スイミングが発達障害児にもたらす良い効果には理由があった!療育学習会で学んだ事まとめ。

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我が家の次男は現在4歳。自閉症スペクトラムと診断されています。

 

こだわりが強く、激しい癇癪持ちです。

 

現在、福岡市が運営している療育園に通っているのですが、そこでは月に2回ほど「プール保育」という時間が設けられています。

arrow47_004福岡市の療育園ってどのようなところ?費用は?私立幼稚園から転園させて分かったその実態をお話します。

 

園内に併設された温水プールで行われる保育なのですが、これは保護者も同伴することが必須となっています。

 

もうかれこれ10年以上も人前で水着になっていない私としては、先生や他の保護者の前でアラフォーの水着姿を月に2回も晒さなければならないことに衝撃を受けたのですが、それは我が子のためと腹をくくりました(笑)

 

ただ、そんな己の体型以上に心配だったのが、果たして自分にプール保育で適切な介助が我が子にできるだろうかということ。

 

このような心配をしておられる保護者はやはり多いようで、園では先日、プール保育を行うにあたり事前の学習会が催されました。

 

そこでは、私のような不安を解消してくれるような内容の他に、プール保育が発達障害児にどのような良い効果をもたらすかについても教えてもらい、非常に興味深く聴講してきました。

 

そこで今日は、私が障害者水泳指導員の方から実際に聞いたプール保育(スイミング)のさまざまな効果について備忘録的にまとめてみます。

 

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水の5大特性とは

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我が家の次男は現在、週に2回の習い事として民間のスイミングスクールに長男と一緒に通っています。

 

もともとそれ程水嫌いな子でなかったことと、スイミングがもたらしてくれるその多くの効果に期待して通わせ始めましたが、正直なところ、理論的な意味でのスイミングの有益性については私もしっかり認識していませんでした。

arrow47_004発達障害児の習い事には水泳がおすすめ。スイミング教室で実際に感じた効果とは?

 

学習会ではまず水の特性についてのお話があったのですが、水には大きく分けて5つの特性があるそうです。

 

①浮力

②抵抗力

③水圧

④水温

⑤水流

 

これらの特性を活かすことで、水中では身体的・精神的にさまざまな効果を得る事ができるようになります。

 

では、実際どのような効果があるのか、それぞれ具体的にお話します。

 

浮力がもたらす効果まとめ

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浮力とは、水中で物体を押し上げようとする力の事をいいます。

 

体が水につかる程、浮力は感じられるようになります。

 

そのため、例えばふくらはぎまで水につかったとしても体に感じる体重は陸上のそれとほぼ変わらないのですが、これが肩まで水につかると、足にかかる体重は実際の1/10程度にまでなります。

 

それゆえ、プールに入るとふわふわ体が軽くなったように感じるのですが、浮力にはこのような特性があるため、水中では関節などへの負荷が少なく筋力トレーニングなどができるのがメリットです。

 

低緊張気味と言われていた次男もずっと陸上ではジャンプができなかったものの、スイミングに通いだしてからは水中でピョンピョン弾むのが楽しかったようで、あっという間にジャンプもマスターしました。

 

ただ、水中に慣れていない人にとっては体勢のバランスをとりづらいというデメリットもあるため、プール保育ではお子さんによっては保護者が入水中の子供の様子をしっかり気にかけておく必要があります。

 

抵抗力がもたらす効果まとめ

 

水中では移動方向とは反対の力を体に受けることになります。これが抵抗力です。

 

水の抵抗力は空気の800倍だそうで、水の中でただ歩くだけでも「あー、しんどい…」となるのはこの抵抗力のせいなのです。

 

この抵抗力を利用すれば、個人の可能な限りの強度で無理なくトレーニングができますし、全身くまなく負荷をかけることもできるのが抵抗力のメリットと言えます。

 

ですが、水中での移動が陸上より困難になるという点は、プール保育においては、プール内で子供と距離ができてしまった場合、すぐに近くに行くことができないというデメリットにもなります。

 

プール保育では子供の安全というのが当然優先されますので、保護者は水の抵抗力を理解した上で、子供と入水する事が大切です。

 

水圧がもたらす効果まとめ

水中では水圧によって体の至るところに力を受け続けることになります。

 

この受ける力は水深が増すごとに大きくなり、10cm深くなると約10g/㎠の力で体は圧迫されます。

 

幼児だと、水深30~40cmがだいたい胃の辺りになるのですが、この場合その部分があらゆる方向から40gくらいの力で押され続けていることになります。

 

「○○gの力ってどのくらいかしら?」という方は、実際に秤を指で押してみると良いです。

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押した時に出ている数字がその力なので、その感覚を覚えておいて実際に自分の体を押してみるとわかりやすいです。(意外と強い力だったりしますよね)

 

このような水圧の圧迫力は全身の血液循環を良くしてくれるメリットがあるので、むくみや疲労回復に効果的です。

 

