏以外にも、就学後のかかりつけ医を持っておきたかったというのも理由のひとつです。
現在は、療育園の専門医師が診察・診断書などを担当してくれていますが、卒園後は療育園では診てもらえなくなります。
発達障害児の場合は、専門のかかりつけ医を早い段階で見つけておいた方がよいです。
エビリファイの服用を開始
聴覚過敏対策としてすすめられたエビリファイという薬を、次男は6歳頃から飲み始めました。
結果、今現在では、聴覚過敏だけでなく情緒面もかなり落ちついてきています。
次男の聴覚過敏は、周囲のザワザワ感や子どもの奇声以外にも、他人の「咳・くしゃみ」「電車の走行音」に対してあるのですが、この中で電車の走行音以外はかなり平気になりました。
本人の精神状態にもよりますが、電車の音などこれまでは「うわ~!」とパニックになって暴れていたのが、今ではその頻度がかなり減っています(全くパニックにならないわけではありません)
5歳~6歳までの成長まとめ
この歳の次男の成長での大きな変化は…
■聴覚過敏が出てきた
■こだわりが減った
■他人への興味が出始めた
の3つだと感じています。
中でも私が一番大きな変化だと感じているのは、「他人への興味」です。
次男のような自閉症スペクトラム児の場合はひとりの世界を好む傾向の強いお子さんが多いかと思いますが、次男もこれまではずっとそうでした。
が、5歳になってから、依然ひとりでの遊びも好きではあるものの、「あの子がやっているの面白そう」「真似したい」「一緒に遊びたい」という感情が出てきているのは、社会性が育ってきている証ではないかと感じています。
日々の次男との生活は大変なこともまだまだ多いのですが、6歳代、就学後はまたどのような成長を見せてくれるのか、今からとても楽しみにしているところです。
福岡市在住。年の差3兄弟を育てています。
次男が知的境界域の自閉症スペクトラム(ASD)です。
発達障害のこと、子育てのこと、趣味のビュッフェ巡りや旅行について書いています。
社会福祉士です。
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