ですが、デメリットとしては、発達障害児の中には感覚過敏のお子さんも多く、このような圧迫感が苦手な場合もあります。

 

また、水圧で尿の生成が促進されたりもするため、自律神経に作用する尿意がドキドキ感やイライラ感を増幅させてしまうこともあるそうです。

 

プール終わり頃になると気分が崩れてしまうお子さんが多くなるのは、この水圧の作用も関係しているようですね。

 

保護者としては「プール楽しくなかったのかな?」と思ってしまいがちですが、これも水圧が及ぼしている一時的なものとも考えられるので、あまり神経質になる必要はないとのことでした。

 

 




 

 

水温がもたらす効果まとめ

水中では陸上の27倍の速さで熱が移動するのだそうです。

 

これはつまり、水中では体温を奪われやすい事を意味しています。

 

夏の暑い日にプールで気持ちよく泳いでいても、しばらくすると唇が青くなるくらい体がガタガタしだす…というのがまさにそれですよね。

 

そのような水中環境では体温が低下しやすかったり、一時的に免疫力が下がるなどのデメリットがあります。

 

ですが、肌への寒冷刺激と水中運動による発熱の相乗効果により、体温調節機能が向上するというメリットもあります。

 

これによりエネルギー消費量もUPするので、普段あまり運動しない(できない)お子さんでも短時間で効果的な運動効果を得られやすくなります。

 

水流がもたらす効果まとめ

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水中を歩いたり泳いだりすることで、体の表面を水が流れている感覚を得る事ができますが、この水の流れが水流です。

 

「流水浴」とも言いますが、温泉施設などでたまに見かける「水流のあるお風呂」などに入ると水の勢いで体がパタパタ波打つ感覚って、一度は経験されたことがある人も多いのではないでしょうか。

 

「フラッター現象」というそうですが、あのように水流を体の表面に感じることで、これまた多くの効果が期待できます。

 

疲労回復や血行促進などのマッサージ効果以外にも、私が一番着目しているのが「脳細胞の活性化」です。
脳を鍛えるには運動しかない!の著者レイティ氏も…

「ニューロンの数を増やすために最も効果が期待できるのは、運動です。さらにものを覚えたり認知能力を高めるために必要な神経結合を増やしたり、ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンといった思考や感情にかかわる神経伝達物資の分泌を促す効果も、運動にはあります」

出典:exciteニュースHP より

と言っているように、運動と脳細胞活性化の密接な関係を説いています。

 

 

運動だけでなく、体を手でさすったり押したりするマッサージが脳細胞の活性化に有効という視点から、それと同等の効果を水中で得られるフラッター現象にも脳細胞の活性化の効果が見込めるという訳です。

 

発達障害の原因の一つに脳の神経伝達の異常という説もありますし、この点から考えると、水中での運動効果が特に発達障害児に推奨されている理由が分かるような気がします。

 

過去に別のデイサービスでの療育に通っていた際、毎回子供を寝かせて親が体をマッサージする時間があったのですが、これが全身やるとなると結構大変で…。

 

これが水に入るだけで全身くまなくマッサージ効果が見込めるなら、スイミングは手軽で効率的だと納得しました。

 

水流が強いと水中での体勢維持が難しくなるので、力を入れにくい子供にとってはそこがデメリットとなります。

 

 




 

 

まとめ

これは次男が通っている療育園でのアンケート結果ではありますが、、プール保育を終えた後の約7割の保護者が「子供に何らかの変化があった」と回答していました。

 

■顔を水につけて洗うのが平気になった(水慣れ)

■良く寝るようになった(運動効果・エネルギー消費UP)

■お通じが良くなった(マッサージ効果)

■散歩で長く歩けるようになった(筋力UP)

■集団行動に参加できるようになった(脳細胞の活性化?)

 

ただ、初めてのプールだとやはり最初は怖がるお子さんも多く、指導員の指示どうりにできなかったりと親も不安が募るものです。

 

ですが、今回お話いただいた指導員の方曰く「たとえ皆と同じ動きができなかったとしても、水中での抵抗力などのおかげで、水の中にいるだけで何らかのトレーニングには役立っています」とのことでした。

 

水中にただいること、水中での何気ない動き一つが筋力UPや脳細胞の活性化へつながっているので、親は子供の様子に囚われすぎなくても良いとおっしゃっていました。

 

なにより、親子で一緒にプールを楽しむという姿勢が大切だとのこと。

 

日頃とはまた違ったスキンシップがとれますし、子供も親と一緒だと喜ぶのだそうです。

 

最初は水着&すっぴん姿を晒すことに抵抗があった私ですが、この学習会でのお話を聞き終えて「なんだか楽しそうだな」と思えるようになりました。

 

なんなら私自身も一緒にシェイプアップ出来るんじゃない?くらいの勢いです(笑)

 

来月からのプール保育、母子共に楽しんでやりたいと思います。

 

 

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